第216話 久しぶりの吸血
今日も短いです。
それと、タイトルつけ忘れてました。
ごめんなさい。
魔境で魔物をたくさん殺して頭を冷やしてきた私は魔王城に戻ってきていた。
「サーチ」で確認したところシンはどうやらリビングにいるようだ。
私はリビングに「テレポート」で転移する。
「ミコ、おかえり」
「シン、ただいま」
「今、朝食を創る」
そう言ってシンは「創造」で朝食を創る。
今日は和食のようだ。
卵焼き、焼き魚、お味噌汁、お米だ。
でもおかしい、1人分しかない。
「何で1人分?」
「うん?あぁ俺はあまりお腹が空いてないからな。これでいいと思って」
そう言ってシンは四角い形をした固形のお菓子のようなものを見せてくる。
確か栄養食とかいうものだと以前シンから聞いた。
栄養価が高いらしい。
食欲がないならうってつけと言う考えなのだろうけど、昨日の頭痛もあり少し心配だ。
「それじゃあ、いただくわね」
「召し上がれ」
そう言って私はシンの創ってくれた朝ごはんを食べ始める。
うん、相変わらず美味しい。
私はシンの創ってくれた朝食を堪能した。
「ごちそうさまでした」
私は普通に食べきった。
お皿とかはシンが消してくれた。
「そういえばレイルとミリー、セーラは?」
私は先ほど「サーチ」を発動した時に魔王城にいなかったレイル、ミリー、セーラの存在を思い出してシンに聞く。
「あぁ、その3人なら朝早くから王城の方に行った」
「あぁ、城の修繕やらの話ね。でもレイルとミリーって城壁の修理が終わってから行くんじゃなかったっけ」
「あぁ確かにそうなんだが、もう終わったらしい。なんでも昨日のセーラの演説で士気の上がった騎士と魔法師が協力して夜通しで作業したら終わったらしい」
「えぇ」
私達ならともかく一晩で城壁の修復って、一般人に出来るレベルではない。
私はナイト王国の騎士団と魔法師団の二つはを評価を再評価しなおすのだった。
「私達も王城に行くべきかしら?」
「いや、俺もセーラに同じことを聞いたんだが断られた。何でも王城に俺達の手を煩わせるほどの価値なんてないそうだ」
「確かにセーラが言いそうな言葉ね」
セーラは、というか七魔公は全員シンに対して信仰とも言えるレベルの忠誠を誓っている。
そのため、シンにつまらない雑事をやらせるのを嫌うのだ。
特に、自分でできることなら尚更だ。
「それじゃあ、今日は何するの?」
私は今日のシンの予定を尋ねる。
「特に決めてないな。ただ、頭痛のこともあるし魔王城にいようと思う」
「それがいいわ。私も心配だったし」
「とりあえず、自室に戻る。ミコはどうする?」
「一緒にシンの部屋に行ってもいいかしら?」
「構わないぞ」
「それじゃあ行きましょうか」
そうして私は「エリアテレボート」を発動して、シンの部屋に転移するのだった。
シンの部屋に戻った私達はベッドに寝転がった。
「二度寝でもする?」
「今は眠くないからなしだな」
「まぁ、起きたばかりだものね。なら」
そう言って私は体を起こしてシンの上に馬乗りになる。
「ミコ?」
シンが私の名前を呼ぶ。
「最近色々あって出来てなかったから吸わせて」
私は随分前から吸血衝動が来ていた。
でも、シンが色々と忙しくそうだったから定期的にシンの「創造」で創って貰った血を飲んで抑えていた。
だけど、こんな絶好の瞬間が巡ってきたのならもう我慢なんて出来ない。
「み、ミコ。ちょっと落ち着け」
「無理。頂きます」
そうして私はシンの首にかぶりつく。
「ん、んん。おいひい」
「あ、ああ、ミ、コ。ちょっと、待って、くれ。そんな、に、勢い、よく、吸われた、ら」
シンが何か言っているが、私の耳には入ってこない。
はぁ、シンの血はやっぱり美味しい。
しかもずっと我慢してたから更に美味しく感じる。
お腹が空いているときに食べるご飯というのは普通に食べたときより美味しく感じる。
それと同じ原理だろう。
美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい美味しい。
シンの血、美味しすぎる。
前飲んだ時よりも絶対に美味しくなってる。
こんなのやめられない。
私はシンの血を飲む。
今の私の体は一応定義上は人間ということになっている。
でも、災禍の魔女、吸血姫としての力を取り戻して更にレベルを上げて強くなったため吸血姫としての特性が強まった。
それこそ、普通の吸血鬼以上に吸血姫に近くなった。
ここで吸血鬼と吸血姫の違いについて話そう。
簡単に言えば、吸血姫は吸血鬼の上位種だ。
別に吸血鬼じゃないというわけではない。
人間でいうところの天才のようなものだ。
稀に生まれる強力な存在。
それが吸血姫、正確に言えば吸血鬼の上位種だ。
普通の吸血鬼と違う点でいうと、全てにおいて吸血姫は吸血鬼より優れているということだ。
魔法も身体能力も全てにおいて圧倒的に優れている。
だから上位種と呼ばれているのだ。
ちなみにだが、吸血鬼の上位種には二種類がいる。
一つは私のような生まれながらの上位種。
もう一つは長い長い年月を経て、吸血鬼が進化した上位種だ。
長く生きた吸血鬼は稀にだが上位種に進化する。
私がいた国でも数はかなり少ないが、上位種がいた。
ちなみにだが吸血鬼の上位種は何人かいるが、吸血姫は私だけだ。
吸血鬼の上位種は全員が固有種族のようなものになるのだ。
そして吸血鬼の上位種にはそれぞれ何かしらの偏った特性がある。
私の場合は魔法への高い適性。
そして、普通の吸血鬼よりも吸血衝動が弱く、ほとんど起らない。
では何故今の私の吸血衝動は強く、頻度が高いのか。
その理由は、私にはもう一つの適性によるものだ。
その適性とは、一度惚れた相手に依存し、命尽きるまでつくし、その相手の近くにいればいるほど吸血衝動の頻度が高くなり強くなるというものだ。
そして、その特性はレベルが上がれば上がるほどより強力なる。
まぁ私が言いたいのは、今の私は一応定義上人間の吸血姫という、よくわからない状態だということと。
私の吸血衝動が強く、頻度が高いのは種族によるものだということ。
私の吸血衝動はレベルが上がるごとに強力になってしまうということだ。
結局、私が満足したのは吸血を始めて2時間後だった。
「ぷはっ」
私はシンの首から口を離す。
「はぁはぁ。ミコ、吸い過ぎ、だ。俺を、殺す気か」
シンはかなり余裕がなさそうだ。
昨日の頭痛のときもそうだが、弱っているシンは可愛い、とても可愛い。
普段はとってもかっこいいからこそ余計にだ。
それをみたくて、私はシンがしんどくなるにも関わらずたくさんの血を吸ってしまう。
まぁ、シンの血が美味しいというのも勿論あるが。
「最近吸わせてくれないシンが悪いのよ。私はずっと我慢していたの」
「言ってくれたら、吸わせてあげるのに」
「だって、シン忙しそうでそんなこと言い出せなかったし、それに」
「それに?」
私はシンの耳元に口を近づけて言う。
「焦らした方が美味しくなるから、待ちたくなるのよ」
私はそう、悪びれたように言う。
「ミコ本当にずるいな」
シンはそう言った。
何がずるいのだろうか?
私にはシンの言葉の意味が理解できなかった。
シン視点
俺は今、ミコに血をほとんど飲まれてぐったりしていた。
今、ミコはたくさん血を飲んで満足したのか寝てしまった。
「焦らした方が美味しくなる。か」
俺はミコの発言を思い出す。
「勘弁してくれ」
俺はそう思わずにはいられなかった。
定期的に少しずつの方が俺としては楽なのだ。
それでも結局、血を吸わせてあげるのは、
「惚れた弱みというやつか」
俺はそう思ってしまったのだった。
今日は出先なので、スマホで書きました。
そのため、普段よりも誤字脱字があるかもしれません。
ごめんなさい。
巻き返しカウント:9話
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