第215話 寝起きのミコ
少し投稿遅れてすみません。
今日も短めです。
「う、ううん」
俺は目覚める。
頭痛もまったく感じない。
快調といってもいいだろう。
「ふぅ、とりあえずベッドから出るか」
俺はベッドから降りようとする。
が、それは叶わなかった。
なぜなら、ミコに俺の右腕をがっつり抱きしめられているからだ。
滅茶苦茶強い力で抱き着かれているため、無理やり離すには相応の力が必要だ。
だがそれだけの力を使えば間違いなくミコを起こしてしまう。
それは忍びない。
しょうがない、もう少しベッドで横になるとしよう。
そうして俺はまたベッドに横になるのだった。
まぁミコの寝顔をこんな長時間楽しむ機会だし、存分に見させてもらおう。
1時間後
「う、うみゅ」
ミコが目覚めた。
俺はミコの顔を眺めていた、正面からだ。
ミコが目を開ければ必然的に俺と目が合う。
「シン、おはよう」
ミコは瞬きを一切せずに俺を挨拶をする。
「おはよう、ミコ」
そして静寂が部屋を支配する。
「あの、なんでシンは私を見てるの?」
「なんでって、目が覚めてベッドから出ようと思ったらミコが俺の腕を離してくれなかったからここ1時間程ミコの寝顔を眺めていた」
「そう」
そう言ってミコは俺の腕を抱きしめる力を強める。
「ミコ、なぜ腕を抱きしめる力を強めるんだ?」
「だってこうしてればシンはずっとここにいてくれるのでしょう」
ミコはそう上目遣いで俺にそういう。
可愛い、可愛すぎる。
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い。
俺の頭の中が可愛いで支配される。
何だそれ、反則だろ。
恐らくまだ完全に意識が覚醒していないのだろう。
だからあんなこともできるのだ。
普段からミコはクールだ。
だからこそこんな感じに可愛く甘えられたら俺はもうどうしようもない。
これが所謂、ギャップ萌えという奴なのだろうか?
「ミコ、いったん離してくれ。着替えたい」
「んんー。いやー」
何だろう、ミコが今度は幼児退行している気がする。
実はこれ、昔何度か経験している。
ミコは寝起き、極たまにだがとんでまいないことをすることがあった。
まだ力の制御が未熟なときなんて寝ぼけて俺とミコを血の鎖で繋いだり。
寝ているのにも関わらず俺の血を吸ってきたり。
だが、こんな時の対処法は分かっている。
「ミコ、離してくれ。離してくれたらご褒美をあげる」
「ご褒美ー」
「そうだ、ご褒美だ。なでなででも抱っこでも何でもしてやる」
「んんー。でもわたしまだシンに抱き着いていたいしー」
「今日の朝食にプリン追加でどうだ?」
「交渉成立。離してあげる」
そう言ってミコは俺の腕を解放する。
俺は「ドレスチェンジ」で手早く着替える。
と言っても見た目は完全に変わっていない。
全く同じ服だから当たり前だが。
「ドレスチェンジ」
ミコも「ドレスチェンジ」を発動して着替えた。
俺と同じで服は全然変わっていない。
同じ服なのだろう。
「シンー。なでなでしてー」
「分かった。よしよし」
俺はミコの頭を撫でる。
ミコの髪はすべすべで触っていて気持ちいい。
そこから数分間、俺はミコを撫で続けていた。
「はっ」
するとミコの目が一気に大きく見開かれた。
これはようやくちゃんと終わったな。
ミコが寝起きで変になった場合、突然ちゃんと起きて普段通りになる。
そしてそこからの流れは決まっている。
ミコの顔が一気に赤くなる。
「シ、シシシシシン。おはよう」
「あぁ、ミコ。おはよう」
「その、ごめんなさい」
「構わないぞ。ちょっと失礼するわ」
そうしてミコは「テレポート」でどこかへ転移していった。
「寝ぼけているミコ、可愛いな」
俺は改めてそう思うのだった。
ミコ視点
やってしまったやってしまったやってしまった。
私は昔から寝起きの時、たまに変になってしまう。
しかもいつもちゃんと寝ぼけてた時の記憶は明瞭にあるのだ。
だからちゃんと目覚めたときに死にたくなる。
本当に情けない。
まるで子供みたいにシンに抱き着いて。
あぁ、もう本当に恥ずかしい。
ちゃんと自分の意識がはっきりしているときならそこまで気にならない。
でも寝ぼけているときは本当に駄目だ。
寝ぼけているときは理性が機能していない。
そのせいか、本能的な行動やしたいと思ったことをしてしまう。
これは対処のしようがないのだ。
強いて言うなら寝ないことだ。
私はスキル「睡眠・休養不要」があるから寝る必要はない。
だが、シンが寝ているなら一緒に寝たいと思う。
実は、一緒に寝ていても、私だけ寝ないなんてこともある。
例えば、シンを眺めていたい気分の時は一晩中シンを眺めているし。
シンの匂いが恋しい時は一晩中シンの匂いを嗅いでいる。
寂しさを感じたら一晩中シンに抱き着いて落ち着く。
なんてことも結構ある。
だからシンと睡眠時間は大して変わらないのにシンの方が圧倒的に早起きとなることが多いのだ。
「ちょっと気を晴らしましょう」
羞恥心で未だに死にたいと感じてしまう私は少し頭を冷やすことにする。
私は「テレポート」を発動して魔境に転移する。
それもかなり奥の方。
というか「テレポート」でいける限界がここなのだ。
これ以上深くには行ったことがないため「テレポート」でいけないのだ。
「さて、私の気晴らしに付き合って頂戴」
そうして私は魔力を高めた。
「サーチ」を発動して周りの魔物の反応を確認する。
かなりの数がいる。
最近魔境に来ていたなかったのも一つの原因だろう。
「とりあえず、無作為に殺して回りましょうか「ブラッドランスレイン」」
私は広範囲に血の槍の雨を降らす。
普段シン達との摸擬戦で使う規模の数倍の範囲はある。
シン達にはこの程度の魔法じゃ牽制にしかならなから、たくさん魔力を消費して規模を大きくしたりしないのだ。
だが今回のように無作為に周囲の魔物を殺すのなら打って付けだ。
私はひたすらに血の槍の雨を降らせる。
すると死んだ魔物から出る血の匂いで更なる魔物がやってくる。
後は無限ループだ。
少し飽きてきた頃には「ブラッドランスレイン」の他に「ブラッドスピア」と「ブラッドコントロール」も発動した。
そこらへんに大量の血があるのだ。
血は有効活用するに限る。
なにせ私は吸血姫だから。
まぁ今は人間だけど、吸血姫の力を持っているし完全な間違いじゃない。
私はそこら中にある血を槍に変えて、あるいは触手に変えて効率よく魔物を殺していった。
ちなみにだが吸血鬼が飲む血は人間に限らない。
いや基本的には人類の血が普通だが、最悪の最悪は魔物の血でも何とかなる。
低位の吸血鬼は人間の血を奪えないから弱い魔物の血をすするということもあるそうだ。
私はシン以外の血を飲んだことはない。
城に軟禁されているときも一応人族の血は与えられていたが体が全力で拒否したので全然飲んでない。
当然魔物の血を飲もうなんて思わない。
だけど周りには魔物の血が大量に余っている。
これをどうするのか、答えは簡単。
私は「ブラッドコントロール」で血を四角形の個体に変化させる。
それを「ストレージ」に入れておく。
こうすることで自分の血を使わずに血系統の攻撃をすることが出来る。
そこで私はふと思い出した。
そういえば最近シンの血を貰っていない気がする。
後でもらおう。
私はそう心に決めるのだった。
どうも、新しく昨日発売した小説を読んで推しキャラが挫折して病んでる作者です。
滅茶苦茶好きだったんで結構ショック受けてます。
作者は推しキャラの活躍度とかで精神状態が割と変化するので、たまにこうなります。
以前も別作品の推しキャラが負けヒロインとなって精神的なダメージを受けました。
皆さんも気を付けてください。
巻き返しカウント:9話
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