第206話 完全攻略とお引越し
注意、作者が将棋好きのため将棋を入れました。
ルールが分からない人はなんとなくで見てください。
今日も短めです。
リバーシの結果は32対32。
つまり、引き分けだった。
「引き分けだな」
「そうね、だからあと2個ゲームをしなきゃいけないわ」
「そうだな、ならチェスとは趣向を変えて将棋なんてどうだ?」
「将棋?」
「俺の前世の世界にあったボードゲームだ。ルールは渡す」
俺はゲームに「メモリートレース」を発動する。
「なるほど、チェスと似ているけれどか面白いわね」
「それじゃあやろうか」
俺は「創造」で将棋の盤と駒を創りだす。
「えぇ、先手と後手は確か歩を投げて表裏で決めるのよね」
「あぁ、コイントスみたいなものだ。それで、表と裏どっちがいい?」
「表」
「それじゃあ俺はと金だな」
そうして俺は歩を投げる。
駒は地面に落ちた。
駒は裏だった。
「それじゃあ俺が先手だな」
そうして俺とゲームの将棋が始まった。
俺が前世で一番したボードゲームは間違いなく将棋だ。
だが、それはほとんど独学だ。
だから戦法も初歩的なものしかしらない。
俺の戦法は初心者がよく使う棒銀を行っている。
俺達は駒を動かし、取り、置く。
それをひたすらに繰り返す。
そんなとき、ゲームが歩をある場所に置こうとした。
「あ、ゲーム。それは待て、反則になる」
「え?」
ゲームは俺の言葉に目をパチクリとした。
「二歩だ。同じ列に歩を二つおくのは反則だ」
「あ、そういえばそんなルールあったわね。でもよかったの?何も言わなかったら貴方の勝ちだったのに」
「さすがにそんな勝ち方はしたくないし、今日初めてやるやつを相手にしてるんだからそれくらいしないとな」
「ふふ、ありがと」
そうして俺達は再び始める。
ゲームは先ほどとは違う手を打つ。
そこからまた将棋は続く。
「あ、それも反則だ」
「え?」
「千日手と言ってな、同じ局面を4回以上したら反則っていうか、やり直しになるんだよ」
「そんなのもあったわね。貰ったばかりの記憶なのに、ルールが多くてややこしいわね」
「まぁ、最初はそうだろうがじきにそんなの感じなくなるぞ。俺は将棋をやり始めて、その後にチェスをやり始めたんだが、将棋になれるとチェスの方が複雑に感じる。なにせ取った駒を使えないからな」
「確かにそれに慣れているときつそうね」
「ということで別の手を打ってくれ」
「了解」
そうして俺たちは再び、再開した。
そして、ついに。
「王手だ」
「負けたわ。私の詰み」
「ふぅ、初めてにしてはかなり強かったな」
「ことゲームの才能に関しては世界一を自負しているの」
「間違いない。俺かなりやりこんでいたからな。将棋は」
「さてと、既に二勝したからシンの勝利よ」
そう言ってゲームは神封の首輪、服従の腕輪、服従の足かせを付けた。
「あとは貴方が魔力を流せば終わりよ」
「いいのか?随分とあっさりとするな。それはお前が俺に逆らえなくなることを意味しているだぞ」
「構わないわ。というか、昔から決めていたの。私をゲームで負かした相手に服従するって」
そうゲームはニコニコ笑顔で言った。
これは冗談という様子ではない。
「はぁ、分かった」
俺はそういって服従の腕輪と服従の足枷に魔力を流す。
それによって、ゲームは俺の命令に逆らうことが出来なくなった。
「これで、お前は俺から逆らうことは出来ない」
「ふふ、そうね。それで、私をどうする?」
「そうだな、ルミネス」
「何?魔王様」
「同じ上位神だし、ゲームの面倒をみてくれ。コピ同様スキルに使え」
「何に使ってもいい?」
「あぁ、俺が許そう」
「分かった」
俺がゲームに向き直る。
するとゲームは俺が何をしたいのか理解したらしく、俺の目の前に跪いた。
「じゃあ、ゲーム。我、魔王の配下に加わりその幹部である七魔公第五席「魔神」ルミネス・グロウス・インフィニティに従え」
「承知しました。我、遊戯神ゲームは魔王様の配下の末席に加えていただき「魔神」ルミネス様の指示に従います」
これによって、ゲームはルミネスの元で働いてくれるだろう。
「さてと、それじゃあ。神級ダンジョン「神々の遊戯」完全攻略だ」
「疲れたー」
「にしても、シンのゲーム凄かった」
「ふふ、またやろうな」
俺達はそんな会話をしながら、いつのまにか出現していた転移魔法陣に乗る。
すると俺達は転移し、地上に戻ったのだった。
「そういえば、このダンジョンはどうなるんだ?ダンジョンボスもダンジョン管理人もダンジョン創造者もいなくなるわけだが」
「どうしましょう。今はこのダンジョンの中は私が創った神もいないし。でもなんだかんだ愛着があるから壊したくないのよね」
「なら、持っていくか」
「え?持っていく?」
「そう、持っていく」
「ミコ、セーラ」
「「了解」」
二人は俺がしたいことをすぐに察してくれる。
ミコは俺にありったけのバフ魔法をかけてくれた。
セーラは俺にありったけの「強化」をかけてくれた。
そこで俺は「超強化」「魔眼」「神眼解放」「神化」を発動する。
更に自分自身にありったけのバフ魔法をかける。
そうして俺はダンジョンの壁に触れる。
ダンジョンというのは基本的に中は異空間だ。
そのため地下に広がるダンジョンの地下を掘ってもダンジョンの地下にはつながらない。
ようするにダンジョンは地上にある建物さえあればどうとでもなるのだ。
俺は壁に罅を入れて壁を掴む。
「な、なにを?」
ゲームが困惑しながら訪ねてくる。
「何、持ち運ぼうとしているだけだ」
俺は掴んだ手をそのまま上にあげる。
そして「フライ」と「サイコキネシス」を発動する。
俺はフライで空を飛び、「サイコキネシス」でダンジョンを動かす。
手と「サイコキネシス」の二つで俺はダンジョンを宙に浮かした。
まぁ俺も今浮いている状態なんだが。
「ミコ」
「了解。行くわよー。「エリアテレポート」」
その瞬間、俺達は魔王城の上空に転移した。
俺以外も即座に「フライ」を発動した。
ちなみにだがコピとゲームは神力を使って飛んでいる。
「ここが、魔王城」
「ルミネス」
「了解」
「魔王城管理権限。魔王城と神級ダンジョン「神々の遊戯」を融合。魔王様に申請」
「受諾する」
俺がそう言った瞬間、俺が持っていたダンジョンは消えた。
今ルミネスが使ったのは魔王城管理権限だ。
ルミネスの仕事は魔王城の管理だ。
だからルミネスには魔王城をある程度自由に操作することが出来る権限を与えている。
一応七魔公は全員この権限を持っているが、ルミネスの方が権限が強い。
まぁ一番権限が強いのは俺なのでルミネスは2番目になる。
ルミネスは大抵のことは出来るが、今回のような魔王城の管理に大きな影響を及ぼすようなことは俺の許可が必要となる。
「ふぅ、疲れた」
俺達は地上に降りる。
「お疲れ様」
「シン、今何をしたの?」
ゲームが俺に問うてくる。
「魔王城とダンジョンを融合した。魔王城の地下に「神々の遊戯」がある。確認してみるか?」
「勿論したいわ」
ゲームがそう言ったので俺達はミコの「エリアテレポート」で魔王城の地下の一室に転移した。
そこは元々全く使われていない部屋だった。
だがそこにはダンジョンの扉があった。
俺達はそこに入る。
すると罠こそないものの「神々の遊戯」の第一層と全く同じ景色が見えた。
「凄いわね」
「まぁ引っ越しだな。嫌なら戻すが?」
「必要ないわよ、それに私の物はもう既に全て貴方のものだから」
「そうか、ならこのままおいておく」
俺はそう笑った。
その後は攻略祝いに俺が「創造」で創った美味しいものをたくさん食べた。
にしても「創成の逸話」とは比べ物にならない難易度だった。
さすがに同級のダンジョンなのにあれだけの差は違和感があるのでまた機会があればゲームに聞いてみよう。
俺はそんなことを考えながら、ミコ、セーラと一緒に眠るのだった。
これで神級ダンジョン編は終わりです。
次に閑話を挟んで次の章に行きます。
ちなみにですが「神々の遊戯」の内容は僕の好きなアニメ、というか小説に出てきた内容に影響を受けています。
ヒントは錬成士。
分かる人そこそこいると思う。
巻き返しカウント:10話
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