第199話 偽物の世界(シン)
今回も短めです。
「蓮、蓮。朝よ。起きて」
「う、ううん」
俺は目を覚ます。
目覚めて一番最初に視界に入ったものは金髪赤目の美少女だった。
この美少女の名前は魔時苦巫女。
金髪赤目ではあるが先祖帰りらしく、地毛である。
俺の彼女だ。
「おはよう巫女。起してくれてありがとう」
最近、俺は基本的に朝はずっと巫女に起こしてもらっている。
「気にすることはないわ。私としては毎日蓮の寝顔を見ることが出来るもの」
「そうか。まぁ巫女がそれでいいならいい」
「ふふ。さて、じゃあ学校に行きましょうか。朝ごはんはもう出来てるわ」
「ありがとう。今日の朝ごはんはなんだ?」
「ふふ、今日の朝ごはんはベーコンエッグよ」
「それはうまそうだ」
俺は毎日、幸せな生活を送っている。
朝ごはんを食べた俺たちは準備をして家を出た。
「今日って何の授業があるんだっけ?」
「俺も覚えてないわ」
俺達はそんな会話をしながら登校する。
「蓮、巫女。おはよう」
すると後ろから俺達の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「世良か。おはよう」
「おはよう。世良は朝から元気ね」
「朝から二人と出会えたから」
可愛い奴だ。
こいつの名は夜野世良。
白髪紫色の目の美少女である。
巫女同様先祖返りらしく地毛である。
そうして俺達は3人で登校する。
そして授業を受けて、昼休みとなった。
「蓮君、巫女ちゃん、世良ちゃん。ちょっといいかしら」
すると学級委員長の死々是視琉が話しかけてきた。
ちなみにだが死々は黒髪紫目の美少女だ。
「どうしたんだ?死々。何かようか?」
「単刀直入に言うのだけれど、3人共生徒会に入る気はないかしら?」
「「「生徒会?」」」
突発的なものいいに俺達の頭は?マークが埋め尽くす。
「実は私って生徒会長と仲が良いのだけれど、今の生徒会って生徒会長とその妹さんの二人だけなの。今までは問題なかったのだけれど、これからは体育大会とか文化発表会とか行事ごとがあって仕事が増えるから人手不足になったそうなの。私も勿論手伝うのだけれど、それでも人手が足りないの。そこで成績上位者の蓮君達に手伝いをお願いをしようと思って。勿論、相応のお礼はするわ。お礼の内容は生徒会長直々に伝えられることになる。協力してくれるなら放課後生徒会室に来て」
死々はそれだけ言って自分の席に戻っていった。
「どうする?」
「いいんじゃないか。どうせ暇だし」
「私は蓮がやるならやる」
「私も一緒」
「それじゃあやるとするか」
そして俺達は放課後、生徒会室を訪ねていた。
コンコン
「3-1の草葉、魔時苦、夜野です」
「入っていいわよ」
そうして俺たちは生徒会室に入室した。
「よく来てくれたわね。蓮君」
「久しぶり、蓮君」
「久しぶりだな。伊誌。相変わらずのシスコンぶりだな」
「え、優亜ちゃんと優衣ちゃんって蓮君って知り合いだったの?」
「2年の頃同じクラスで結構仲良かったのよ」
「3年生になってから疎遠だったけど」
「「シン?」」
「ど、どうしたんだ?」
「私、そんなこと初めて聞いたなー」
「私もー」
ちなみにだが巫女と世良はどちらも3年生になってから転校してきた。
俺は二人ににらまれるのだった。
「まぁ、まぁ。その話は後にしましょう。単刀直入に聞くけれど、ここに来てくれたということは蓮達は生徒会を手伝ってくれると考えてよいのかしら?」
「あぁ、手伝う。助かるわ。今日の要件はそれだけよ」
「それじゃあ失礼する」
そうして俺達は生徒会室を退室した。
「それじゃあ、今日はバイトがあるから俺は行く。世良はじゃあな。巫女はまた後で」
「バイバイ」
「頑張ってきて」
「家で晩御飯を用意して待っているわ」
「あぁ、それじゃあ」
そうして俺はバイトに向かう。
俺は今、カフェでバイトをしている。
今日はバイトの日なのだ。
俺はバイト先のカフェに入る。
「雷朱、来たぞ」
「あ、蓮。ありがとう。早速だけどキッチン入って貰ってもいい?」
「了解」
こいつの名前は久井雷朱。
ここのカフェの店主の娘だ。
ちなみに店主は現在糖尿病で入院中だそうで、カフェの運営は雷朱がしている。
俺と同い年なのに立派なことだ。
そのまま俺はバイトをして、退勤時間となった。
「蓮はもうあがっていいわよ」
「サンキュ。じゃあまた」
「またね」
そうして俺はバイト先から家に帰る。
家には巫女が待っている。
今更だが今、俺と巫女は同棲している。
俺も巫女も家庭がそこそこ複雑なので同棲も問題なかった。
にしても最高な生活だな。
彼女と同棲して、良い友人と遊び、
良い環境でバイト。
本当に俺は幸せだ。
俺はこの幸せを失いたくない。
本心からそう思える。
いや、思えてしまう。
そんなことを考えているうちに家に着いた。
「ただいまー。巫女」
「おかえりー蓮。夕食出来てるわよ」
「ありがとう」
その後、俺と巫女は夕食を食べてお風呂にも入った。
そして俺達は同じベッドで一緒に寝る。
「蓮、おやすみなさい」
「はぁー」
俺はため息をつく。
そしてポケットの中に入れておいた、ある物を掴む。
「蓮、どうしたの?」
巫女が俺の顔を覗き込む。
その瞬間、俺は巫女を押し倒してポケットからナイフを取り出す。
そしてそのナイフを巫女の首に当てる。
「れ、蓮。何をするの?」
「さえずるなゴミが。偽物がまるで本物かのように接してくんなよ」
俺はを巫女に向かって殺意を放つ。
「何で、分かったの?」
巫女が俺に聞いてくる。
「ここが夢だって気づいたのか?それならば最初からだ。最初、俺が起きたときからここは夢だと気づいていた」
「ど、どうして。ここでは現実の記憶は封印されているはず」
「確かに記憶は封印されている。だが、お前を一目見た瞬間から俺は違和感を覚えた。俺の愛した女はこいつじゃないって、俺の魂が言ってんだよ」
「、、、」
俺の言葉に巫女が黙った。
「ここは夢の中。これはあくまで俺が草葉蓮が異世界に転生せずミコ達と出会ったという夢だな」
「、、、正解。記憶が封印されているのに、すごいのね」
「ただの勘だよ。さてと、この夢はどうやったら覚めるんだ?」
俺は巫女に問う。
「ねぇ、シン。なんで夢から覚める必要があるの?この世界はシンを否定する人はいない。実際にシンは幸せを感じていたじゃない。なら、この世界から覚める必要なんていないはず。ねぇ一緒に幸せになりましょう。一緒に学校生活を楽しんで、一緒に働いて、幸せな生活をしましょう。それでいいじゃない。私はミコ・マジクロードの記憶と容姿を完全に引き継いでいるわ。魔力とかはないけれど、間違いなく私はミコよ」
巫女は、いやミコはそう叫ぶ。
魂の叫びと言った様子だ。
「それでも、俺は帰る。確かにこの世界で俺は幸せを感じた。だが、俺は更なる幸せを望む。俺はな強欲なんだ。なにせ、魔王だからな」
「そう、なら無理やりここにいてもらうわ。私がこの夢から覚める方法を教えなければ貴方はこの夢から起きれない」
「そうか。ならしょうがない」
俺はミコにナイフを当てるのを辞めて、自分の首にナイフを当てる。
「な、なにを」
「わざわざ聞いたがな、正直俺は既にこの夢からでる方法に検討がついている。その検討というのがこれだ」
俺はナイフで首の皮膚を斬る。
俺の首から血が出る。
「夢というのは大抵死んだら起きる。ならやるまでだ」
「それじゃあ永遠に夢から覚めることが出来ないわ」
ミコはそう言う。
だが、俺には分かる。
「嘘だな」
「嘘じゃないわ」
「いいや、嘘だ。ミコ、お前は嘘をつく時にわかりやすい癖がある。ミコの記憶や容姿を完璧にコピーしたお前もそれに例外はないようだ」
「なっ」
ミコは目を見開く。
「それじゃあ、さようなら。なんだかんだ、幸せだった」
そうして俺は己の首をナイフで斬った。
そこで俺は意識を失ったのだった。
最近疲れがとれない。
ずっと眠い。
精神的にキツイ。
体調が悪い。
作者のコンディションは最悪。
書くものにもそれが影響してる。
自分で書いててよくわからない。
追記:体調を崩しました。
もしかしたら近々休むかもしれません。
巻き返しカウント:10話
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