第194話 解析、再現、複製の神VS魔神
今日も短めです。
ちょっとぐだりました。
今、俺達は神級ダンジョン「神々の遊戯」の第二層ボス解析、再現、複製の神コピと戦っている。
といっても本当に戦っているのはルミネスだが。
「死んで「フォーエバーブリザード」」
「無駄「絶対切断」」
コピが「フォーエバーブリザード」を放つがルミネスが「絶対切断」で斬る。
さすがは解析、再現、複製の神。
ミコの神話級魔法を再現するとは。
だがルミネスは「スキル模倣」で俺の「絶対切断」を模倣して迎え撃った。
「フォーエバーブリザード」はかなり強力な魔法だが、ミコの固有属性の魔法だ。
コピも再現は出来ているが威力はかなり低い。
そのため8割の「絶対切断」でも問題なく対処できたようだ。
「「解析」、「再現」合わせる「複製」これで、同じ」
すると突然、コピの手にルミネスと全く同じ大剣が出現した。
更に、ルミネスとコピがまったく同じ動きをするようになった。
「セーラ、今のコピが何をしているか分かるか?」
「発言的にルミネスの動きを「解析」してルミネスの動きを「再現」してる。ただ、大剣がないと完璧に再現出来ないからルミネスの大剣も「解析」して「複製」したって感じかしら?」
「正解だ。コピとかいう神、番神にしてはかなり強い。というか強すぎるな」
「そうね。同感よ」
「確かにルミネスが完全に翻弄されているものね」
「ルミネスとコピの性質は似ているからな」
どんな神であっても何かしらの性質が最低でも1つはある。
何かその神が得意にしていることが。
ルミネスの場合、それは無限成長だ。
ルミネスは一度見た行動を8割で模倣することが出来る。
コピは敵の行動を解析して、再現することが出来る。
こう見ると性質がかなり似ている。
だがこう考えるとやはり違和感がある。
神というのは基本的に性質が1つある。
そう、どの神も最初は性質が1つはあるのだ。
では何故先ほど最低1つと言ったか。
それには理由がある。
神というのは他の神を殺すことでその力を簒奪することが出来る。
だから最低1つなのだ。
やろうと思えばいくらでも性質を得ることが出来る。
そしてコピはこういった。
解析、再現、複製の神だと。
つまりコピは2人神を殺している。
それこそが俺の違和感だった。
神を殺すことで得られる力というのは殺した神の性質だけではない。
その神の神力を得ることもできる。
神力というのは人類でいうところの魔力のようなものだ。
この神力が強ければ強いほど高位の神となる。
つまり、神をたくさん殺せば高位の神となることが出来るのだ。
例え現人神であろうとも2人も殺しているのであれば番神というのは位階が低い。
低級神以上となれば神を現人神や番神を1人殺したところで位階が上がることはない。
逆に言えば現人神や番神ならばたとえ現人神であっても位階が上がる。
つまり2神も殺しているのならば最低でも低級神のはずなのだ。
だがコピは番神。
これは可笑しい。
一応そういう状態になれないわけでもない。
神の位階というのは神力の量で決まる。
つまり、一度低級神となり何等かの形で神力を奪われるなり封じられればコピのような状態となる。
それならば一応納得が出来ないわけじゃない。
だが、俺はどうしてもそうとは考えられなかった。
俺がそんなことを考えている間も、ルミネスとコピは激戦を繰り広げていた。
まるで鏡写しのように全く同じ動きで戦っていた。
「ルミネス。もういい」
「承知」
「何のこと?」
その瞬間、ルミネスは大剣を手放した。
「なっ」
コピはルミネスの全く予想外の行動にワンテンポ行動が遅れる。
その瞬間、ルミネスはコピの胸を素手で貫いた。
更にコピの魂を手でつかみ、引き抜く。
「終わり」
ルミネスはそう言いながら魂を破壊した。
「ガハッ」
普通ならここで消滅している。
だがコピは消滅していなかった。
神は魂を破壊しても滅びないからだ。
これが神を殺すには準備がいる理由だ。
神を殺すためには魂を破壊し、更にその神の神力をなくさなければならない。
だが、俺はもう既にその準備は出来ている。
「ルミネス」
「いただきます」
そう言ってルミネスは口を開けて、何かを咀嚼する。
「死ぬ」
するとコピは消滅していった。
神力をなくす方法として分かりやすいのは別の神にその神力を食べてもらうことだ。
今回、ルミネスは解析、再現、複製の性質を手に入れた。
「美味しかったか?」
「別に美味しくもまずくもない、でも魔王様。私、頑張ったから後でご褒美欲しい」
「分かった。また神が出るかもだから攻略、付き合ってくれるか」
「魔王様の御心のままに」
そうして俺達は神級ダンジョン「神々の遊戯」の第二層ボスを撃破したのだった。
「宝箱、誰開ける?」
「やっぱり「魔神」でしょ」
「異議なし」
「じゃあ、ルミネス宝箱開けてもらってもいいか?」
「いいの?」
「あぁ。「ハイパーラック」」
俺はルミネスを幸運にする。
そしてルミネスは宝箱を開ける。
中には球体が3つ入っていた。
「この球体は?」
「神力を感じるな」
「「超鑑定」してみましょ」
そう言って俺達は球体をに「超鑑定」を発動した。
結果はどれも同じでこうだった。
名前:神力球
神力が封じ込められた球。
神がこの球を割ることで神力を得ることが出来る。
「神力球。ルミネスが使うべきものだな」
「いいの?」
「あぁ」
「それじゃあ遠慮なく」
そう言ってルミネスは神力球を手に取って割っていく。
すると神力球から神力が出てきてルミネスに吸収されていく。
そしてルミネスは3つの神力球の神力を吸収した。
「ん、神を創れる」
「ルミネスは元々神を創れただろ」
ルミネスは実は上級神だ。
ただ、普段はわけあって力を封印している。
神を創ることは容易だった。
ただ、神を創って暴れられたら困るので創らないでもらっていたが。
「確かに以前も神を創ることは出来た。ただこれからは私の命令に従順に従う神を創れる」
「なるほど。まぁ神を創ることは勝手にしろ」
「私もシンがいいなら気にしないわ。ただ、もし魔王様に害をなすと判断したら処分させてもらう」
「同感」
ミコとセーラはルミネスに殺気を向ける。
「勿論、どれだけ優秀であっても魔王様に害をなすならば私が責任をもって滅ぼす」
ルミネスはそう言った。
「早速創る」
ルミネスはそう言うと自分の魂の一部を切り離して体外に放出した。
その魂に神力を与えていく。
すると魂が変化し、少女の姿になった。
「「「え?」」」
だが俺達にはその少女に既視感がものすごくあった。
「私の名は解析、再現、複製の神コピ。我が創造主である「魔神」ルミネス様とその主である魔王様に従う」
なぜならその少女はついさっき倒したばかりのコピだったのだから。
「ルミナス、どういうことだ?」
「コピはただ創造主の神に従っていただけ。でもそれは本位ではなかった。これは権能を使っていなかったことからも分かる。だから、私と魔王様の命令には必ず従うことを条件に復活させた」
どうやらルミネスとコピの間で何等かの契約があったようだ。
「まぁ、安全ならいい。お前、コピと言ったな。お前の創造主について教えろ」
「承知した。我が元創造主は遊戯の神ゲム。ゲムは自分の遊びのためにこのダンジョンを創った。このダンジョンのダンジョンボスはゲム。第五層にいる。このダンジョンの第一層以外のボスは全部神。第三層と第四層はゲムに忠実な神。私は創造主だから嫌々してたけど他は楽しそうにこの階層ボスをしてる」
「なるほど、ではコピ。お前が俺とルミネスへの絶対服従をしてまでしたいことはなんだ?生きたい、ではないのだろう」
「それもないわけじゃない。でも一番は」
そこで初めてコピは不敵に笑った。
「ゲムを殺したい」
コピは楽しそうに笑った。
「なるほど、下剋上か。ならいい、俺達と共に来い。俺達の目的はこのダンジョンの攻略だ。目的が同じなのだから協力しよう。まぁもっともお前は既に俺とルミネスに逆らえないが」
「問題ない。下剋上さえできるなら後のことは貴方と創造主に従おう」
そうして俺達はダンジョンで神を一人仲間にしたのだった。
巻き返しカウント:10話
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