第178話 本物の勇者VS災禍の魔女1
昨日投稿できなくてすみません。
今日からまた毎日投稿できると思います。
これからもお願いします。
セーラが放った「ファイヤ」をミコは「レジスト」で無効化した。
「これもこれでかなりの威力ですね」
「昔よりも強くなっている」
「私達も負けていられないわね」
レイメス、ルミネス、ミーゼはそんな感想を言っていた。
「「ファイヤ」の威力もだいたい把握することが出来たわ。ミコに「レジスト」されちゃったのは悔しいけどね」
「あら、魔法で私に勝てるわけがないじゃない。だってシンですら魔法だけの勝負じゃあ私には勝てないんだから」
それは事実だ。
魔王としての力を取り戻した今でもなお、稀にミコと摸擬戦はする。
その時に魔法のみの縛りなどで戦ったりもするが、魔法のみの縛りで俺はミコに勝ったことはない。
「まぁ、最早魔法以外だとシンに勝てる要素なんて一ミリもないんだけどね」
ミコが自虐のようにそう言った。
「そんなことないと思うが」
俺は否定するが、ミコは何か考え事をしているようだ。
「とりあえず、大体のスキルと魔法の威力の把握は出来たわね。でももう少し色々と試したいわ」
「そうか。なら摸擬戦でもするか。俺と、ミコともした方がいいだろう」
俺の戦闘スタイルは基本的には剣士だ。
それに対してミコの戦闘スタイルは基本的に魔法使い。
なので、俺とミコの戦闘スタイルは割と対局だったりする。
だからこそ俺とミコの二人と摸擬戦することに意味がある。
「確かにいいわね」
すると考え事が終わったらしく、ミコが賛同してきた。
「二人がいいならお言葉に甘えさせてもらうわ」
セーラも乗り気のようだ。
「魔王様、神界をもう少し頑丈にしてください。多分お三方が暴れるとなればこの神界、壊れますよ」
すると、レイメスにそう指摘された。
確かに先ほどの攻撃で壊れそうだったもんな。
「そうだな。ありがとう」
俺はすぐさま神界に魔力を流す。
これである程度頑丈になっただろう。
「さてと、それじゃあミコからやってもらってもいいか?神界の補強で少し魔力を使ったから回復したい」
「了解」
俺は先ほどセーラの魔力を回復させたのと、つい先ほどの神界の補強で魔力がかなり減ってしまった。
この状態でセーラとの戦闘をするのは不可能ではないが、少しばかりキツイ。
だから先にセーラとミコで戦ってもらう。
俺はその間に魔力を回復する。
俺の回復速度ならよほど早く終わらない限り、魔力は全回復するだろう。
「俺が審判をやる。今回は分かりやすくルールを決めよう。「偽魂創造」で一つだけ魂を創り出してそれを破壊されたら負け。それ以外は基本的に何でもあり。勝者には俺が望むものをあげる」
「「了解」」
二人は俺の言葉に元気よく返事をする。
そして同時に「偽魂創造」を発動する。
「それじゃあ、さっさと始めよう。よーい、はじめ」
そして「勇者」と「災禍」の戦いが始まった。
ミコ視点
私はセーラと摸擬戦を行うことになった。
最初はセーラの新たな力をしっかり見ようと思っていたのだけれど、勝てばシンからのご褒美が貰えるとなればそんなことをしている余裕はない。
何をしてでも勝たなければ。
「とりあえず、ご挨拶よ「インフェルノ」」
私はとりあえず「インフェルノ」を発動する。
「ではこちらもお返しするわ」
「流星神即死刃雨」
私に向かって大量の殺魔がものすごい勢いで大量に飛んでくる。
こういう数の多い攻撃には「絶対防御結界」は弱い。
「ブラックホール」
私は「ブラックホール」で殺魔を呑み込む。
だが、完全には呑み込めずまだまだ殺魔が私に飛んできた。
「フォーエバーブリザード」
私はしょうがなく「フォーエバーブリザード」を発動する。
殺魔は凍り付き、消滅した。
その瞬間、私はすぐに「テレポート」を発動して10メートルほど前方に転移する。
そして私は後ろを向く。
そこにはつい先ほど私がいた場所に剣を振るうセーラの姿があった。
「危ないじゃない「ブラッドコントロール」」
私は血を操ってセーラにむかって大量の血を放つ。
今更だけれど、「ブラッドコントロール」には私の血を使う。
普通「ブラッドコントロール」と言う魔法は血を操るというだけの魔法だ。
だけれど私が使えば話は別だ。
私は吸血姫。
吸血鬼の最上位の存在だ。
そんな私の血は私の意思である程度性質を変えることが出来る。
だが私が何も意識していない場合は私の血には私とシン以外が触れるとかなり大変なことになる。
具体的に言うと私とシン以外が私の血に触れた場合は触れた場所が腐敗する。
ただシンとは様々な契約を行っているため腐敗は起こらないが。
ちなみにだが、シンの血にも似た特性があったりする。
確かシンの血に触れた存在がシンに対する殺意を持っていた場合、その対象をを崩壊させるというものだった気がする。
まぁ私はシンに殺意を持つことなんてないし、そもそも血の特性ならば血の専門家ともいえる私ならば効かない。
それと魔法によって干渉されたり、した場合はその特性は失われてしまう。
具体的に言うと「ブラッドランス」等に形を変えてしまうと腐敗効果は失われる。
ただ、「ブラッドコントロール」だけは例外だ。
あれはあくまで血を操作しているだけで血の形や特性を変えているわけじゃないから。
さてと、話がそれたがこういった理由から私の血の特性をしっているものは私の血からは逃げる。
そして私の血の特性については七魔公ならば全員知っている。
当然、七魔公の一員であるセイも知っている。
まぁセーラには元々伝えていたのだけれど。
私がそんなことを考えていると、突然血が吹き飛ばされた。
どうやら魔力で無理やり吹き飛ばしたようだ。
私は「ストレージ」から吸魔を取り出す。
私は地面を蹴ってセーラに接近する。
そして吸魔を突く。
「聖剣召喚:エンハルト」
セーラは私の接近を察知したと同時に聖剣エンハルトを召喚した。
恐らく私の突きを殺魔では対処できないと判断したのだろう。
別に殺魔よりも吸魔の方が武器として強いというわけではない。
これは相性の問題だ。
剣もナイフも接近戦で使う物だが、さすがにリーチが違う。
しかも私の吸魔を使った戦闘スタイルは神速での突きだ。
さすがにナイフで捌くのは厳しいだろう。
まぁシンならば出来るだろうが。
私はそんなことを考えながらセーラと切り結ぶ。
正直剣の腕ではセーラの方が上だろう。
私はあくまで魔法のついでで剣をやっているようなものだ。
勿論、シンに教えてもらったおかげでかなり出来るようになったが普段剣と魔法を等しく使っているセーラに勝つほどの腕ではない。
セーラも最近は殺魔ばかり使っていた影響でまだ少し剣を扱えきれていないようだがそれもすぐに修正されていく。
現状では切り結べているが、押し切られそうだ。
私は自身に大量のバフ魔法をかけ、セーラに大量のデバフ魔法をかけた。
元々、レベルで言えば私の方がセーラよりも上であるため素の身体能力に関していえば私の方がセーラよりも高い。
それに更にバフ魔法とデバフ魔法を使うことで技術の差を圧倒的な身体能力で対処しているのだ。
正直自分でも脳筋なやり方だと思うが結局これが一番手っ取り早く、分かりやすく、強いのだ。
王道というのはそれが強いからこそ成り立つのだ。
するとセーラが魔力を動かす。
恐らくスキルを使うのだろう。
この状況で使うスキル等すぐに分かる。
ならこちらも使わせてもらおう。
「「超強化」」
「「神眼解放」」
私とセーラは同時に「超強化」と「神眼解放」を発動した。
セーラはこの二つのスキルで私の身体能力に対応しようと思ったのだろう。
だが、それは私にだって出来ることだ。
結局差は変わらない。
そう、思っていたのだが。
「ガハッ」
私はお腹にセーラの拳をくらってしまった。
かなり痛い。
幸い再生能力のおかげでダメージはすぐに回復した。
私は忘れていた。
セーラも転生している。
セーラは前世の力も使えるようになる。
セーラが新しく使えるようになった力。
それは勇者としてのものだけではなかった。
セーラは前世の加護も使うことが出来るのだ。
セーラの前世の加護。
それは今世の加護である殺戮神とはまた違うものだ。
セーラの前世の加護は強化神の加護。
文字通り何かを強化することに特化した加護だ。
恐らく今のセーラは強化系のスキルやバフ魔法によって強化される倍率が増えているのだろう。
それもかなり。
これは想定外だ。
だけど、問題ない。
「きめる。「アンチマジックエリア」「聖剣召喚:エクスカリバー」」
セーラは聖剣エクスカリバーを召喚した。
「ワンハンドレットスラッシュ」
セーラから100斬撃が私に向かって飛んでくる。
さて、どうしようかしら?
勇者覚醒編あと2、3話続くことになりそうです。
巻き返しカウント:12話
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