第174話 灯台下暗し
最近毎日書いていますが、近々投稿を休むかもしれません。
今日は少し短めです。
追記、投稿開始して半年となりました。
作者がここまで頑張ることが出来たのは皆さまのおかげです。
これからも投稿頑張っていきたいと思いますのでどうかよろしくお願いいたします。
といいながらしばらくはギリギリで休むかも何ですけど。
勇者城に行った翌日、私は魔王城内を歩いていた。
といっても別に大した理由もない。
なんとなく城の中を歩く。
散歩のようなものだ。
そうしてあるいていると一つの部屋が目に入った。
「そういえばここって「勇者」の部屋だったわね」
私が目に入ったのは4000年前に「勇者」の部屋だった部屋だ。
「せっかくだから入ってみましょうか」
あまりよくないことだとは分かっているけど、城にだって入っているのだから今更だ。
私は扉を開いて部屋の中に入る。
そこには、他の部屋とあまり変わらない内装があった。
私はベッドに腰を下ろす。
そして手を広げると少し硬い感覚を覚えた。
不思議に思った私は布団をめくりあげる。
するとそこには、一つの剣があった。
「嘘でしょ」
その剣は私達がここ数日、探しているものだった。
シン視点
俺達はミコに会議室に呼び出されていた。
呼び出されたメンバーは俺と七魔公。
つまり勇者城に行ったメンバーだ。
「ミコ、何か用か?」
全員が揃ったので俺はミコになんの用で呼び出したのかを聞く。
「私ね、魔王城の中を散歩していたの。そしたらね偶然、4000年前に「勇者」が使っていた部屋を見つけたの。それで興味本位にはいってみたらね、こんなものがったの」
そうするとミコは「ストレージ」を発動し、剣を取り出した。
「マジか」
「これは」
「間違いない」
「盲点でした」
俺たちはそう口々に言う。
何故ならミコが取り出した剣は俺達が探し求めていた聖剣エクスカリバーだったからだ、
「灯台下暗しってやつか」
俺は思わずそうつぶやいてしまった。
何がともあれ、これで全ての聖剣が揃った。
これでやっとアレが出来る。
早くしたいところではあるが、せっかくだから色々と準備をしておきたい。
その後、俺と七魔公で相談してアレは明日行うことにした。
明日は休日だから色々とちょうどいいだろう。
セーラ視点
最近の私は可笑しい。
まず、あの夢が酷くなってきている。
夢には必ず普段と服装の違うシンとミコが出てくる。
夢の中でもシンとミコを見ることが出来るのは普通に嬉しいのだが、夢のせいで最近寝ているという実感がない。
スキルの影響で私に睡眠は不要だ。
ここ最近の私は夜になると眠くなってしまう。
多分スキルはあくまで睡眠が不要になるだけで睡眠欲を完全に消すことは出来ないのかもしれない。
でも元々私は普通に徹夜とかも得意なタイプだった。
夜に眠くなってきたのはここ最近だ。
だからやっぱり夢にその理由がある気がする。
そして勇者が持っていた聖剣を見るとどこか懐かしく感じてしまう。
そういえば魔王城や魔王や災禍の魔女としての力を取り戻したときのシンとミコを見たときもにたようにどこか懐かしい感じがした。
シンとミコが私に教えないと判断したということは何か理由があるはずだ。
シンもミコも無意味なことはしない。
それにシンもミコも私がいうのもなんだけれど私に激アマだ。
余程の理由がない限り私が知りたがっていることを隠すなんてことしないだろう。
まぁ私が気にすることではない。
なにせシンとミコは正しいのだ。
例え世界の全てが間違っていると言ってもシンとミコが正しいと言えば正しいのだ。
この世界はそういうものなのだ。
「気分転換に魔物でも狩るとしよ」
私は魔物を狩るために魔境まで「テレポート」で転移した。
私が転移した先にはちょうど近くに蛇型の魔物がいた。
私は「無限収納」から殺魔を取り出、、せなかった。
「嘘、殺魔がない?」
私が動揺している間に蛇型の魔物が私に襲い掛かってきた。
「ブラックホール」
私は咄嗟に「ブラックホール」を発動した。
蛇型の魔物は無事に消滅した。
それに加えて周り一帯にクレーターが出来てしまった。
私の「ブラックホール」ってここまで威力高くなかったと思うのだが?
まぁ気のせいだろう。
今はそれよりも殺魔だ。
「殺魔、どこに行ったのかしら?まぁ召喚すればいいか「神器召喚:聖邪剣殺魔」」
すると無事に殺魔が私の手元に召喚された。
「よかったー。でもどこにあったのかしら?」
どこかに出しっぱなしで「無限収納」にしまうのを忘れていたのかしら?
「まっいいか。あったんだし」
私がそんなことを考えているとまた魔物が出てきた。
今度は牛型の魔物だ。
私はすぐに指輪に魔力をこめてナイフを召喚する。
そしてそれを流れるように投擲する。
ズドンッ
私が投擲したナイフは牛型の魔物の眉間を貫き後ろにあった木を5本ほど倒した。
おかしい、明らかに強くなっている。
今までの私の投擲は精々が牛型の魔物を貫くので限界だった。
「超強化」やバフ魔法等の強化やスキルやアーツなどを使用した場合はこのくらい余裕だったし何ならもっと強く出来る。
だが今までの私では素の身体能力だけでここまでのことは出来なかった。
何かがおかしい。
私は自分を対象に「超鑑定」を発動する。
だがおかしなことはない。
レベルも上がってないし、魔力量も変わっていない。
新しい称号やスキルを得たりもしていない。
原因不明だ。
「一度シンとミコに見てもらった方がいいかも」
私はすぐに「テレポート」で魔王城のシンの部屋の前に転移した。
コンコン
「シン、いるかしら?」
「入っていいぞー」
シンから入室の許可が出たので私は扉を開けてシンの部屋に入る。
シンはベッドに寝ころんでいてその横には当然のようにミコが添い寝している。
羨ましい、私もしたい。
っと、今はそれよりも大事なことがあるんだった。
添い寝はあとだ。
添い寝すること自体は決定事項だが。
「ミコもいるのね。ちょうどよかった。実は二人に少し私を見てほしいのよ」
「見てほしい?」
「どういううことだ?」
シンとミコが揃って首を傾げた。
そこで私はさっきまで魔境で魔物を狩っていたこと。
明らかに私が使った魔法の威力と素の身体能力が上昇していることを話した。
「あぁー。なるほど」
「それは、、、、予想外ではあったけど当然と言えば当然よね」
シンとミコは納得したようにうなずいた。
「どういうこと?」
「俺たちは理由があってあまり詳しいことは言えないが、セーラが見ているっていってた夢と関係があるぞ。それとその状態と夢の正体については明日分かる」
「明日?」
「そう、明日」
「じゃあ明日絶対に教えて頂戴。私自分のことだし結構気になっているから」
「ふふ、待たせてすまんな。あとセーラ、すまないがレイルさんとミリーさんを明日この城に呼んでくれないか?迎えには行くから」
「いいけど、何で?」
「夢とかその状態のことについての説明、レイルさん達が一緒にいた方が色々と都合がいいんだ」
「シンがそういうなら否やはないわ。お父様とお母さまを呼んでおくわ。あの二人もシンから呼ばれたんならどんな予定よりも優先するでしょう」
「あぁ、ありがとう」
「それと迎えは不要よ。私が直接迎えに行くわ。最近あまり話してないしね」
「そうか、じゃあよろしく頼む」
ようやく夢について聞けるのか。
私はそんなことを考えながらシンのベッドに寝転がる。
「シン、ベッド失礼するわよ」
「あら、いらっしゃーい」
「好きにしろ」
シンはそう言って目を瞑った。
今日のご機嫌は斜めらしい。
中等部の頃のシンはかなり女慣れしていなかったけれど、この数年でかなり慣れてきた。
だけど私達がからかうとシンは冷たくなる。
これは私たちのからかいにうんざりしているのではなく、恥ずかしいのを隠しているのだ。
以前一度疲れているシンに「マインドリーディング」を使ってわかったことだから間違いない。
シンって普段はカッコいいけどこういう時はとっても可愛い。
私とミコはシンの顔を見ながら眠るのだった。
次回、ついに初期から決めていた設定が明かされます。
お楽しみに!!
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