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第169話 偽物の勇者は蛮勇者

今回も少し短めです。

作者が数えたところ通常の投稿以外に6話ほど出さなければならないようです。

番外編も別作品もあるのにー。

かなりまずい。

頑張ります。

「う、うう」


僕は目を覚ました。


「ここは、どこだ?」


僕は周りを見渡す。

どうやらここは牢屋のようだ。


スタスタ


すると牢屋の外から足音が聞こえた。

僕はすぐにその足音が聞こえた方に目を向ける。

そして僕は安堵する。

何故ならそこに見えたのは僕が心から信用して、好意を寄せている人であるミゼだったからだ。


「ミゼちゃん、助けに来てくれたんだね」


「助ける?何の事かしら?」


ミゼちゃんはそう言って笑った。


「冗談はよしてよ。僕をこの牢屋から逃がしてくれるんでしょ」


「貴方、覚えてないの?」


「覚えてない?」


僕は何か忘すれているだろうか。


「はぁ、本当に忘れているようね。貴方、ここに閉じ込められる前は何をしていたの?」


「ここに閉じ込められる前?確か学園に行って、シン君と決闘して。そうだ、僕は負けたんだ。そして、、、、そうだ。ミゼちゃん、何であんなひどいことを言ったの?それに、何で力を隠していたの?」


ミゼちゃんがあんなことを言うわけがない。

何か深刻な理由があるのだろう。


「ふふ、気になるの?なら教えてあげる」


ミゼちゃんがそう言うと、ミゼちゃんの服装が変わる。

普段の白い服からドレスのような黒い服に変わった。

普段とはかなり印象が変わる。

それと同時にミゼちゃんから魔力圧が放たれる。

それは訓練場の時よりも強力だ。


「私の本当の名前はミーゼ・セイント・ライトダーク。貴方には裏切り聖女と言えばわかりやすいかしら?」


「なっ、そんな馬鹿な」


裏切り聖女、教会で教えてもらった。

確か文字通り魔王がいた時代に教会を裏切った聖女のことだ。


「嘘だ。裏切り聖女は4000年前に生きた人間。生きているわけがない」


人間というのは長命な生物ではない。

どれだけの強者でも寿命には逆らえないはずだ。

第一、正教会から裏切り聖女は魔王がいなくなった頃と同時期に消息を絶っている。

死んだはずなのだ。


「ふふ、別に人間の体でも4000年間を生きることは出来るわよ。まぁ、私は実際に死んだんだけど」


「なら、どうして?」


「転生したのよ」


「て、転生?」


確かにそれならば納得できる。

現代ではそう言ったものはないが、魔王が生きていた時代ならそういった魔法やスキルがあった可能性は十二分にある。


「な、なら。ほ、本当にミゼちゃんが裏切り聖女」


僕はその事実に動揺してしまう。


「そういうこと。さてと、貴方はここがどこだか分かったかしら?」


「牢屋、だろう」


「そうね。でも私が言いたいことはそうじゃないの。ここはどこの牢屋?」


「どこの?そんなの分かるわけないよ。僕は起きたらここだったんだから」


「ふふ、そう。じゃあいいわ。特別に教えてあげる。ここは魔王城の牢屋よ」


「魔王城、だって」


僕はそう知って絶望する。

魔王城から帰ることが出来た人間の兵士はごく少数。

しかもそれも英雄と呼ばれた実力者だけと言われている。

きっと僕がミゼちゃんを倒しても魔王城から出ることは叶わないだろう。


「あはは、たまんないわね。人の絶望した顔っていうのは」


ミゼちゃんは今まで見たことないほど楽しそうに笑っていた。


「それじゃあ、さよなら。冥土の土産に教えてあげる。貴方は勇者じゃないわよ」


「どういう、こと?」


「勇者っていうのは魔王の対となる存在。つまり「勇者」っていう称号があるの。そして「勇者」の称号はユニーク。つまり一度その称号を得ればその人以外がその称号を得ることはないの。そしてその称号を持っているのは初代勇者だけ。つまり本当の勇者っていうのは初代勇者だけなの」


「そん、な」


「ちなみにだけど、二代目以降の勇者は貴方と同じ「勇気ある者」の称号を持っている人ね。当時の正教会の教皇がきっとこの称号を持っているものが勇者に違いない。っていったのが始まりよ。あと、勇者もだけど、魔王と聖女もユニーク称号よ。実はユニーク称号って以外と現在記録があるものだけでも結構あるのよね。代表的なのは「魔王」「勇者」「聖女」だけどね。それと、貴方にはもう「勇気ある者」の称号もないわよ」


「何を言って」


「なら自分を「鑑定」してみなさい」


僕は自分に「鑑定」を発動する。

すると僕の称号の欄には「勇気ある者」の称号はなく、代わりに「蛮勇者」という称号になっていた。


「貴方はシンに挑むっていう愚行をしたわ。勇気と蛮勇は違うの。貴方は確かに以前は勇気をもって行動したかもしれない。だけど、シンを敵にまわすようなことをするような人は蛮勇の方で間違いないわね」


ミゼちゃんはそう言って笑った。


「さてと、それじゃあさようならの時間よ」


そう言いながらミゼちゃんの手元には急に聖剣エンハルトと聖剣プロフトが現れた。


「自分の武器だと思っていた武器で愚かに死になさい」


ミゼちゃんのその言葉が僕が最後に聞いた言葉だった。

ミゼはエンハルトを勇者の脳に、プロフトを心臓に、同時に突き刺したのだった。

そして最後に、ミーゼの愛用武器である十字架で魂を破壊したのだった。





ミーゼ視点


勇者の処理が終わった私は魔王様の元に向かっていた。


コンコン


私は魔王様の部屋の扉をノックした。


「入っていいぞ」


「失礼します」


入室の許可を頂いたので私は魔王様の寝室の扉を開く。

そして私が見たのはベッドに寝ころんでいる魔王様とその横に魔王様に抱き着生きながら寝ころんでいる「災禍」だった。

魔王様は今日もお美しい。


「「災禍」羨ましすぎるわ。そこ変わって」


「変わるのは嫌だけど、羨ましいなら一緒にシンと添い寝しましょ。幸い、このベッドは大きいから3人なら余裕よ」


「なら遠慮なく」


「いやいや、待て。せめて先に報告をしてくれ」


「失礼しました」


そうだ、忘れていた。

私が魔王様に会いに来た目的は魔王様にモノルワ・リーヒットの行く末を報告するためだった。


「モノルワ・リーヒットは、この手で始末しました。詳しい手段としましては、教会内の勇者の寝室から「エリアテレポート」で魔王城の牢屋に転移させました。心臓と脳を貫いたのち、魂も破壊しました。これによって私が正教会を抜けることは正教会内告げると同時に面倒だったモノルワの殺害も完了しました」


「ご苦労。よくやった。添い寝はまぁ、好きにしてくれ。これからもな」


私は魔王様の言葉に目を見開いてしまう。

これはつまり、私はいつでも魔王様と添い寝していい権利を得たということだ。

私は嬉しすぎて口角が上がってしまう。

おっと、そういえば忘れていた。


「魔王様。お借りしていた聖剣エンハルトと聖剣プロフトをお返しします」


私は「ストレージ」から魔王様から借りていた聖剣エンハルトと聖剣プロフトを取り出し、魔王様に渡す。


「おう、確かに受け取った」


魔王様はそれを受け取って「無限収納」にしまわれた。

そして私は恐れ多くも魔王様のベッドに寝転がる。

私は今、魔王様と添い寝している。

あぁ、幸せだ。

幸せすぎる。

これだけで魔王様に会いに行くのを我慢してつまらない(モノルワ)の相手をしたかいがあった。

そう思えてしまう。

それと同時に嫉妬してしまう。

私よりも魔王様に愛されている「災禍」いやミコに。

魔王様は光栄なことに私たち七魔公のことを愛してくれている。

だが、これは家族愛のようなものだ。

それに対してミコは違う。

ミコは魔王様に恋愛感情を向けられている。

それが羨ましくてたまらない。

昔はこんなことを感がなかった。

魔王様と一緒にいられるだけで幸せだった。

だから魔王様が死んでしまったときは、この世界の全てがどうでもよくなった。

私は死ぬことにした。

勿論ただでは死なない。

私の死を代償に、魔王様が再びこの世界に現れる時代に転生するという魔法だ。

私ひとりじゃそんなことは出来なかった。

恐らく出来るのは魔王様と「災禍」くらいだろう。

だから私は「死生」の力を頼った。

そして彼女に力を借りて私は転生を果たしたのだ。

「死生」もどうやら転生できたようでなによりだ。

早く会ってお礼を言いたいと思う。

この世界に転生し、魔王様との再会を果たした私は私自身ですら気づかぬうちに魔王様に対し、分不相応にも恋愛感情を抱いてしまった。

昔の私は魔王様に依存していた。

それは信仰心や忠誠心によるものだった。

だが今は違う。

魔王様に依存していることには変わりない。

だけど今は恋愛感情によるものが大きい。

勿論、魔王様への信仰心や忠誠心が衰えたわけではないけれど。

私は誓う。

今世では魔王様を堕とす。

どうやらライバルはかなり多そうだ。

だけど私が望むのは一番じゃない。

勿論一番になりたくないわけではない。

だけど、私は魔王様からの寵愛を受けられるのならそれでいい。

そのためならばなんだってしよう。

だって私は魔王軍最高幹部七魔公第三席「聖女」ミーゼ・セイント・ライトダークなのだから。

そろそろいいかなと思ったのでモノルワ(現代の勇者)には死んでもらいました。

どちらにしろシン達に刃を向けたので破滅してもらうのは決定したいたのですが。

殺すか生かして酷い生活をさせるかは地味に迷いました。

そして予定にはなかったけれど、思っていたよりもミーゼちゃんが可愛くなってしまったのでヒロインに昇格させることにしました。

まずい、このままではレイメス以外の七魔公も可愛くなってヒロインに入れちゃう奴だ。

作者はあまりヒロインが多すぎるの好きじゃないんですが、まさか自分の小説がそうなるとは。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

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異常者の恋愛は異常です

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