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第167話 勇者との決闘2

今日もちょっと短めです。

俺は今、勇者と決闘している。


「喰らえ「サンダーランスレイン」」


ここで初めて勇者が魔法を使ってきた。

勇者は雷の槍を降らせる。


「せっかくだ、一応消しとくか「レジスト」」


その瞬間、雷の槍は消滅した。


「はぁぁぁぁ」


だが、その瞬間。

勇者は俺に斬りかかってきた。


「はぁぁぁぁぁ」


そして聖剣プロフトが俺の右腕を斬り落とした。

俺はすぐさまミコの方を睨む。

本来、勇者では聖剣プロフトを使おうとも俺の右腕を斬り落とすなんてことは出来ない。

それは誰かが介入したということだ。

そして勇者が俺の右腕を斬り落とすことが出来るようにすることが出来るレベルのバフ魔法をかけれるのはミコくらいだ。

ミコは俺を見て笑った。

はぁ、飽きたということか。

恐らく俺がゆっくり勇者の攻撃を見ているのを見て飽きたから勇者にバフ魔法をかけて俺にある程度力を出させようとしているのか。

昔のミコじゃ考えられない行動だが、そういうことをするようになったのは正直嬉しい。

さて、それなら少しばかり力を出すか。


「リジェネレーション」


俺はすぐさま斬られた右腕を再生する。


「少し本気を出す。耐えろよ」


俺はそう言って本気で勇者に接近した。

そして右の拳で勇者の腹を全力で殴る。


「グハッ」


勇者はまた盛大に吹っ飛んだ。


「まだまだー」


だが勇者はすぐに立ちあがり俺に接近してきた。


「神器召喚:聖剣エンハルト」


俺は「神器召喚」で聖剣エンハルトを召喚した。

俺は聖剣エンハルトを右手に持つ。

そして普通に構える。

本気の構えはさすがにしなくてもいいだろう。

いくら身体能力がミコのバフ魔法によって強化されていようとも勇者は決して剣術の才があるとはいえない。

精々が秀才どまりだ。

慣れても剣聖が限界だろう。

俺と勇者は剣を切り結ぶ。

やろうと思えばすぐに決められるが、今はしない。

にしても聖剣同士が戦うなんて基本的にないからやっぱり新鮮だな。

俺が知る中で聖剣を使うのは「勇者」だけだ。

それと今代の勇者か。

まぁ今代の勇者に関しては技量が低すぎて使えているとは決して言えないが。

だから聖剣同士が戦うところを見るのは稀だ。

一応なかったわけではない。

勇者との訓練で勇者が条件を近づけたいと言ったので俺が勇者の聖剣8本のうち4本を使ったのだ。

だから何度か聖剣同士で切り結んだことはある。

だが、今代の勇者の剣技の腕はやはり酷い。

これでは終わらせる気がなくても終わらせることが出来てしまいそうだ。


「はぁ、いつ終わらせてもいいんだが。せっかくだ、俺の本気を見ていけ」


パチッ


俺は指を鳴らす。

それによって周囲に「絶対防御結界」が展開される。


「神器召喚:神龍剣神魔、魔王剣王魔」


俺は「神器召喚」を発動して、神魔と王魔を召喚する。

そして俺は俺が使える技の中で最も強く、気に入っているアーツを発動する。


「剣舞:一の舞「神聖の舞」」


俺がそのアーツを発動した瞬間、神魔と王魔が宙に浮遊する。

俺は手に持っているエンハルトを強く握りしめる。

そして俺は舞う。

舞う、舞う、舞う。

勇者をエンハルトで斬りつける。

宙に浮かんでいる神魔と王魔はどちらも俺が思ったように操作することが出来る。

そして舞いが終わるころには勇者はボロボロになっていた。


「瞬間斬:一の剣「瞬き」」


俺は一瞬で勇者に接近して勇者の右腕を斬り落とした。

すると聖剣プロフトは宙に飛んだ。

俺はそれを何も持っていなかった左手でつかむ。

そして俺は右手に持っているエンハルト、左手に持っているプロフト、宙に浮かんでいる神魔、王魔の全てを勇者の首筋に当てた。


「勝者、シン」


俺の勝利がユアによって決定された。

ユアがそういってすぐ、ミーゼは勇者に近づいた。





モノルワ・リーヒット(勇者)視点


「はは。ミゼちゃん。負けちゃった。シン君がどんなズルをしているのか、全く分からなかったよ」


僕は近づいてきたミゼちゃんにそう言った。

僕はこれまでに何度かシン君と戦ってボコボコにされている。

だからこそ、僕は今日の決闘でシン君やシン君と一緒にいる人達がしているズルを絶対に暴こうと思っていた。

でも全く分からなかった。

本当に、シン君達はどんなズルをしているんだろう?

でも、今日の決闘でシン君達に勝つ希望が見えた。

さっきの決闘の途中、僕の身体能力が強くなった。

恐らく何かしらの力か称号を得たのだろう。

そしてその力でも僕はあのシン君の右腕を斬り落とすことが出来た。

すぐに再生されてしまったが、希望が見えた。


「はぁ、貴方って本当に弱いわよね」


僕は耳を疑った。

ミゼちゃんが、僕を、貶した?


「ミゼちゃん、どうしたんだい?確かに僕は負けたけど、僕が弱いわけじゃ。というか、僕よりも弱い君に言われたくない」


僕は何度かミゼちゃんと摸擬戦をしたことがあったけど、その戦績は僕の圧勝だ。


「はぁ、そのセリフがもう雑魚の発言ね」


「ミゼちゃん、何でそんなことを言うんだ?僕の相棒である君が」


「相棒?冗談でしょう」


「君こそ何を言っているんだい?勇者の相棒と言えば聖女でしょ」


勇者の相棒といえば聖女だ。


「そもそも、私が貴女より弱いわけないじゃない」


ミゼちゃんがそういった瞬間、ミゼちゃんから物凄い魔力圧が放たれる。


「ど、ういう、こと?ミゼ、ちゃん、に、こんなに強い、魔力圧を、放てるはず、が、ない、どう、して、こんなに、強く?」


僕は体が重くてうまく話せない。


「別に私が急激に強くなったわけじゃないわ。貴方と顔を合わせたときからこの程度のことは余裕でできたわ。ただ、勇者を立ててあげようと思って貴方との摸擬戦では手加減してただけよ」


僕は思わず目を見開く、まさか、ミゼちゃんが実力を隠していただなんて。


「でも、もう飽きたわ。貴方とごっこ遊びするのにもね」


「なっ」


ごっこ遊び、だって。

今までミゼちゃんは僕と一緒にいるときのことを遊びだったというのか?


「ミゼちゃん、君は、何者なんだい?」


僕は無意識に、そうつぶやいてしまった。


「ふふ、貴方が知る必要のないことよ」


ミゼちゃんは、そう不適に笑った。

僕は、ミゼちゃんのことが好きだった。

それは異性としてだ。

普段はずっと静かなところ、でも大切なときや貴族相手にはちゃんとしっかりとした様子で受け答えすること。

一つ一つの所作が平民とは思えないほどに綺麗なこと。

ミゼちゃんの全てが好きだった。

でも、さっきのミゼちゃんの表情は初めて見た。

世界で一番ミゼのことを知っているのは僕だと思っていた。

でも僕はさっきの表情でそれは間違いだと本能的に理解させられた。

そしてミゼは魔力圧を更に強くする。

そして僕は気絶してしまった。

ちなみにだが、普段静かなところはただただつまらないと思っているだけだし、貴族相手にしっかりと受け答え出来るのは最悪殺せばいいと思っているだけで、所作が綺麗なところはいつ敬愛なる魔王様に見られてもいいようにしているだけだったりする。





ミーゼ視点


私は気絶した勇者の制服の胸ポケットに「ストレージ」から取り出したある紙を入れて「エリアテレポート」で勇者だけを王都の正教会の前に転移させた。


「お疲れ様」


すると魔王様が話しかけてきた。


「いえいえ、あの馬鹿が迷惑をかけて誠に申し訳ございません」


私は頭を下げる。


「いやいや、気にしなくていい。聖剣をもう一本手に入れることが出来たしな」


「恐らくですが、正教会は聖剣エンハルト、アーティファクト、聖剣プロフトを奪い返す気だと思います。十分に注意してください」


「聖女殿は正教会の所属だろう。そんなことを言っていいのか?」


「それについては問題ありません。私は正教会を抜けることにしましたので」


正教会を抜けることについては前々からそのつもりだった。

魔王様からもう正教会の情報は問題ないと言われたからだ。

だが、きっかけがなかったのだ。

でも、これはいい機会だろう。

さっき勇者の胸ポケットに入れたのは退職届だ。

これで私は正教会の聖女じゃなくなった。

まぁ何の問題もない。

私は昔から正教会なんて大っ嫌いなのだから。

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異常者の恋愛は異常です

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