第166話 勇者との決闘1
少し短めです。
昨日はすみませんでした。
投稿時間をミスしてしまって。
また体調はまた崩れそうですが何とか小説を投稿していきたいと思います。
レイルに聖剣エンハルトの件で王城に呼び出された数日後、俺達は久しぶりに学園に来ていた。
ミーゼに呼ばれたのだ。
(魔王様、わざわざご足労頂きありがとうございます)
(気にするな)
表向き、俺とミーゼは大した関係はない。
だから学園等の公共の場では「念話」を使って会話をしなければならないのだ。
(それで、わざわざシンを学園まで呼び出してどうしたの?)
ミコがミーゼに要件を聞く。
(実は魔王様に勇者をボコボコにして欲しいんですよ)
(勇者をボコボコに?)
(はい、実を言うと今代の馬鹿勇者。聖剣エンハルトやアーティファクトを奪われてなお全く懲りてないのです。そして勇者のお願いは教会も断れず、今勇者はまた新しい魔剣を教会から貸し与えられている状態です。いい加減私としても魔王様に弓を弾く愚か者を見続けるのがしんどいのでボコボコにして腐った自尊心をたたきおってほしいのですよ)
(なるほど、理解は出来た。だが、どうやって勇者をボコボコにすればいいんだ?)
(それにつきましては問題ございません。勇者は魔王様が次学園に来られた時に愚かにも決闘を申し込むと私に話しました)
(なるほど、つまり俺はその決闘で勇者をボコボコにすればいいと)
(そういうことにございます)
俺とミーゼが「念話」で会話していると勇者が俺に向かって近づいてきた。
「シン君、僕はシン君に決闘を申し込む。そして僕が勝ったらユア教諭とユイ嬢に聖剣エンハルトとアーティファクトを僕に返すように説得してくれ」
「いいぞ」
俺は勇者からの決闘を承諾する。
「随分と、あっさり承諾するのだな。自分で提案しておいてなんだがこの決闘を受けるメリットはないだろう」
「なに、質の良い武器を手に入れることが出来るのだから貰っておくに決まっているだろう」
「相変わらずシン君は俺を馬鹿にしてくれるね」
「はぁ、さっさとやろう。いいな、ユア」
「勿論よ、せっかくだから今日の授業はその摸擬戦の鑑賞にしましょうか」
そうして今日の授業は俺と勇者の摸擬戦の鑑賞になった。
そして俺達は訓練場に移動した。
「ハンデは何が欲しい?好きなだけ言ってくれ」
「そんなものはいらない」
「ふふ、勇者様は随分な自信ね。シン、今日は鑑賞させるんだからあまり早く終わらせないで」
「了解」
「ふん、その自信をへし折ってあげますよ」
「それじゃあ双方準備して」
ユアの合図で勇者は剣を構える。
見たことがない剣だがそこそこの力を感じる。
恐らくその剣がミーゼが言っていた魔剣だろう。
俺は特に何もせずに直立不動だ。
「何故武器を出さない?」
勇者が俺に問うてくる。
「お前相手に武器なんて必要ないからな」
俺は煽るようにそう言った。
「それじゃあ始めるわよ、、、始め」
「僕を舐めたことを後悔するんだね」
そう言って勇者は剣を構えて俺に向かって突進してきた。
そこそこ速い。
恐らく「身体強化」を使っているのだろう。
あれは努力次第で誰でもとれるスキルだからな。
だがそれでも俺の素の身体能力の一兆分の一にも満たない。
俺は敢えて勇者に突進する。
魔力は一切使わない。
それでも勇者の目には負えない速さだ。
勇者は突然俺が目の前に現れたように見えただろう。
俺は左手で勇者の腹を殴った。
それだけで勇者は後方に吹っ飛んだ。
「ガハッ、ゲホッ」
勇者は吐血した。
「どうした?まだここからだろう。さっさと起きろ」
「言われなくても」
そうして勇者は先ほどの10倍の速度で俺に突進してきた。
勇者は魔剣に魔力を流しているようだ。
つまりこの身体能力は魔剣によるものだろう。
俺は魔剣を最小限の動きで回避して、勇者の背中を蹴った。
勇者はまた吹っ飛んでいった。
「はぁ、弱すぎる。剣技がなっていない」
「ぼ、僕は負けない」
勇者はまた立ち上がる。
「その魔剣、もしかして」
俺は勇者が持っている魔剣に見覚えがあった。
「スラッシュ」
勇者が斬撃を飛ばしてくる。
俺はそれを生身で受ける。
当然俺は無傷だ。
たかだか「スラッシュ」程度で傷つく俺ではない。
だが、明らかに「スラッシュ」が強化されていた。
魔剣の力だろう。
俺はどうしても魔剣に違和感を持った。
「なぁ勇者。お前の持っている武器はなんだ?」
俺は勇者に質問した。
「敵に手の内を晒すわけがないでしょう「トリプルスラッシュ」」
勇者が3つの斬撃を俺に向かって放ってくる。
俺はそれを平然と受ける。
斬撃の威力は更に上がっている。
が、たかがこの程度の攻撃ではどれだけくらっても無傷だ。
「看破」
俺は勇者が使っている魔剣に「看破」を発動する。
すると魔剣の見た目が変わった。
「やはりか」
「魔剣の見た目が、何をした?」
勇者が俺を睨みながらそう言った。
「はぁ、これだから正教会は嫌いだ」
「看破」というのは偽装などを破ることが出来るスキルだ。
そして今、俺は魔剣に「看破」を使用したことにより魔剣の見た目が変わった。
つまり魔剣には偽装が施されていたのだ。
俺がすぐに見抜けないほどの偽装が。
そして俺は勇者が使っていた魔剣、いや聖剣を知っていた。
「こんな大勢の前で正教会を批判とは、しかも教会所属の僕とミゼの前で、いい度胸だね」
「はぁ、勇者。お前その剣の名前が何かしっているか?」
「名前?この魔剣に名前なんてあるんですか?教皇からはこの魔剣は何故か「鑑定」出来ないと聞いているのですが」
「はぁ、それは魔剣じゃあない。それは聖剣だ」
「この剣が、聖剣?」
勇者は己の剣を二度見する。
「その剣は聖剣プロフト。別名利益の魔剣だ。まさかこんなところで見つけるとは」
「確かにこの剣は聖剣というにふさわしい性能がある。だけど何故それで教会を批判するのかな?」
「だってそれを正教会が持っているというのは正教会が人の物を盗んでいるということだからな」
「何を言っているのです?この剣は古くから正教会にあったものと聞いています」
「はぁ、その聖剣プロフトは初代勇者のものだ。ちなみにだが聖剣エンハルトも初代勇者のものだ」
「何故シン君がそれを知っているかというのはおいておくとして。それが本当だった場合、何故正教会が盗んでいるということになるのです?」
「はぁ、面倒くさいな。聖剣エンハルトも聖剣プロフトも初代勇者の物だ。正教会が勇者に貸し与えたものではなく初代勇者の私物だ。それを正教会は初代勇者の死後、勝手に使っているということだ。盗み、いや墓荒らしもいいところだな。勇者がそれを使ってくれと生前言っていたかもしれないじゃないか」
「ないない、だって初代勇者って人類を裏切っているし」
「なっ、そんなハッタリは通用しないぞ」
「事実よ」
勇者がそう言うと反応したのはユアだった。
「教師として断言するは、シンの言ったことは事実よ。最近発見された資料にそう記載されているわ。勇者は人類を裏切って魔王軍につき、魔王軍最高幹部である七魔公の第二席となったってね」
「なら人類の敵から奪ったのだったらいいんじゃないか」
「はぁ、魔王軍を絶対悪とするところも嫌いだな」
勇者は俺が話している途中に突進してきた。
こいつ、魔法を使うという発想はないのか?
勇者はひたすらに俺に向かって剣を振るう。
俺はそのすべてを最低限の動作で回避する。
さすがの俺も聖剣を使われれば多少の傷はついてしまうだろうからな。
「はぁはぁ、まだまだー」
勇者はさらに聖剣プロフトに魔力を流す。
聖剣プロフトは魔力を流した存在を強化するという聖剣だ。
といってもプロフトは本来、一本の使う剣じゃないんだが。
勇者は更に早くなる。
「身体強化」にも魔力をかなり充てているようだ。
そろそろ俺もちゃんとした反撃をするか。
俺は観察をやめて勇者に反撃していくことにした。
どうした?まだここからだろう
これも作者の好きなアニメのセリフです。
このアニメは以前にも出しました。
最近本当にドはまりしています。
これも相手は王女にしたいですね。
まぁセーラもライシュもこんなこと言われる機会はなさそうだから難しそうですけど。
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