第165話 神力
投稿時間またミスりました。
すいません。
起きてすぐに投稿しました。
体調は回復しました。
少し短めです。
俺のユアとしての教師生活が終わって数日経ったある日、俺達はレイルに王城まで来てほしいと言われたため王城のレイルの執務室に来ていた。
コンコン
「セーラです。お父様」
「入っていいよ」
「失礼します」
俺達はレイルの執務室に入る。
そこにはレイルとミリーがいた。
「それでお父様。ご要件は何でしょうか?」
セーラは早速レイルに要件を聞く。
最近、セーラはレイル達の扱いが雑になっている気がする。
まぁセーラは思春期だし。
アレがあるから無理もないだろう。
「急に呼び出してすまないね。実は正教会からユイちゃんとユアちゃんに聖剣エンハルトの返還を要求する手紙が届いていてね。学生寮に送ってもまったく返事がないからこちらに送ってきたそうだよ」
「なるほど」
聖剣エンハルトは一応正教会の持ち物となっている。
勇者が持っていたのはあくまで正教会が自分達の英雄である勇者に貸し与えていたにすぎない。
実際、今代の勇者が死ねば聖剣エンハルトは正教会に戻されるだろう。
だから正教会は聖剣エンハルトを奪ったユアとユイに返還するように要求してきたのだろう。
学園の寮に送られていたのならしょうがないな。
俺達は基本的に学園の寮は使っていない。
最近はずっと魔王城で生活していたからな。
そして返事がない俺達にしびれをきらした正教会が王家に連絡をしたってわけか。
「教会には断る。返してほしければ力づくで奪えと返事しておいてください」
ユイはレイルにそう答えた。
ユイ達とレイルの間に以前のような緊張感はない。
ユイからすれば国王の前に友人の父親だし。
レイルからすれば可愛い愛娘の友人兼、国を滅ぼすほどの力を持った存在だからだ。
レイルのユアとユイの呼び方が嬢からちゃんに変わっていることがその証拠だ。
「了解」
「お父様、よろしいのですか?ナイト王国と正教会の仲が悪化しません?」
「はは、元々うちの国と正教会は仲がそこまでよくないからね。今更だよ。それに僕とミリーとしては正教会なんかより、魔王様の方が怖いからね」
レイルはそうおどけたように言った。
「ふふ、それもそうね」
セーラはレイルにそう返した。
「ちなみにだけど、聖剣エンハルトってどんなものなんだい?」
「私も興味あるわね」
レイルとミリーが突然そんなことを言い出した。
「見たことないのですか?」
セーラは二人にそう質問する。
「聖剣エンハルトは今まで正教会が厳重に守っていたからね、見る機会がなかったんだ。でも、勇者が使う武器といえばやっぱり聖剣エンハルトでしょ」
なるほど、この時代にはそう伝わっているのか。
「構いませんよ。でもその前に少しばかりお伝えしたいことがあります」
そうして俺は初代勇者は聖剣を8本を扱っていたこと。
その聖剣は全て俺が創り、友好の証として正教会に送ったものであったこと。
だが、正教会はこれを女神からの賜り者だといって勇者に持たせるようになったことを話した。
それを知ったレイルとミリーはポカンと呆気にとられた表情になった。
「そうだったんだ。ってことは聖剣エンハルトの本当の所有者はシン君ってことか」
「いえ、正確には違いますね。俺は既に8本の聖剣については全て七魔公第二席「勇者」にあげていますから。誰の物かと言えば「勇者」のものですね」
「そうなのね」
俺の話を聞いて二人は納得したようだ。
「さて、聖剣について詳しくなったところで早速見てみますか」
そう言って俺は「神界創造」を発動した。
周囲は草原だ。
「神器召喚:聖剣エンハルト」
俺が「神器召喚」を発動した瞬間、俺の手には聖剣エンハルトが出現した。
「これが聖剣エンハルト。確かに何か威圧感を感じるね」
「でもこれ、魔力以外の力も感じるわ」
「よく気づきましたね。それ神力と呼ばれる力です。神器には大体あるものなのですが、俺が聖剣を創った時教会に渡すってことで神聖な感じをイメージしたから俺が創った聖剣は8本全て神力を纏っているんですよ。まぁ神力の内包量という意味では神魔や吸魔等の今世で俺が創った神器の方が多いんですけどね」
「そうなのかい?」
「はい、でもそれは後で説明します。少し話が変わるのですが実を言うと人間にも神力を持っている人がいるんですよ」
「人間にも?」
「でもそんなの一切聞いたことがないわよ」
「ふふ、お二人の身近に持っている方がいますよ」
「僕達の身近?」
「あ、分かったわ。セーラね」
「正解です」
ミリーはどうやら神力を持っている人間の条件が分かったようだ。
「どういうことだい?」
未だに分かっていないレイルがミリーに助けを求める。
「そうねぇ、分かりやすいヒントでいくとシン君達は全員持っていると思うわ」
「ご名答です」
確かに俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユア、ユイ、ライシュは神力を持っている。
ちなみにだが七魔公は全員持っている。
「シン君たちは全員持っているもの?うーん」
レイルはまだ分からないようだ。
「神力っていうんだから神様と関係があるのよね」
「あっ、そういうこと」
どうやらやっとレイルは気づいたらしい。
「やっと気づいたみたいね。神力がある人の条件、それは神族系の加護を持っている人」
「ミリーさんさすがですね。正解です。神力があるのとないのとではかなり大きな違いがいくつもあります」
「どんな違いがあるんだい?」
「簡単に言うと身体能力と魔力回復速度ですね。身体能力は神力があるだけど常人よりもかなり強力になりますし、魔力回復速度も神力があればあるほど速いしレベル上げで速くなりやすいんですよ」
「なるほどね。神族系の加護の恩恵にはそんなものまであるのね」
「えぇ、そうです。ここで先ほどの話に戻ります。何故今世で創った神器の方が内包神力量が多いかという理由にもなるのですが、俺は今、シンとして創造神の加護を持っています」
「そうだね」
「魔王時代の俺が神器を創るときは破壊神の加護を反転させていました。よってかなり無理矢理神器を創っていたんですよ。それに対して今は創造神の加護を使っている。簡単に言えば釘を打つときに工具がなくて瓶で打つのと、最高級の槌を使った方がいいものが出来上がるのは当然でしょう」
「なるほど」
「ちなみにですが今の俺は創造神の力と破壊神の力を両方使えるので神力が大幅に増えています。なので今神器を創ればさらに内包神力量が多い神器を創れますよ。まぁ神力がその神器の性能ってわけじゃありませんが」
「なるほどね。納得したよ」
俺はそんな話をしなが、聖剣エンハルトを「無限収納」に閉まった。
「今日は興味深い話をありがとう。また、何かあったら連絡するよ」
そんなこんなで俺は神界を解除した。
そして俺達は魔王城に帰ってきた。
「あ、そうだ。セーラ」
俺はあることを思い出してセーラを呼ぶ。
「何かしら?」
セーラはすぐに俺のもとに来た。
「これをセーラに渡しておこうと思ってな「神器召喚:聖剣エンハルト」」
俺は「神器召喚」で聖剣エンハルトを召喚した。
「まだ事情は話せないが、これはお前が持つべきものなんだ」
「そうなの?まぁシンが持っておけというのなら持っておくわ」
セーラはそう言って、俺から聖剣エンハルトを受け取って「無限収納」に閉まった。
「ねぇ、シン」
「ん?どうした?」
「以前言った変な夢。どうしても気になるの。シンとミコが知らなくていいって言ったんだから問題ないんだろうけどやっぱり眠れなくて。スキルで睡眠不要とはいえ、ちゃんと寝たいわ」
セーラの言葉を聞いて少し考える。
そしてある結論を出した。
「なら、今日は俺、ミコ、セーラの3人で寝るか」
「うん!」
セーラは俺に満面の笑みで返答した。
体調は回復しましたので、また投稿していきたいと思っています。
また、本日作者別作品異常者の恋愛は異常です
を投稿しました。
興味のある方はご覧ください。
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