第156話 席の空いた幹部会議
昨日も投稿できなくてすみませんでした。
また私生活が忙しくなってきています。
今回は少し短めです。
本日二話同時投稿。
この話は一話目です。
これからどんどん巻き返していきます。
俺達が王立学園の高等部に入学してから1ケ月が経った。
その間俺達は気分で言ったり行かなかったりと言った感じだ。
ちなみにだがユイは毎日言っている。
放課後になるとミーゼが魔王城に来る。
ちなみにだが聖剣エンハルトは俺が持っている。
それが剣なら俺に渡しておくのが無難というのが皆の総意だったのだ。
ということで俺達は高等部に入学しても各々自由に過ごしていた。
「シン、キスして」
ミコがキスをねだってきたので俺はミコの唇にキスをする。
今俺は俺の私室でミコと二人きりでイチャイチャしていた。
具体的に今の態勢を説明すると、ミコが俺の膝の上に乗って抱き着いているという形だ。
ミコと秘密の約束をしてからミコが以前にも増して俺に甘えてくるようになった。
それ自体は一行に構わない。
俺もミコのことが好きだからな。
「もっと強く抱きしめて」
「了解」
俺はミコを抱きしめる力を更に強める。
だが、このままだと歯止めが利かなくなりそうだ。
というか最近本当に歯止めが利かなくなってきている。
ついこの間なんて「神界」でイチャイチャしていたら、気づけば「神界」内の時間で100時間が経過してたんだから。
かといって今ミコから離れられるかと言われればその答えはNOだ。
最近は本当に四六時中ミコと一緒にいる気がする。
普通に過ごす時間は勿論、お風呂や寝るときも一緒なのだからある意味当たり前だが。
コンコン
そんなことを考えているとドアをノックする音が聞こえてきた。
「入っていいぞ」
「邪魔するわ」
そうして俺に部屋に入ってきたのはセーラだった。
「あ、セーラ。一緒にシンに抱き着く?」
「抱き着くー」
ミコは入ってきたのがセーラだと分かった瞬間、そんな提案をした。
そしてその提案にセーラは即答だった。
そしてセーラは俺の背中に抱き着いてきた。
今の俺は正面からミコに抱き着かれ、後方からセーラに抱き着かれているという状態だ。
ちなみにだが、セーラにはこんな風にハグとかをすることはあってもキスはまだだったりする。
まぁ、俺とセーラの騎士は対外的に見れば護衛騎士と護衛対象だ。
身内であっても親友兼師弟って感じらしいからな。
別に変な話じゃない。
まぁ俺とミコも別に恋人というわけじゃない。
何なら魔王としての力、災禍の魔女としての力を取り戻した今としてはミコは相棒兼妹だ。
まぁそんな妹に平然とキスをしている俺の言えたことじゃないが。
ただ、俺は既に深くミコに依存してしまっている。
そしてそれはセーラにもだ。
恐らく俺はセーラが本気で何かを願うならばそれをどれだけ時間をかけても達成しようとするだろう。
そして俺達は30分ほど3人でゆっくりしていたのだった。
「そういえばセーラ。何か用があったのか?」
「あら、用がなきゃ来ちゃだめ?」
「別にそんなことないが、、、」
セーラはそういうことがあまり好きではないからな。
何か用事があったと俺は判断したのだ。
「ふふ、冗談よ。実はシンとミコに相談したいことがあったの」
「「相談したいこと?」」
ここ最近、セーラが何かに悩んでいる様子はなかったが。
「実はここ最近、少し変な夢を見るのよ」
「「変な夢?」」
「そう、場所は魔王城なんだけどシンやミコの服装が普段と違って何かと戦っているの」
「戦っている?」
「そう、多分戦争か何かだと思う。敵は大して強くないんだけれど何か私に怒っているの」
「怒っている?」
「そう、「よくも裏切ったな」とか「お前だけは殺してやる」だとか明らかに怒っている、正確に言う
と恨まれている気がするの。勿論全く知らない人に」
「確かにそれは変な夢ね」
「でしょ。でも戦いは毎回私の勝利で終わるの。ただその戦い方も普段と違うの」
「普段と違う?」
「そう、私がナイフじゃなくて剣を使ってるの。それも結構強い剣を。確か7本くらい持っててそれを持ち替えているの」
俺とミコは目を見開く。
7本の剣を持ち、俺達と共に戦った存在。
俺とミコの頭の中に全く同じ人物が思い浮かぶ。
そして俺とミコは顔を見合わせ、頷きあう。
「でも、戦いが終わったらシンがたくさんたくさん甘やかしてくれるから全然悪夢っていうわけじゃないの。ただ、何か少し懐かしいのよね」
「だから気になったわけか」
「そう、別に悪夢ってわけじゃないからすぐ様どうこうしたいわけじゃないんだけど気になったの」
「それで俺のところに来たと」
「そういうこと」
俺とミコは再びお互いの顔を見合う。
そして俺とミコは確信する。
俺とミコの服装が違い、戦争をしている。
7本の強い剣を持ち、戦いが終われば俺が甘やかす。
そんな人物に俺とミコは心当たりがあった。
そこで俺とミコ「ドレスチェンジ」を発動する。
俺たちは4000年前に来ていた服装に変わる。
「セーラ、夢で出てきた服ってこれじゃないか?」
「あ、そうそうこれこれ」
「やっぱり、なるほどそういうことだったのね」
俺とミコは顔をほころばせる。
まさかこんなに近くにいたとは。
「セーラ、単刀直入に言おう。俺とミコはセーラがその夢を見る理由が分かった」
「ただ、貴女に話すわけにはいかないわ」
「そう、ありがとう」
俺とミコがそう言うとセーラはすぐに引き下がった。
「理由を聞かないのか?」
俺はセーラに問う。
普通こういうのは話さない理由くらいは聞かれるものだと思うのだが。
「だってシンとミコが私に話さないって判断したんでしょ。なら私がその夢を見ている理由は私が知らなくていいこと。そういうことでしょ」
「そうだな」
「私はシンとミコを信用しているもの。二人が知らなくていいっていうのならば私は知らなくていいの。シン、ミコ。弟子は師匠の言うことを聞くものなのよ」
「そうか」
俺達はそんな会話をして、またイチャイチャするのだった。
数時間後
イチャイチャしているとセーラは寝てしまった。
俺とミコはセーラをセーラの部屋のベッドに寝かせた。
そして俺達は今、魔王城の会議室に来ていた。
そこには8つの椅子がある。
その全てが超一級品の豪華なものだが中でも俺とミコの椅子は格が違った。
そして椅子に座っているメンバーは俺、ミコ、ミーゼ、ルミネス、レイメスだ。
「それじゃあ、魔王軍幹部会議を始めるわ。まず「執事」報告を」
「はっ、魔王様より命令された他の七魔公の行方ですが、残念ながら未だ不明です」
俺はレイメスに他の七魔公の捜索を依頼していた。
七魔公は全員、強大な力を持っている。
少なくとも寿命で死ぬような存在はいなかった。
今いないのは第二席「勇者」、第四席「死生」、第六席「黒蝶」の3名だ。
レイメスは本来こういった捜索や情報を集めるようなことはしない。
4000年前は情報関係は「黒蝶」が行っていたからな。
レイメスは「執事」色々な仕事を補助することが多い。
レイメスは特筆した能力がない分すべてを高位水準で行うことが出来る。
なので七魔公の捜索を依頼していたのだ。
「随分と時間がかかっていますね、「執事」」
するとレイメスの報告を聞いたミーゼが苛立ったような声音でそう言った。
「申し訳ございません。ただし吉報もございます」
「聞こう」
「「勇者」と「死生」ですが、転生しているようです。それもこの世界に」
「「「「!?」」」」
「それは本当?」
レイメスにルミネスが問う。
「まだ確証は得られておりませんが、かなり高い可能性です」
「なぜそう考えたのかしら?」
すると今度はミコがレイメスに問う。
「魂の結晶です」
魂の結晶というのは、最初に魔力を流したものの魔力と魂がこの世界にあるか否かを判断することが出来る魔道具だ。
俺が創った魔道具で魔王軍の幹部には全員魔力を流してもらっておいた。
「だが、あれは壊れていたはずよ」
魂の結晶は魔王時代の俺が創った魔道具。
つまり4000年前に創った魔道具だ。
神器ならいざ知らず、ただの魔道具ではそのような長い時間を壊れずに過ごすことは不可能だ。
それにそのころの俺は今と違ってものを創ることはあまり得意じゃなかったからな。
「修復しました」
レイメスはそう言って「ストレージ」から魂の結晶を取り出した。
「確かにこれは転生している可能性が高いわね」
魂の結晶は水晶のような形をしている。
魂の結晶は魂と魔力が両方あれば、紫色に光る。
魔力だけならば、青色に光る。
魂だけならば、赤色に光る。
そして魔力が変質している場合は黄色に光る。
魂が変質している場合は緑に光る。
そしてそのどちらも変質している場合は白く光る。
俺とミーゼの水晶は白く光っている。
俺とミーゼは転生しているため、転生前の魂、魔力と転生後の魂、魔力が融合して変質してしまったのあろう。
大してミコ、ルミネス、レイメスは紫色に光っている。
三人は特に魔力が変質することはなかったからな。
ミコも転生に近いことはしているが、ミコの場合はあくまで器に魂を入れただけだ。
魔力というのは魂から生み出されるため、ミコは魂や魔力が変質しなかったのだ。
そして「勇者」と「死生」は俺やミーゼと同じく白く光っている。
これがレイメスが二人が転生したという根拠だろう。
そして「黒蝶」は紫色に光った。
「黒蝶」は転生してはいないようだ。
俺は他の七魔公にバレないようにミコを見る。
ミコも俺の方を見ていて頷いていた。
俺とミコは不敵に笑う。
先ほどでもほぼ確信していたが、これで確定した。
さぁ、早く記憶を取り戻せ「勇者」。
ついに第四席、第六席の二つ名が出てきました。
そして「勇者」、まぁこの一話で正体が分かった人もいると思います。
ちなみにですが、七魔公はレイメス以外女です。
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