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第155話 二人だけの秘密

今日も短いです。

ごめんなさい。

パソコンが不調なため、近々更新出来ない日がくるかもしれてせん。

更新出来なかったときは、別日に同時投稿で巻き返します。

俺はベッドに寝転がって考え事をしていた。


コンコン


するとドアがノックされる。

気配でミコだと分かった。


「入っていいぞ」


俺はミコにそう告げる。

するとドアが相手俺の寝室にミコ入ってきた。


「夜分遅くにごめんなさい」


「いや、まったく問題ないが。要件はなんだ?」


「ちょっと血が欲しくて」


「なるほど」


ミコはこの数年、吸血衝動に耐えてきた。

だが先日、ミコは俺の血を飲んだ。

その日とその翌日は俺は枯れるほど血を飲まれた。

だがその更に翌日くらいに俺に魔力衝動が来た。

普段なら耐えていた。

だが俺の雰囲気に違和感を覚えたミコが俺を問い詰め、俺は魔力衝動を抑えていたことを話した。

そして結局俺はミコの魔力の9割を吸いつくしてしまった。

その時にミコと約束した。

最低週に一日、したくなったら付き合うと。

そしてそのしたくなった日が今日なのだろう。

俺はベッドをたたく。

ベッドに来いという意味だ。

ミコ相手ならば声を出す必要なのない。

ミコが察してくれるからだ。

ミコはベッドに座った。


「いい?」


「好きなだけ飲んでいいが、殺さないでくれ」


俺がそういった瞬間、ミコが俺をベッドに押し倒してきた。

俺は特に抵抗もせずベッドの上に倒れる。

そしてミコは犬歯を出して俺の首筋に噛みつく。

そこから血が抜かれていく。

気持ちが良い。

吸血鬼は吸血している相手に不快感を味わわせないため相手の体を血を吸われると快楽を感じるようにさせるという特殊能力があるのだ。

そしてミコは尋常じゃない速度で血を吸っていく。

すると突然、首筋から口が離された。

おかしい、ミコがこんな量の血で満足できるわけがない。

俺がそんなことを考えていると、ミコが噛み跡を舐める。

首筋から電撃が走る。

首からぞくぞくとしたものが全身に広がっていくのだ。

そこからミコは2時間程俺を吸血したのだった。





ミコ視点


時は遡り


私はとある理由があってシンの部屋に訪れた。

シンは気配で訪ねてきたのが私だと分かっていたようで、すぐに入室の許可が下りた。

私はシンの部屋に入った。

シンがベッドに手をたたく。

座れということだろう。

私はベッドの上に座った。

そしていよいよシンから吸血の許可が出た。

私はシンの首筋に噛みついて血を吸う。

そしてある程度貰ったところでちょっとしたいらずらを思いついた。

そして私はシンの噛み跡を舐めた。

シンが明らかに感じている。

私はシンでしばらく遊んだ後、再び血を吸い始めた。

そして2時間後、私の吸血欲は満たされたのだった。

私はかなり大量の血を飲んだ。

恐らく今のシンの体にはほとんど血がないだろう。

普通の人間ならば死んでいる。

まぁ、生憎とシンは普通とは程遠い存在であるため問題ないが。


「ねぇ、シン。一つ、聞いてもいいかしら?」


「何だ?」


私は最近、気になっていたことをシンに聴くことにした。

シンは今体の中に血がないためかあまり意識がはっきりとしていないようだ。


「シン、何か悩みあるよね」


私はシンにそう問いながら「マインドリーディング」を発動する。

するとシンは私の問いを聞いた瞬間、目を見開いた。

シンが珍しく動揺している。

これは黒だろう。

するとシンが魔力を使った。

この感じ、恐らく「アンチマジックエリア」だろう。

そしてシンが「キル」を発動した。

私が発動していた「マインドリーディング」を無効化されてしまう。

やはりシンは血がない影響か判断力が弱っている。

こういう状況かで私の魔法を無効化するなんて普段のシンがするわけがない。

なにせ魔法を無効化した時点で私に何か隠し事があると自白しているようなものだ。


「悩み?ないぞ」


シンは平静を装いながら私に返答した。


「なら、何故「アンチマジックエリア」と「キル」を使ったのかしら?」


この私に気づかれないように魔法を使うなんてほぼ不可能に近い。

シンもそんなことは理解しているだろう。


「それは、あの、「テレポ」


「させるわけがないでしょう」


シンが「アンチマジックエリア」を解除して「テレポート」で逃げようとしたので、今度は私が「アンチマジックエリア」を発動した。

そして私は再びシンを押し倒す。


「シン、教えて。さもなくば貴方はとってもとっても長い時間、「神界」の中で私に血を吸われ続けることになるわ」


私はシンのことを脅す。

この部屋では魔法は使えないし、体内に血がほとんどないシンではうまく体を動かせない。

というか魔力の使用すら普段通りにすることは出来ないだろう。


「はぁ、分かった。話す」


シンは折れたようだ。


「それで、何に悩んでいたの?」


私は再度、シンに問う。


「俺は何のために戦っていたのかと思ってな。平和のために戦っていたはずなのに俺が創り出せたのは一時の仮初の平和だけ。なぁミコ、俺は何のために戦っていたんだ?」


私はシンの言葉を聞いて絶句した。

魔王としてのシン、いやゼロはいつも一瞬で最善の選択をする。

そんな王だった。

そんなゼロが悩んでいる姿というのはほんの数回しか見たことがなかった。

そして今、シンは自分が戦った理由について考え、悩んでいる。

私はそのことに驚いた。


「なぁ、ミコ。俺はどうすればいいと思う?結局いくら俺が戦っても本当の平和は訪れない。俺は今世でどう生きればいいと思う?」


シンは再度私に問う。

その言葉を発したシンは私が知る中でも初めて見たシンの弱音を吐いた姿だった。

私は歓喜する。

シンが私に普段見せないような姿を見せてくれている。

それが悩んでいるシンには悪いが私は嬉しかった。


「シン、貴方は4000年前、魔王としてとっても頑張ったわ。でもね、七魔公の皆は平和のために戦ったんじゃないわ」


「え?」


それはシンからすれば思ってもみなかったこと。

だけれど、それは真実だった。


「七魔公の皆は私含めて全員平和なんて大して興味もなかったのよ」


「なら、何故戦っていたのだ?平和に興味がなかったのならそんなことをする必要はなかっただろう」


シンは珍しく驚きを表情に出している。

それほどまでにこの事実はシンにとって驚きのものだったのだろう。


「シン、私たちはね平和のためじゃなくて貴方のために戦っていたのよ」


「俺の、ために?」


「そう、私たち七魔公は全員貴方に助けられた。叉は魅せられた者たち。私たちは平和じゃなくて貴方を願いを叶えるために戦っていたのよ」


「そう、だったのか」


シンは疲れたようでベッドに寝転がった。


「違和感を感じてはいた。俺が七魔公の選んだ存在は全員、他人を信用することが苦手なようなやつばかりだった。だからお前たちが平和を願っているということは少し変だと思ってはいた。だが、そういうことだったのか」


シンは右腕で目を覆いながらそう言った。


「シン、貴方はもう平和なんて考えなくていいの。だって魔王軍で真に平和を願っていたのはシンだけ。そのシン本人が平和についてもうどうでもいいと思えるのなら、もう平和のために戦う必要なんてない」


シンは私の言葉に何も反応しなかった。

今日はシンの初めて見る姿をたくさん見ることが出来た。


「そうだな。そうだ、俺はもう平和なんて考えなくていい。俺は魔王だ。俺が戦う理由は全て俺のためでいい」


「えぇ、そうよ。私たちはシンの望みを叶えるために、それだけのために動く。そういう存在なのよ。だから、シンはもう自由に生きなさい。私たちはシンのためならばなんだってするわ」


「そうか、そうか」


シンは力なくそう言った。

その瞬間、シンの全魔力が解放される。


「ははっ、俺は魔王だ。俺の望みは俺とその仲間の平穏な生活。それを邪魔するのなら全て排除する」


シンは狂ったように笑いながらそう言った。

シンは昔から笑う時は狂ったように笑う。

だが今世ではシンが笑う時その笑いを見ることが出来なかった。

転生をして変わったのだろうと思っていたが、どうやら抑えていただけらしい。

だが、それでいい。

シンが何かを我慢する必要なのないのだ。

きっとシンに不可能はない。

シンは一人であったとしてもなんだって出来るだろう。

だがそのシンは、私を、私たちを望んでくれている。

ならばそれに応えよう。

私は魔王ゼロ・コラプス・クリエイトブレイクの妹で災禍の魔女と呼ばれる、魔王軍最高幹部七魔公第一席「災禍」ミコ・ディザスター・クリエイトブレイクであり、シン・ソードロードの相棒、ミコ・マジクロードなのだから。


「シン一つ、約束して頂戴」


「何だ?」


「私は貴方のために生きる。貴女の物にだってなる。だから、貴方は私を愛して」


「分かった約束だ」


「ふふ、セーラ達には秘密よ。これは、二人だけの秘密の約束」


「あぁ、分かった」


その日、魔王(シン)は災禍の魔女と誰にも言えない秘密の約束をした。

この約束がこの世界の未来に多大なる影響を及ぼしたことをこの二人はまだ、知らない。

王立学園高等部入学編といいながら高等部の描写が少なくてごめんなさい。

この章はこの話で終わりです。

ぶっちゃけこの章は作者にとって「聖女」と今代の勇者(雑魚)を登場させ、最後の約束をさせるための章でした。

追加が遅れてすいませんでした。

また、パソコンの不調で投稿が出来ずすみませんでした。

これは前書きにも書きましたが別日に同時投稿でもして追いつかせます。

次回は閑話の予定です。

では次の章もお楽しみに!!

閑話に思っていたよりも時間がかかっていてすぐには出せません。

ごめんなさい。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

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