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第146話 ミコの暴走

今日も二話投稿の予定だったんですけど急用が入ったので一話だけで滅茶苦茶短いです。

明日は二話投稿します(予定)。


俺はつい先ほどまでミコ達の摸擬戦の審判をしていた。

だが、摸擬戦中にミコが明らかにセーラ達が耐えられないであろう強力な魔法を発動した。

咄嗟に俺も魔法を展開したためセーラ達は無事だが、ミコの様子がおかしい。


「ブラッドスピア」


ミコが突然、血の槍を放ってくる。


「「キル」とりあえずセーラ達を非難させよう」


俺は「ブラッドスピア」を「キル」で無効化して、「エリアテレポート」を発動してセーラ達を離れた安全な場所に避難させる。

幸いセーラ達に怪我はなさそうだ。


「ミコ、どういうつもりだ?」


「はぁはぁ、「ブラッドチェーン」」


俺がミコに話しかけるも、帰ってきたのは言葉ではなく血の鎖だった。


「言葉が通じていない?「神器召喚:神龍剣神魔、魔王剣王魔」」


俺は神魔と王魔を召喚する。

そして手に持ち、


「ワンハンドレットスラッシュ」


俺は1000の斬撃で血の鎖を斬った。

だがその瞬間に、俺の周りに10個ほど「ブラックホール」が出現した。


「レジスト」


俺は「レジスト」を発動して「ブラックホール」を消滅させる。

次の瞬間には俺の周りが凍り付いた。

「ニブルヘイム」だな。


「無視」


俺は「無視」を発動し、氷を無視した。

そして俺は「神速」でミコに接近して、ミコに斬りかかる。


「ブラッドソード」


その瞬間、血の剣が俺に向かって放たれる。

当たれば俺でもただでは済まないほどの切れ味と威力だ。

俺はそれらすべてを弾き落とす。


「神器召喚:神霊剣吸魔」


するとミコは吸魔を召喚し、逆に俺に斬りかかってくる。


「ブラッドハンド」


更に血の手が出現し、ミコと同時に俺に襲い掛かる。

俺は血の手を斬るが、液体なのか斬っても意味はなかった。

しょうがないので俺は吸魔を弾いて「テレポート」でミコと距離をとった。


(シン、どういう状況?)


するとセーラが目覚めたらしく「念話」が入ってきた。

俺はセーラに「念話」で簡潔に現状を説明した。

セーラ達の摸擬戦中にミコが明らかに過剰威力の魔法を放ったこと。

その魔法を俺が何とか相殺したこと。

ミコの様子がおかしいことなどを説明した。


(なるほど、理解は出来たわ。とりあえず皆を起こして現状を共有しておくわ)


(頼んだ)


さてと、セーラ達のことに関してはこれで何とかなるだろう。

後はミコをどうするかだな。

ミコは大量の魔法を俺に向かって放ってくる。

俺はそれをひたすらに神魔と王魔で斬り続けている。

「レジスト」や「キル」ではミコの魔法発動スピードに追い付けないからな。

ひたすらに斬り続けているのだ。

合間合間に魔法を放ち続けているのだが、どれもすぐさま無効化または相殺されてしまう。


「あぁ、キリがな」


俺はそう言いかけた瞬間に体を逸らす。

そこには吸魔を俺に向けたミコがいた。

そして流れで俺はミコの一撃をくらってしまう。

俺の腕に切り傷が出来、腕から血が流れる。

しかもなぜか再生系統のスキルで再生できない。

「ハイヒール」などの回復系魔法をかけても治らない。

回復阻害。

確か吸血鬼の種族としての特性にそのようなものがあった気がする。

吸血鬼?

確か回復阻害を使う時は。

そういうことか。

俺はミコが暴走している原因が分かった。

そして俺はすぐさま自分の左肩を右手に持っていた神魔で斬った。

俺の肩から血が噴き出す。


「血、血、血ぃ]


すると、ミコは俺の肩に飛びついてきた。

そして俺の血を舐める。


「眠ってろ」


俺はミコに大量の魔力を流した。

ミコは大量の魔力による想像を絶するほどの快楽によって気絶した。


「ふぅ、何とかなったな」


俺は神界の能力でベッドを創り出してミコをそのベッドに寝かす。


「もう大丈夫だ」


俺はセーラ達に向かってもう大丈夫であることを告げる。

するとセーラ達は俺に近づいてきた。


「何で急にミコが暴走したの?」


セーラは当然と言える疑問を口にする。


「吸血衝動だな」


俺はつい先ほど気づいたミコが暴走した理由をセーラ達に説明する。


「吸血衝動?それって確か吸血鬼族が血が飲みたくて仕方がなくなる状態のことよね」


「簡単に言うとそういうことだな」


セーラの説明でも間違ってはいない。

吸血鬼族とは生物の血を糧として生きる生物だ。

吸血鬼族は別に血でしか栄養を取ることが出来ないわけではない。

普通の食事でも栄養を取ることが出来る。

というか高位の吸血鬼であれば生きるだけならば食事どころか血すらも必要ない。

この世界の生物は魔力さえあれば生きることが出来る。

食事などで栄養をとるのは体内で魔力を作り出すためだ。

そしてそれは吸血鬼も同様だ。

ただ吸血鬼は食事よりも血の方が栄養価が高い。

つまり、食事よりも血の方が効率よく魔力を作り出せるのだ。

なので食事でも栄養をとることは出来るが基本的には血を飲む。

俺たちが飲んでも血は鉄の味しかしないが、吸血鬼には血にはしっかりとした味があり、人によってその味は違うらしい。

ちなみにだがミコ曰く、魔力が多かったり魔力の質が高かったり、シンプルに強い者の血はとても美味らしい。

なのでミコは4000年前はよく俺の血を飲んでいた。

では今回ミコが暴走した原因である吸血衝動とは何なのかということだ。

吸血衝動とは吸血鬼の本能的な行動だ。

吸血鬼はある一定期間血を飲まないと血を飲みたくて飲みたくて仕方がなくなる。

本能的なものであるため前述した血を飲む必要がないほど高位の吸血鬼であっても例外なく発生する。

そう、それはたとえミコであって例外ではない。

俺は今のミコの体は吸血鬼ではなく人間であるため血は不要だと考えていた。

というか本来は不要だったのだろう。

ただ、ミコは災禍の魔女としての力を取り戻した。

それによって今のミコは人間でありながら吸血鬼なのだ。

吸血鬼族にしか使えないはずの血属性魔法をミコが使えるのがその裏付けとなるだろう。

だがミコが災禍の魔女としての力を取り戻してからかなり経つ。

なぜ今吸血衝動を引き起こしたのだろうか?

前述したとおり吸血衝動が引き起こされる周期は一定だ。

だがそれは個体差がある。

だが、いくらミコでもそれが数年だということはないだろう。

なにせ一般的な吸血鬼が平均で週に一度、高位の吸血鬼であっても平均で月に一度なのだから。

そこから考えられる理由は一つ。

ミコは我慢していたのだろう。

吸血衝動はあくまで衝動だ。

動物の発情に似ている。

つまり、理性で抑えつけることが出来る。

恐らく今までは理性で無理やり押さえつけていたのだろう。

だが、それには限界があるだろう。

今日やった何かしらの行動がトリガーとなって吸血衝動を起こしたのだろう。

結果、血が飲みたくなって仕方がなくなったミコは暴走してしまった。


「まぁ、とりあえずこっちに何とかする。摸擬戦は引き分けだな」


「どう考えてもミコの勝でしょう。だってシンが守ってくれていなかったら私たちは死んでたし、それに今回は特に詳しいルールを決めてなかったしね」


セーラの考えにゼミル達も賛同している。


「まぁそれならいいか」


俺はそう納得して「神界」を解除した。


「ミーゼも泊まるんだろ。部屋は特に手を付けてないが、魔王城の効果で綺麗な状態ではあるはずだ」


魔王城には汚れが自動で消滅するという効果がある。

他にも魔王城にはそういった機能がたくさんあるのだ。

それがなければ魔王城は4000年間、ルミネス一人で管理することは不可能だっただろう。

結局俺とミコ以外は摸擬戦で疲れたらしく、時間ももう遅いので自分の部屋に戻った。

俺とミコは「エリアテレポート」で俺の寝室に転移したのだった。

次回、イチャイチャ回

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