第145話 ミコVSセーラ、ゼミル、ユア、ユイ、ライシュ
本日二話同時投稿。
この話は二話目です。
俺はミーゼ、ルミネス、レイメスと摸擬戦をし勝利した。
俺は気絶しているミーゼ達を「エリアテレポート」で安全なところに避難させた。
「次は私たちね」
「そうだな。審判は俺がしよう」
そう言って今度はミコたちが前に出る。
「両者構えて」
ミコ達は各々自分の武器を出していく。
そして全員が武器を出し終えて構える。
もう始めてもよさそうだな。
「はじめ」
その瞬間、ミコから大量の魔法が放たれる。
その全てが最上級魔法だ。
ミコも強くなり最上級魔法すら一瞬で大量に発動できるようになった。
「全員で協力するわよ。ライシュと私で魔法を防ぐからゼミル、ユア、ユイは近接戦で戦って」
「「「「「了解」」」」」
「刃雨」
「一気に行く「モードチェンジ:アサルトライフル」「バレットチェンジ:相殺弾」」
セーラは刃の雨を降らせ、ミコの魔法をある程度相殺する。
ライシュはアサルトライフルでひたすらに魔力弾を放ちセーラ同様魔法を相殺していく。
ライシュがチェンジした弾の「相殺弾」とは攻撃力はないが敵の放った攻撃を確実に相殺することが出来る魔力弾だ。
二人がミコの魔法を相殺している間にゼミル、ユア、ユイは「超強化」と「神速」を発動してミコに接近する。
「弱りなさい」
ミコは接近してくる三人に「パーフェクトパワーダウン」「パーフェクトスピードダウン」「パーフェクトディフェンスダウン」を含めた大量のデバフ魔法を付与した。
「すぐに解除する「バレットチェンジ:解除弾」」
ライシュはアサルトライフルをミコに接近している三人に放つ。
ライシュが「バレットチェンジ」でチェンジした弾の「解除弾」とはあたるとライシュが仲間と認識している人のデバフ魔法を含める弱体化効果のある技を解除させるという弾だ。
ただミコのデバフ魔法は強力であるため一弾で一つしか解除できない。
なのでライシュはアサルトライフルのまま三人を撃ったのだ。
ライシュによってミコのデバフ魔法は解除された。
「っち、ライシュが厄介ね」
ライシュはこの数年間勿論レベル等のシンプルな強さも強くなったが、それ以上に他人のサポートが出来るようになった。
ミコの魔法ですら解除したり、相殺したりとサポート能力で言えば俺の知る限り随一だ。
俺の前世の知人にもそう言った奴がいた。
俺はミコ達の摸擬戦を見ていてふとそれを思い出した。
ミコはサポートが面倒なライシュから潰そうとする。
「させるわけないでしょ」
するとセーラが「テレポート」でミコの近くに転移した。
そして殺魔を振るう。
ミコは吸魔で殺魔を弾いた。
だが、後ろからゼミルが死魔を振るう。
ミコはしょうがなく「テレポート」で逃げた。
「そこに逃げると思っていたわ」
だが、ミコが咄嗟に「テレポート」した場所には既にユアとユイが先回りしていた。
俺達は全員が人間不信かそれに近い物を持っている。
だからこそ気を許せる仲間には絶大な信頼と愛を向ける。
だからこそ、この数年一緒に行動してきたことによってミコの行動は二人の読まれていたのだ。
ミコが「テレポート」した先はライシュの元だった。
ミコは戦闘時、常に冷静だ。
なので常に合理的な動きをする癖がある。
基本的にはそれはミコの強みである。
だが、俺達のようにミコのことを深く知っている人間からするとその思考からミコの行動をある程度読むことができる。
勿論俺もできる。
まぁそれでもミコが強いのには変わりはないし、いくら行動が読めようともその行動に対する対処が出来なければ意味がない。
精々が「魔眼」に未来視を付与した状態の上位互換程度だがな。
そしてそれはライシュも読んでいた。
ミコはユア、ユイ、ライシュに囲まれた。
「これで決めるわよ「モードチェンジ:ショットガン」「バレットチェンジ:魂特攻弾」」
ライシュはまたもや弾を変える。
今回変えた弾は魂特攻弾といって対象の魂にダメージを与える魔力弾だ。
そしてライシュはミコに魔力弾を放つ。
「傲慢:貴様の力をよこせ」
「強欲:貴様の力をよこせ」
ユアは「傲慢」をユイは「強欲」を発動する。
二人の七つの大罪関係のスキルは、いくつか効果がある。
その1つにその罪に沿った考えや思考、願い、感情が強ければ強いほど全能力を強化する、というものがある。
そして二人は違うスキルを全く同じ考えで発動した。
どちらにも当てはまる考えだったのだ。
ユアの「傲慢」はミコという圧倒的強者にたいして上から命令することは傲慢だ。
ユイの「強欲」はミコという圧倒的強者から力を奪いたいということは強欲だ。
だからこそ二人の力はかなり強化された。
「アンチマジックエリア」
セーラが遠くから「アンチマジックエリア」を発動させてミコの魔法発動を封じる。
そしてユアとユイは同時に愛魔を振るう。
ユアとユイの愛魔とライシュの魔力弾が同時にミコに当たる。
ミコは魔法を発動させることは出来ない。
だがセーラ達は油断をしない。
ミコという存在の異常性は全員よく知っている。
だからこそ何をされてもいいように準備をするのだ。
「流星神即死刃雨」
「黒夜死霊弾」
セーラとゼミルも更に技を放って加勢する。
「黒夜死霊弾」はこの数年で使えるようになった死魔のスキルだ。
全員の攻撃が一斉にミコに直撃する。
ドカァァァァン
ミコの周囲に煙が蔓延する。
だが全員が気を緩めない。
そしてその判断は正解だった。
「あらら、くらちゃったわ」
ミコは「ウィンド」を発動させた周りの煙は飛ばした。
「何で?何で魔法が使えるの?」
セーラの疑問は当たり前のものだ。
なにせ今ミコの周りには「アンチマジックエリア」が展開されている。
魔法が使えるわけがないのだ。
「ふふ、私の最強の武器である魔法を封じる「アンチマジックエリア」をこの私が対抗策を講じないわけないじゃない」
そうだ、ミコは自分の弱点を放置しておくような性格ではない。
「何をしたのかしら?」
「私のアーツである「否定」を使ったのよ」
ミコのアーツである「否定」とはミコが指定したものを否定するというものだ。
ミコは恐らく「アンチマジックエリア」の中では魔法が使えないというものを否定したのだろう。
だが、ミコが「アンチマジックエリア」の中で使った魔法は「ウィンド」のみだ。
さすがに煙の中でも魔法を使えばセーラ達が気づかないわけがない。
「ミコはどうやって私たちの攻撃を防いだの?」
「防いでないわよ」
ミコはその絶望的な真実を告げる。
「まさか」
どうやらセーラはミコの言いたいことを分かったようだ。
「セーラ、どういうこと?私たちの攻撃を防いでないって。確かにミコはかなり高レベルだけれど私たちの攻撃を受けて無傷ということはないはずよ」
ゼミルはセーラに問う。
ユアたちもまったく同じ
セーラはその残酷な真実を告げる。
「単純なことよ。確かにミコは私たちの攻撃によって多少なりともダメージをくらったでしょう。でも、すぐに再生しているの」
「再生?」
「そう、ミコは災禍の魔女の力を取り戻した。災禍の魔女の力にはミコの吸血姫としての力も含まれている」
「そうか、吸血鬼の特徴として以上な再生能力は有名な話ね」
「それがミコほどの高位の吸血鬼ならそれはかなり高そうね。そして再生系のスキルもたくさんある。なるほど、それにミコほどの力が加われば多少の傷ならば一瞬で再生するのも納得いくわ」
「でも、そんなのどうやって勝てば?」
「ふふ、そろそろお喋りは終わりよ」
ミコは魔力を高める。
恐らく強大な魔法を使うつもりなのだろう。
全員が、警戒態勢をとる。
「赤くてグロイ、黒くて苦い、紅の血の色、吸血姫である我、ミコ・ディザスター・クリエイトブレイクが命ずる、血よ、我が力となり、敵を屠れ、血属性伝説級魔法「ディザスターブラッド」」
その瞬間、ミコの周囲に血が出現する。
「まずい」
俺はすぐさま「超強化」と「神速」、そして大量のバフ魔法を発動する。
普段抑えている魔力も完全に開放する。
そしてセーラ達をかばうようにして立つ。
「この世の絶対の理、それは創造と破滅である、我はその再現者、魔王、ゼロ・コラプス・クリエイトブレイクが命ずる、この世の理よ、我が力となれ、創、破混合属性伝説級魔法「インフィニティクリエイトブレイク」」
その瞬間、俺の周囲に黒と白の魔力が出現する。
そしてそれはミコの血とぶつかり合う。
ドガァァァァァァァン
それによって激しい爆発が起こる。
その衝撃によって神界にいる俺とミコ以外の全員が気絶してしまった。
「ミコ、どうした?あの魔法を使う必要などなかっただろう。なぜ使ったのだ?」
「あは」
俺の問いにミコは答えず、笑う。
それは酷く美しく、酷く不気味だった。
地味に今回の最後にシンとミコが使った魔法は現状の二人が一人で使える最強の魔法です。
さて、ミコちゃんはどうなってしまうのでしょうか?
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