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第144話 「魔王」VS「聖女」「魔神」「執事」

本日二話同時投稿。

この話は一話目です。

「最近摸擬戦してないな」


セーラが唐突にこんなことを言った。

今の時間は22時。

全員で豪勢な夕食を食べ終わった後だ。

ここにいる人は全員睡眠時間が必要ないのでこれから何かして遊ぼうかというところだった。


「そういえば確かに摸擬戦してなかったわね」


「あー。魔境でのレベル上げが多かったからな」


確かに最近は戦闘技能よりもレベルに重点を置いていた。

というのも一番新しく俺達の仲間に加わったライシュでさえある程度の戦闘技能を習得したというのが大きな理由だ。

やはり強くなる近道はレベルを上げることだ。

勿論戦闘技能も大事だ。

戦闘技能が上であれば自分よりもレベルの高い相手だって倒せることもあるだろう。

ただ、ある程度戦闘技能を習得した者にとっていくらそれを極めようとしても効果は薄い。

そう考えると効果の薄い戦闘技能を鍛えることよりも、はるかに簡単で分かりやすいレベル上げに重点を置いてしまっていたのだ。

だが、たまには摸擬戦もいいかもしれないな。


「それじゃあやるか。だがどうする?」


「それなら提案があるのだけれど」


俺が誰と誰を戦わせるかを決めようとしたとき、ミコから待ったの声がかかった。


「提案?」


俺はミコの提案を聞く。


「シンはここにいる私以外の七魔公と私はセーラ、ゼミル、ユア、ユイ、ライシュと」


「明らかに人数がそっちのが多いが?」


ミコ以外の七魔公というと、第三席「聖女」、第五席「魔神」、第七席「執事」の3人だ。

大してミコはセーラ、ゼミル、ユア、ユイ、ライシュの5人。

人数差的にミコに負担がかかっている。


「連携とかもあるだろうし、総合的な戦力では変わらないわ。それに「執事」はセーラと互角くらいだし、「魔神」と「聖女」に関してはセーラよりも強い。まぁ圧倒的ではないだろうけど、総合的な戦力では同じよ」


「はぁ、分かった。それでいこう。じゃあまずはこっちからやる」


「了解」


「事情は聴いての通りだ。久しぶりに摸擬戦の時間と行こうか」


そう言って俺は「神界創造」を発動した。

辺りが草原に変わる。


「それじゃあ、始めるか」


そう言って俺は普段抑えている全魔力を解放する。

辺りに魔力圧が押し寄せる。

ミーゼ、ルミネス、レイメスの3人も抑えている魔力を解放する。

中々の魔力圧だ。

まぁ、まだ俺には届かないがな。

そして三人は更に各々の武器を取り出す。


「いつでもいいわよ」


「問題ない」


「こちらもです」


「それじゃあ、審判は私がするわ」


ミコが審判に名乗り出る。


「それじゃあ、両者構えて」


三人が武器を構える。


「はじめ」


その瞬間、俺は地獄の業火に包まれた。

なるほど「インフェルノ」を無詠唱でした発動したか。

恐らくミーゼだろう。

そんなことを考えていると、俺の右側にルミネスが左側にレイメスが迫ってくる。

どちらも剣を持っている。

ルミネスはとても大きい大剣。

レイメスは吸魔ほどではないがかなり細いレイピアのような形の剣。

二つの刃が俺の首元に迫る。

だが、


「まだ甘い」


俺は「ウィンド」を発動し、強風で二人の体を吹っ飛ばした。

すると聖女が自分の武器である十字架を持って俺に迫ってくる。

それと同時に俺に向かって1000の光の槍が飛んでくる。


「キル」


俺は「キル」を発動し、光の槍を殺した。

ミーゼは十字架を持って俺に近づいてそれを振るう。

十字架というのは盾にも打撃武器にも魔法の杖にもなるそこそこ有能な武器なのだ。

そしてミーゼは昔から身体能力がかなり高い。

恐らく二人と同じように今更「ウィンド」を発動しても意味をなさないだろ。


「絶対防御結界」


俺は咄嗟に「絶対防御結界」を発動する。


パリンッ


だが次の瞬間には「絶対防御結界」は砕かれた。

そしてすぐに攻撃が迫ってくる。

何故だ?「絶対防御結界」は俺が今世で初めて作ったスキルだ。

初見で対処法を見抜かれるとは。

いや、今そんなこと考えている場合じゃないな。


「神器召喚:神龍剣神魔」


俺はすぐさま神魔を召喚し、神魔で十字架を防ぐ。


「聖光波」


するとミーゼは十字架を持っていないほうの手からビームを放ってきた。

確か聖女としての力だった気がする。


「神器召喚:魔王剣王魔」


俺は王魔も召喚し、右手に神魔を左手に王魔を持つ。


「絶対切断」


俺は「絶対切断」を発動してビームを斬った。


「「聖女」だけに構ってないで私たちにも構って」


「そうですねぇ」


その瞬間、レイメスとルミネスが俺の背後から斬りかかってきた。

ミーゼも十字架で殴ろうと接近してきている。


「昔よりも強くなっているが、まだ未熟だ」


俺は「テレポート」を発動し転移する。

更に俺は「テレポート」を発動する。

ただし対象は俺ではなくレイメスとルミネスだ。

俺は二人をはるか上空に転移させた。

これでしばらく時間は稼げるだろう。

っていうか皆昔よりかなり強くなっているな。

そろそろ俺も本気を出すか。

俺は「ドレスチェンジ」で魔王として4000年前に来ていた服に着替える。


「この姿になるのは久しぶりだが。楽しませてくれよ」


「あは、あはははは。魔王様。行きますよ」


その瞬間ミーゼは、光の球、光の矢、光の槍、ビーム。

それらが大量に俺に向かって放たれる。


「キr」


「させません」


その瞬間、聖女が「アンチマジックエリア」を発動した。

「アンチマジックエリア」は魔法の発動を阻害するものだ。

そのため俺は「キル」や「レジスト」を使えないが既に発動されている光の球やら矢やら槍やらビームやらは俺に向かって引き続き放たれている。


「なら、全て斬ればいいだけのこと「ワンサウザンドスラッシュ」」


俺は1000の斬撃を放つ。

それによってミーゼの魔法は全て相殺された。

その瞬間、ミーゼは「アンチマジックリア」を全て解除した。


「全員で行くわよ「ホーリーフルエンチャント」「パーフェクトパワーアップ」「パーフェクトスピードアップ」「パーフェクトディフェンスアップ」「ホーリーフルバッドエンチャント」「パーフェクトパワーダウン」「パーフェクトスピードダウン」「パーフェクトディフェンスダウン」」


その瞬間、「テレポート」でレイメスとルミネスが俺の背後に現れる。

「ホーリーフルエンチャント」とは聖女の固有属性である聖属性の魔法でありとても強力なバフ魔法だ。

「ホーリーフルバットエンチャント」はその逆であり強力なデバフ魔法だ。

もちろん聖女の固有魔法だ。

ミーゼは自分、レイメス、ルミネスにバフ魔法を。

逆に俺にデバフ魔法を大量にかけている。

詠唱が必要なものだけでなく、階級の低い無詠唱で使えるものもだ。

そしてバフ魔法とデバフ魔法をかけ終わった聖女も俺に接近してくる。


「さすがの俺でもここまでのデバフ魔法をくらうと少しばかりキツイな」


さすがの俺でもここまでのデバフ魔法を同時にくらうとキツイ。

ミコに本気でデバフ魔法をかけられたときと同等レベルで身体能力が低下している。

魔法の効果という意味ではミコは強力な補正がある。

勿論聖女にも魔法の効果や威力の補正はある。

が、魔法神ほどではない。

今更だがミーゼの加護は聖女ではない。

なぜなら聖女というのは称号だからだ。

ちなみにだがミーゼの加護は再生神の加護だ。

ならなぜミコの時と同等レベルで身体能力が低下しているかと言うと「ホーリーフルバットエンチャント」によるものだ。

なにせ聖女固有魔法というだけあってこの魔法はかなり強力なデバフ魔法なのだ。

そしてミーゼ達は既に攻撃が届く範囲まで俺に接近している。

今からだと何かのスキルや魔法を発動する時間も残されていない。


「なら、普通に斬るだけだ」


俺は正面から迫ってきていたミーゼの十字架に神魔と王魔で一撃ずつ合わせて二連撃を入れて退路を確保する。

そのまま俺は二本の剣を後ろに投擲する。

神魔がレイメスに、王魔がルミネスに直撃する。

二人とも何とか避けたがこれで接近までの時間は稼げた。

俺は「フライ」を発動して空を飛ぶ。

「フライ」と「テレポート」では魔法の展開速度がほんの僅かな差だが「フライ」の方が短い。

戦闘ではそのほんの僅かな差が命取りになるのだ。


「さて、そろそろ終わらせるか「神器召喚:神龍剣神魔、魔王剣王魔」


俺は投擲した二本の剣を召喚する。

そして「フライ」を解除して自由落下する。


「サンダー」


俺はレイメスの背後をとってレイメスの首筋に「サンダー」を発動して電流を流す。

それによってレイメスは気絶した。

まぁかなり魔力を込めた「サンダー」だったからな。

普通の人間なら感電死するくらいの強力な電流だった。


巨人の一撃(ジャイアントアタック)


するとルミネスが魔力でできた巨大な拳を俺に振るう。

これはルミネスの固有スキル「巨人の一撃(ジャイアントアタック)」だ。

ルミネスは俺が創った魔神なのだ。

俺はルミネスを無限に成長するように創った。

ルミネスのスキルの中に「スキル模倣」というものがある。

これは一度みたスキルを8割の力で再現することが出来るというスキルだ。

この「巨人の一撃(ジャイアントアタック)」も昔戦った魔物が使っていたスキルだ。

ルミネスは他にも成長する方法が無限にある。

なのでルミネスはこの4000年でかなり強くなったようだ。

だが、まだ俺には勝てない。


「黒鎖」


その瞬間、俺はルミネスを「黒鎖」で拘束する。

そして首筋に手刀を叩き込んで気絶させた。

ミーゼは大量の光の槍を俺に向かって放ちながらものすごい速度で近づいてくる。

そして十字架を振るってくる。

俺は神魔と王魔で十字架を受け止める。

そして十字架を弾いて俺はミーゼの腹を蹴った。


「ガハッ」


ミーゼは吹っ飛んだ。

俺は「テレポート」でミーゼの傍に転移する。


「終わりだ」


俺は神魔の柄で首筋を殴った。

それによってミーゼは気絶した。


「勝者。シン」


審判であるミコの宣言によって俺の勝利が確定した。

「魔王」対「聖女」「魔神」「執事」の戦いは俺の勝利で幕を閉じた。

まぁ、昔は「災禍」以外の七魔公対俺という構図で普通に訓練の一環として摸擬戦をしていたからな。

皆が強くなっているとはいえそれは俺も同じだ。

それに昔戦ったときと比べて三人も少ないからな。

まだまだ負ける俺ではない。

さてと、次はミコ対セーラ、ゼミル、ユア、ユイ、ライシュの戦いか。

じっくり観戦させてもらうとするかね。

七魔公一覧

第一席=「災禍」ミコ・ディザスター・クリエイトブレイク

第二席=「勇者」???

第三席=「聖女」ミーゼ・セイント・ライトダーク

第四席=???

第五席=「魔神」ルミネス・???・???

第六席=???

第七席=「執事」レイメス・???・???

現状分かっていることを整理するとこうなります。

第四席は決定していて既に登場しています。

第六席はまだ未定です。

恐らく新キャラになると思います。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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