第142話 外部入学
今日も短くてすみません。
休みではあるんですけどしばらく出先になり、スマホで執筆することになるのでもしかしたら投稿ご休みになるかいつも以上に短くなるかもです。
俺達が王立第一学園の高等部に入学した翌日。
Sクラス内では内部進学の生徒と外部入学の生徒の間に深い溝ができていた。
が、俺達には関係ない。
例え内部進学の生徒であろうとも俺達を恐れて関わってこない。
そのため、俺達はいつも俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユイ、ライシュで固まっていた。
俺達の中にクラス皆と仲良くなりたいなんて考える者はいない。
俺達は全員、人の醜さを深く知っている。
俺も皆のおかげで今は大分マシになってはいるがもともとは人間不信のようなものだ。
なのでクラス内の溝などを全く気にしていなかった。
教師てあるユアも俺たちと同じスタンスのようだ。
「そういえば、噂の勇者とやらは誰なんだ?」
俺はその噂を口にしていたセーラに聞いた。
「どうやら、まだ来ていないみたいよ。って噂をすれば何とやらね」
そう行ってセーラはドアの方を指さした。
そこには 金髪の男が教室に入ってきていた。
「あの男が教会が勇者と認定した人間よ。確か名前は、、モノルワ・リーヒット。リーヒット男爵家の次男よ」
「男爵家の次男か。ほとんど平民と変わらないな」
伯爵家以上の上級貴族の次男なら、ある程度の地位もあるが男爵家の次男など本来ならば長男のスペアでしかない。
「この時代での勇者というのはどういう存在なのだ?4000年前では人間の英雄だったが」
「おおまかにはあっているわ。ただ勇者というのは世界の守護者でいずれ復活する魔王を倒すものだと教会は言っているわ」
「魔王が悪というのが前提の話だな」
「やっぱり教会は碌なところじゃないわね」
「今更だろ、4000年前最も俺たちが戦った相手は教会だ。実際に何人もの魔王軍の兵士が死んだ」
「教会って強かったの?」
「教会の兵士事態はそこまで強くなかったがいかんせん数が多くてな。そして回復に長けたものが多かったのでかなり苦労した」
「なるほど」
「確かに教会って光属性を使える人を独占しているもんね」
教会は光属性とは神が与えた属性だと称して光属性の人を独占し、病院のようなことをしてお金を得ているのだ。
「それと、強かった者で言うと聖女がいたな」
「聖女が強い?」
「あぁ聖女は回復魔法はもちろんだが、攻撃魔法にも長けていた。ただ本人は信仰心とかゼロで俺が勧誘すれば簡単に寝返ったな」
「七魔公第三席「聖女」ミーゼ・セイント・ライトダークの話ね」
「魔王軍の幹部って勧誘された人が意外と多いのね」
「さっきも言っただろう。有能な人材を勧誘しない理由がない」
そんな会話をしていると、ユアが教室に入ってきてホームルームが始まった。
ちなみにユアはホームルームの間ずっとユイを見ていた。
勿論ユイもユアを見ていた。
まぁいつものことだ。
そして1時間目が始まる。
「さて、今日はお互いの実力を把握するために模擬戦をするわ、2人1組になって頂戴」
俺達は今、訓練場にいる。
高等部での始めての授業は実技なのだ。
実技の授業の教師はユアだ。
ちなみにだが座学の授業の教師もユアだ。
普通の教師は実技か座学のどちらか片方だけだがユアはどちらもこなす万能教師だ。
まぁその理由は片時もユイから離れたくないというものだが。
そこはまぁユアなので仕方がないだろう。
妹から片時も離れたくないお姉ちゃんは最強なのだ。
ユアは妹兼婚約者のためならば魔王だって殺すことができるだろう。
魔王は俺か。
とりあえず!ユアとユイには絶対に手を出さないでおこう。
俺はそんなことを考えるのだった。
「シン君」
すると、突然誰かに話しかけられた。
俺ほ声がした方を見る。
そこには、先程話していた勇者がいた。
俺に話しかけていたのは勇者だったのだ。
「どうしたんだ?」
「僕はシン君とペアを組みたいなって」
勇者のその言葉によって、ペア決めで騒がしかった訓練場がシーンと静かになる。
内部進学組は日々の授業や学園対抗戦で俺達の力についてはかなり詳しく知っている。
なので、俺達に勝負を挑むなんて発想がそもそも出てこないのだ。
そして外部入学組でも、俺達が子供ながら一貴族家の当主であるということは知られており、学園対抗戦を見たものだっているため俺達と関わろうとするものはいないのだ。
俺達は全員上級貴族家の当主又はその婚約者であるため、一貴族の令息令嬢が気軽に話しかけるのはかなり無礼に当たる。
が、何事にも例外はある。
教会というのはこの国でかなり強い権力を持っている。
それが認めた世界の英雄、勇者を無碍に扱うのは公爵家当主である俺でも出来ない、
「断る」
ということはない。
無碍に出来ない理由というのは教会に悪印象を持たれてしまうからだ。
最悪敵対もあり得るだろう。
だが、だから何だ?
隠してはいるが俺は教会曰く、世界の敵である魔王だし、俺は領地を持ってはいるがそこいるのは教会が悪としている魔族のみだ。
そのため、領民からの暴動とかもあり得ない。
なので俺が教会に下手に出る理由がないのだ。
「理由を聞いてもいいかな?」
「はぁ」
俺は溜息をついて、普段抑えている魔力を0.0001%程度開放する。
それだけで訓練場の至るところにひびが入る。
俺が魔力を開放したことにより、周囲に魔力圧がかかっているからだ。
俺は魔王としての力を取り戻してもよく魔境でレベル上げをしている。
もう趣味のようなものだ。
ちなみにだがミコ達も一緒にレベル上げをしているので、ミコ達も以前よりも強くなっている。
まぁ、ミコ達もこれ以上強くなる理由も特にないので恐らく俺と同じく趣味のようなものになったいるのだろう。
で、そんな俺がほんと一部とはいえ魔力を開放すればどうなるのか。
答えは簡単だ。
訓練場にはひびが入り、周りの人は俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユア、ユイ以外の全員が地面に押し付けられる。
それには勿論、勇者も含まれている。
「くっ」
「ほう、まだまだ余裕そうだな」
魔力圧に苦しんでいる勇者を見下しながら不敵に笑いながらそう告げる。
勇者は苦しそうな、そして悔しそうな表情で俺を睨みつける。
「はぁ、興が冷めた」
俺は勇者に興味を失ったのでいつも通り魔力を抑え込んだ。
「ちゃんと理由を答えてやろう。お前が弱すぎて勝負にならないからだ。勇者と認定された男がどんなものか見てやろうと思ったのだが、とんだ期待外れだった。あと、いくらお前が勇者でも俺達にはタメ口を話すのはやめた方がいい。俺達は上級貴族の当主だからな、タメ口はやめておいた方がいい。いくらこの国に不敬罪がなかろうと処罰や報復の仕方なんていくらでもあるからな。今回は見逃してやるが、いくら勇者と認定されたとしても所詮は男爵家のスペアであるということを自覚しろ」
俺がそう言うと勇者がわなわなと震える。
「ユレイズ先生、こんな行いご許されて良いのですか?訓練場を破壊し、他の生徒を巻き込み、身分関係なく皆平等である王立学園で権力を振りかざす。そんな行いが許されて良いのですか?」
何とこの勇者、先生に言いつけるを使った。
こいつ、小学生かよ。
とうのユアはというと。
「あは、あはははは」
見事に爆笑していた。
「何を笑っているのてすか?」
「いや、シンの実力を正確に認識出来ていない馬鹿が突っかかることは多々あるけど、教会から認められた勇者様も同じとはね」
「どういう意味です?」
「まぁ、見てなさい。シン、訓練場を直して」
「あぁ、すまんな「地形創造」」
俺は「地形創造」を発動して、訓練場を修復した。
「っな」
勇者は俺が一瞬で訓練場を修復したことに驚きを隠せないようだ。
「さて、これで訓練場の破壊は問題ないわね」
「ですが、周りの生徒を巻き込んでいるじゃないですか、なぜ指導しないのです?」
「確かにシンの魔力圧はかなり強力だけれど全員に問題が生じないようにかなり加減されていたわ」
「それでも、皆平等の王立学園で権力を振りかざすことは間違いです。教師として指導してください」
勇者はユアにひたすらに食いつく。
「はぁ、確かにこの王立学園は身分関係なく皆平等となっているわ」
「なら」
「でも、その後にこう続くの、実力が全てってね」
「なっ」
「そう、この学園ほ実力が全てなの。強い者が正しいの。そしてシンの強さはさっき身を持って体感したばかりてしょう」
「くっ」
ユアの言葉に反論出来ない勇者。
「まぁそもそも私がシンを指導するとか無理だし」
ユアのセリフに、勇者は唖然とする。
「それではソードロードが間違った行いをした時、どうするんですか?」
「どうにかする必要はないわ。さっきも言ったでしょこの学園では強い者が偉いの」
「それじゃあ、ソードロードがしたことが周りに被害を起こしたらどうするんですか?他の生徒が傷つくかもしれないんてすよ?」
勇者はひたすらにユアに噛みつく。
「別に他の生徒とかどうでもいいわ」
ユアの発言に絶句する勇者。
「貴女はそれでも教師か?」
「職業は教師よ」
「僕がいいたいのは考え方の問題だ。教師とは生徒を導き、助け、守る存在でしょう」
「いや私そんな志ないし、私が教師になったのはユイと一緒にいたいからだし」
「そんな私利私欲にまみれた教師がいるだなんて」
勇者が驚愕している。
周りの生徒ほ苦笑いだ。
内部進学組からすればユアの教師となった理由は割と有名な話だし、外部入学組でもユアが妹兼婚約者のユイを溺愛しているのは有名の話だからな。
とうの本人のユアは勇者に興味をなくしてユイと見つめあっていたのだった。
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