第141話 王立学園高等部
短いです。
すみません。
新作出しました。
異常者の恋愛は異常です。
作者のユーザーホームから興味のある方はお読みください。
テーマはヤンデレと共依存です。
「蓮君、これからお姉ちゃんとカフェに行くんですけど一緒に行きません?」
「蓮君、来てくれるなら奢るわよ」
「遠慮しとく。お前らくらいだよ俺に話しかけるもの好きは」
「いいじゃない。ねぇ優衣」
「そうですね。お姉ちゃん」
「まったく、まぁたまには行くか」
そう言って俺達は教室を出てカフェに向かって歩き出した。
「う、うーん」
俺の意識が覚醒する。
「さっきのは夢か」
俺はベッドから起き上がる。
ここは魔王城の自室の中だ。
「あいつらは元気にしているだろうか?」
伊誌真優亜と伊誌真優衣は前世で最も友人に近い存在だった。
前世でほとんどが俺に何かしらの悪意を持つ中二人は俺によく俺に話しかけ、遊びに誘ったりしてくれていた。
「あいつらには機会があればお礼でもしよう」
皆に協力を仰げば、異世界への転移だって俺達なら可能だろう。
もしそれが実現すれば二人には何かしらの形で恩を返そう。
当時の俺は人を誰一人として信用できていなかったためあの二人を雑に扱ってしまっていたが、ミコ達のおかげである程度人を信用できるようになった俺としては何かしらで恩を返したいのだ。
「う、うみゅ」
俺がそんなことを考えていると一緒に寝ていたミコが起きてきた。
実は俺とミコはセーラ達に魔王城の部屋を与えたあの日からずっと一緒に寝ている。
ちなみにだがセーラも寮の時のように毎日ではないがよく一緒に寝る。
今日は珍しく自分の部屋で寝たようだが。
「シン?おひゃよう」
「ミコ、おはよう」
ミコはどうやらまだ寝ぼけているようだ。
「ミコ、大好きだぞ」
俺はミコの唇に自分の唇を重ねる。
するとミコは俺の口内に舌を入れてくる。
俺とミコはお互いの舌を絡め合う。
「「ぷはっ」」
俺達はお互い名残惜し気に口を離す。
「目は覚めたか?」
「えぇ、ばっちり。最高の目覚めだわ」
「それはよかった」
そう言って俺達はもう一度キスをする。
今度は舌を入れない普通のキスだ。
時間はさっきの倍ほどだったが。
「そういえば、今日から高等部ね」
「そういえばそうだったな。新しい制服が届いていたはず」
俺たちは学園に行かなくてもいいようになっているが、たまに顔は出している。
中等部の卒業式にも出席した。
何なら卒業生総代をした。
その時に高等部の制服を貰った。
本当は中等部の卒業生でも高等部の入学試験は受けなければならないのだが俺達は全員免除された。
俺達の実力から考えて必要ないというのと、試験を行うと他の試験者の自信をそいでしまう可能性があるからだ。
本当は高等部に通う必要もないのだが、「授業も免除されるし王立学園卒業資格は取っといて損はないから通っといたら?」というレイルの話を聞いて通うことにした。
それとマーゼから「少し特殊な事情がの子が入ってきたから、案外楽しめるかもよ」と言われたのだ。
その後俺とミコは朝の支度を済ませて魔王城の食堂に移動した。
そこには既にいつものメンバーが揃っていた。
「「おはよう」」
「「「「「おはよう」」」」」
俺達は挨拶を交わして、俺は「創造」で朝食を人数分創り出した。
「それじゃあ食べようか」
「「「「「「「いただきます」」」」」」」
そして俺達は朝食を食べ始める。
全員服装はいつもの私服ではなく高等部の制服だ。
ちなみに俺を含めて俺達は全員あまり服とかを気にしないタイプだ。
なので私服はいつも同じだ。
たまに変えたりとか、コスプレしたりとかはあるが。
「今日から高等部ね」
「何でも面白い人が外部入学で来るらしいね」
「何でも勇者だとか」
「「勇者?」」
俺とミコは同時にセーラに聞き返す。
「そう、何でもとっても強くて勇者の称号を持っているだとか」
「もしかして、4000年前にも勇者っていたの?」
「あぁ、いたな」「えぇ、いたわね」
「そうなんだ。それじゃあシンが殺したの?」
「なんでだ?」
「え、だって勇者って魔王と敵対する存在でしょ」
「「あぁー」」
確かに物語とかだと勇者と魔王は敵対している場合が多いな。
俺とミコは勇者についてセーラ達に話すことにした。
「勇者っていうのは、確かに人間の英雄だ。実際に魔族を率いていた俺を討伐しにやってきた。単身でな」
「魔王に単身で挑むなんて、その勇者はそんなに強かったの?」
「かなりの実力者であることは確かだな。だが魔王城に来た勇者は俺の目の前に来た瞬間速攻で降参した」
「「「「「え?」」」」」
予想外の俺の返答に皆が素っ頓狂な声をあげる。
まぁ無理もないだろう、おとぎ話ならば勇者とは魔王相手に勇敢に戦うのが普通だからな。
魔王の前で即降参というのを聞いて驚くのも、無理はない。
「俺の元に現れた勇者は人間の英雄だったが、見知らぬ人でも助けようとする善人ではなく、勇者という称号とそれに見合った力を持っているだけの少女だった、何でもある日突然勇者な称号を獲得し、教会に己の意思関係なく勇者として認定されてしまい、とりあえず俺の元に来たらしい」
「ゼロの元に来た勇者は別に人間とかどうでもいいから、降参したらしいわ。もし倒せそうなら倒して魔王城にあるものを奪おうと思っていたのらしいけれど、見た瞬間に勝てないと悟って降参したみたい」
「その後勇者はどうなったの?殺した?」
「いえ、勧誘したわ」
「勧誘?」
「そ、魔王軍に勧誘したの」
「えぇ、そんなことしてよかったの?」
「勇者はその時城にいた私とゼロ以外の幹部全員を殺せる程度の実力があったの。勧誘しない理由がないわ」
「勧誘理由は分かったけど、結果はどうなったの?」
「魔王軍に七魔公第二席「勇者」セイ・ブレイブ・ダークナイトが誕生してわ」
「魔王軍って、どんな人材でも勧誘するのね」
「さすがにどんな人材でもっていうわけじゃない。勇者は聡明だったが、話のわからない馬鹿を勧誘はしない、どれだけ強くても馬鹿はいらないからな」
「なるほど」
「さてと、そろそろ時間だ。入学式に行くか」
そう言って俺達はミコの「エリアテレポート」で王立第一学園高等部に転移した。
数時間後
入学式は滞りなく終了した。
俺は新入生総代の挨拶をした。
考えていなかったので即興でやったが全く問題なかった。
俺達のクラスは当たり前だがSクラスだ。
俺達はSクラスの教室に入る。
大体7割が中等部からの内部進学のようだ。
俺達は中等部の頃と同じ席に座る。
明らかにその付近に生徒がいないことから考えると恐らく俺達のことを知っている内部進学組が意図的に空けていたのだろう。
「はーい、皆おはようー。Sクラス担任のユア・ユレイズよ。よろしく」
俺達の担任はユアだ。
ユアはユイと離れたくないからと高等部卒業後、王立第一学園の教師となったのだ。
ちなみに本来は新任の教師は1年間Aクラスの副担任をしなければならないのだがユアは教師になってすぐにマーゼから引き継いでSクラスの担任となった。
表向きはユアの優秀さが評価されたとなったいるが、生徒達の中ではユアが武力で学園長を脅したという噂がせれている。
なので俺達が中等部2年の時から俺達の担任はずっとユアだ。
ユイが免除されているにも関わらず中等部2年から毎日出席していることはその影響が大きいだろう(というかそれが全てだろう)。
その後ユアからの連絡を聞いて俺達は魔王城に帰った。
あと余談だが学園対抗戦については中等部2年、3年共に1年と同じ結果+ライシュがそのすぐ次という結果になった。
また、俺の見た目は魔王ゼロと全く同じとなり、ミコも災禍の魔女としての姿と全く同じとなったということをここに記しておく。
王立学園高等部編開始です。
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