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第140話 戦後処理

今日も短いです。

すみません。


ライシュがジテイ国の王族をアンデットにした。

ライシュは目標であった復讐を果たしたのだった。

そして今俺達は「神界」にいる。

ライシュには「神界」についても明かしていなかったが、最大の秘密である俺達の正体を教えたのだから何の問題もない。


「これは凄いわね」


ライシュは「神界」を見て感動しているようだ。


「そういえば、ライシュはまだ異空間系のアーツは創ってなかったな」


「あ、そういえばそうね。普通は割と最初に創るのだけれど、便利だし」


「まぁ、私たちが異空間関係のアーツについては話してなかったから」


「異空間を創り出すなんて発想、普通は不可能だもの」


「私たちはあくまでシンやミコのを真似ただけ」


「ライシュも創ってみたらどうだ?異空間関係のアーツはかなり便利だし、実際に見た今なら似たアーツを創り出すことだって容易だろう」


「そうね、やってみるわ」


ライシュは異空間系のアーツを創る。

ライシュは既にアーツをいくつか創っているためアーツを創ること自体は問題ないだろう。

それにライシュは復讐に使えるようなアーツばかり創っていたしな。

そんなことを考えている間にライシュはアーツを創り終えたようだ。

俺はライシュがアーツを使えるように「神界」を解除した。

周りは魔王城の牢屋だ。


「さすがにここは気になるな。ミコ」


「了解「エリアテレポート」」


俺の言葉を聞いてミコは俺の意図を理解し、「エリアテレポート」を発動して俺達は魔境に転移した。


「ここなら自由にアーツを使えるだろう」


「えぇ、ありがとう」


ライシュは目を閉じ「超集中」を発動した。

そして魔力を高める。


虚世界(私の世界)


周りが白くなる。

ミコの「白世界(私の世界)」とはまた違った白だ。

前世の有名人曰く白は200色あるらしいからな。


「うん、ちゃんと発動できているな」


「魔力も問題ないわね」


「空間も維持できてる」


「「ダークランス」強度も問題ないわ」


「「魔力開放」」


ユアとユイは同時に普段抑えている魔力を解放する。


「大量の魔力を浴びても問題ないわ」


「異空間も乱れていない」


「完璧だな」


ライシュの異空間系アーツ。

虚世界(私の世界)」は問題なく発動しているようだ。


「それじゃあゼミル、ユア、ユイと協力して「神界創造」を発動してみてくれ。俺、ミコ、セーラは既に一人で「神界創造」を発動できるからな」


「「「「了解」」」」


そしてゼミル、ユア、ユイが魔力を高める。

ライシュも更に魔力を高める。


「「「「神界創造」」」」


その瞬間、周りは先ほどとは別の白に包まれた。

ゼミル達は「神界創造」の発動に成功したのだ。


「成功だな」


「お疲れ様」


俺とミコは同時に4人にねぎらいの言葉をかける。

そして、


「「マナヒール」」


2人同時に「マナヒール」を発動する。

全員の魔力が普段の2倍以上になる。


「とりあえず少し休め」


その後、俺達はこの中でもっとも体力や魔力のないライシュが回復したあと「神界」で時間を止めた状態で俺達はゆっくりと休むのだった。





72時間後


「神界」の中で72時間程過ごした俺達は「神界」を解除して外に出ていた。

レイル達に事の顛末を報告するためだ。


「ミコ」


「えぇ「エリアテレポート」」


俺達はミコの「エリアテレポート」を発動して王城の執務室の目の前に転移した。


コンコン


「セーラです。ジテイ国についてことの顛末をご報告に参りました」


セーラが執務室の扉をノックする。

そしてレイルに要件を伝えた。


「入っていいよ」


セーラは扉を開けて執務室の中に入る。

それに俺達は続く。


「それでどうなったんだい?確かライシュ王女の復讐をするって言ってたけど」


「先ほど終了しました。つきましてはその結果のご報告に参りました」


「なるほど」


「単刀直入に申し上げますと、ライシュによってジテイ国は滅ぼされました」


「滅ぼした。か、まぁシン君達に訓練をしてもらったのなら不思議じゃないか。滅ぼされたってどんな感じ?国王を殺したのかな?」


「いえ、まずライシュはジテイ国内にいた全ての人を平民、貴族関係なく殺しました。その後、王城に入り中に残っていた貴族を始末し、王族は拘束して魔王城で気が済むまで殺りまくってました」


「はは、国民が全滅ってわけね」


「そうなります」


「レイル国王陛下。発言の許可を」


「勿論いいよ」


「ジテイ国の王族は全て私が始末しました。私は最後のジテイ国民であり最後のジテイ国の王族です。つまり、自動的に私はジテイ国のあるあの地域の女王となりました」


確かに王族がライシュ以外全員死んでいるのだからそうなるのが自然だろう。

最早国民すらいないが。


「そうだね。それについては僕が口をだす問題じゃない」


「ですが、私はナイト王国に保護された恩があります。そのため私はセーラ王女の軍門に下ります」


「ナイト王国に、ではなくセーラにね」


「はい」


「つまり、ナイト王国があった地域をセーラの物としてほしいわけだ」


「はい、私はセーラ王女に従う所存です」


「分かったいいよ。後で貴族たちの前で色々するから覚悟しておいてね」


「承知しました」


これから戦後処理が忙しくなりそうだが、何とかなりそうだ。

俺はのんきにそんなことを考えていたのだった。


「それと、明日褒賞をするから。皆王城に来てね」


「褒賞?誰の?」


セーラが俺達を代表してレイルに質問する。


「シン君とミコちゃんのだよ。君たち、一軍を殲滅したでしょ」


「「あ」」


そう言えば完全に忘れていた。

魔王軍では七魔公が敵軍を壊滅させるなんてよくあることだったからな。

勿論褒美は与えていたが、褒賞というほど大々的な事はしなかったな。


「こっちから伝えることはそれくらいかな?後は何かあるかい?」


「レイル陛下、一つお願いがあります」


「お願い?なんですライシュ女王陛下」


「私を王立第一学園に編入するご許可を頂きたいのです」


「王立学園に?」


「はい、私はこれからセーラ殿下に付き従う所存ですので基本的には行動を共にしていたいのです」


「なるほどね。いいよこっちから連絡しておく。ただ編入試験は受けてもらうよ。まぁ問題ないと思うけれど」


「はい、問題ありません。よろしくお願いします」


「うん、任せておいて。編入試験の日時とかが決まったらまた連絡するよ」


「それでは失礼します」


俺達はレイルに頭を下げて執務室を出た。


「皆、少し付き合ってほしいところがあるんだが」


「どうしたの?勿論いいけど」


「それじゃあ、少しだけ付き合ってくれ」


俺達はそのままミコの「エリアテレポート」で魔王城に転移した。


「魔王城?ここで何するの?」


「いや、魔王城内の部屋をセーラ達にあげようと思ってな」


「なんで?」


「なんでってセーラ以外は今皆寮暮らしだろ。ライシュは王城暮らしだったか。まぁとにかく寮だと落ち着かないこともあるだろうから部屋をあげようと思ってな。幸い、この城には部屋が大量に余っているからな好きな部屋を選んでくれ」


「いいの?」


「あぁ、ぶっちゃけ魔王城をもっとしっかりと活用したいと思っていたんだ。とりあえずは皆の部屋をと思ってな。それと魔王城の設備と魔王城の中にあるものは好きに使ってくれていい」


「嬉しいし助かるけど、豪華すぎない?それに魔王城の宝物庫なんて貴重品のオンパレードでしょうに」


「魔王である俺がいいと言っているんだ。問題ないさ。それに俺は大抵の物はいくらでも「創造」で創ることが出来るからな。まったく問題ない」


「そう。なら頂くわ」


そう言ってセーラ達は各々動き出した。

ちなみに俺とミコの部屋は最上階にあり隣同士だ。

俺の部屋の右隣がミコだ。

そして結局、セーラは俺の左隣の部屋。

ゼミルはセーラの左隣の部屋。

ライシュはミコの右隣の部屋。

ユアとユイは俺の正面の部屋で、二人で一部屋だ。

何でもどうせずっと一緒にいるのだからわざわざ二部屋貰う必要がない。

どっちかは使わなくなるとのことだ。

こうして魔王城に皆の部屋が出来たのだった。





夜中


コンコン


俺が魔王城の自室でゆっくりと過ごしているとドアがノックされた。


「入っていいぞ」


俺は入室の許可を出す。

魔力で誰が来たかはわかっていたのだ。


「失礼するわ」


そうしてその人物が入ってくる。

俺の部屋を訪ねた人物はミコだった。


「どうしたんだ?」


「、、、、、、、」


ミコは無言で俺に近づいてくる。

そして、俺を抱きしめた。

俺はすぐに抱きしめ返す。

すると俺はミコに押し倒されてしまった。


「シン、ちょっとこうさせて」


「あぁ」


俺はミコにそう言ってミコを更に強く抱きしめる。


お兄ちゃん(・・・・・)ここ数日、ずっとライシュばかり見てるんだもん」


お兄ちゃん、そう呼ばれたのは久しぶりだ。


「ミコ、ごめんな。大丈夫、俺は君から離れられない」


「うん。そうだよね、お兄ちゃんは私から離れられない。私もお兄ちゃんから離れられない」


俺達はお互いを見つめ合ってキスをする。


「おやすみ、いい夢を」


「お兄ちゃんの夢を見る。お兄ちゃんも私の夢を見てね。おやすみ」


そう言って俺とミコは眠ったのだった。





翌日


俺達は王城に来ていた。

何でも褒賞があるそうだ。

そして俺とミコは今、謁見の間でレイルに向かって跪いている。

その横にライシュが立っている。

ちなみに周りには以前の褒賞の時と同じように大量の貴族たちがいる。


「皆も既に聞いているだろうが、先日我が国に宣戦布告をしてきたジテイ国が滅ぼされた。ジテイ国を滅ぼしたのはそこにいるライシュ・ジテイ女王だ。ジテイ国の王族がライシュ殿下以外全員死んだため

ライシュ殿下が女王となった。そしてライシュ殿下は既に戦争の意思はなく、セーラの軍門に下るとのことだ。それによってジテイ国の領土全土をセーラの領土とすることにした」


レイルのこの発言によって周りの貴族にざわめきが走るがすぐに落ち着いた。


「それによってライシュ女王はこの国の民となった。よってライシュ殿には公爵位を与える。家名をクインとする」


ライシュはレイルから公爵の証となる短剣を受け取る。


「有難き幸せ」


パチパチパチパチ


周りの貴族からは拍手が送られた。


「次に今回の戦争の功労者の二人だ。まずはソードロード辺境伯からだね。ソードロード辺境伯は一人で戦争に赴き一軍を全滅させた。よって公爵位を与える」


「有難き幸せ」


俺もレイルから公爵の証となる短剣を受け取る。


パチパチパチパチ


貴族たちは不満に思いながらも拍手を送った。


「次にマジクロード辺境伯だ。マジクロード辺境伯もソードロード公爵同様一人で戦場に赴き一軍を滅ぼした。よって公爵位を与える」


「有難き幸せ」


ミコもレイルから公爵の証となる短剣を受け取る。


パチパチパチパチ


俺動揺貴族たちは不満に思いながらもミコに拍手を送った。


「以上で褒賞を終了とする」


そう言って褒賞は終わった。

ちなみにだが、その日の夜は記念として魔王城でみんなでパーティーをしたのだった。

余談だがその日の夜は久しぶりにミコと「魔力循環」を行った。

次話から新しい章になる予定です。

時間が飛びますが、そろそろシン達を高等部に入学させたいと思います。

お楽しみに。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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