第135話 ライシュの武器
ここ2日投稿できまなくてすみませんでした。
その分を取り返すために近々同時投稿をすると思います。
今日も短めですが、少し私生活が落ち着いたので投稿しました。
これからもよろしくお願いします。
ミコがライシュに魔法の知識を与えた。
これだけでもライシュは相当強くなったし、復讐だって可能かもしれない。
だが、俺達は復讐するなら徹底的に叩き潰す方がいいことを知っている。
それに、俺達はライシュの境遇に同情しているのではなく親近感を感じているのだ。
だからこそ、俺たちはライシュと出会ってまだまもないが死んでほしくないと思うくらいにはライシュを気に入っていた。
だから俺達はライシュにもっと強くなってもらう予定だ。
その一つとして俺が武器を創る。
「なぁ、ライシュ。今まで武器は何を使っていんだ?」
俺の創る武器は専用の武器だ。
なので、その人にあった武器を創ることにしている。
基本は剣が多いが。
俺はいわずもがな。
ミコは近接戦は基本的にしないので、俺が魔王時代に教えた剣にした。
セーラは自分が一番馴染んだというナイフにした。
ゼミルは加護の影響もあってか鎌が得意だったため鎌にした。
ユアとユイはユアの加護が元々魔剣士だったことから剣にした。
こんな風に俺はその人にあった武器を創っているのだ。
だが俺はライシュが得意な武器は知らないし。
なんならライシュが戦っているところを見たことすらない。
戦っているところを見ればゼミルの時のようにある程度の予測は出来るんだがな。
なので俺は直接本人に聞くことにした。
わざわざ遠慮する必要もないしな。
「そうね、私は近接戦もできるけれど基本的には軍の指揮をすることが多かったから遠距で攻撃出来る弓を使う機会が多かったわね」
「魔法があるのにか?」
「勿論魔法も使っていたけれど、その頃の私はシン達が使えるような広範囲な魔法は知らなかったのよ。対個人の一撃が強力な魔法とかは知ってたけどね。それも結局ミコに教えてもらった広範囲の魔法よりも威力は弱そうだけど」
「なるほどな。だが面白いかもしれないな今まで俺は魔法があるから遠距離系の武器は創ってこなかったが、この機会に創ってみるか」
そう思い俺は強力な弓をイメージする。
だがあまりイメージが固まらない。
恐らく、俺の中で弓よりも銃の方が強いという印象、というか先入観があるのだろう。
そして俺は弓に関しては前世で少しだけ弓道をしたくらい記憶しかない。
それに対して銃はある事情からよく触れていた。
よし、ライシュには一旦銃を試してもらおう。
俺は中途半端な弓を創るのではなく、満足のいくものが出来る銃を一度試してもらおうと考えた。
そして俺は強力な銃を創り出した。
個人的に、かなり満足のいくものとなった。
創った銃は二丁。
見た目は黒と白だ。
「ライシュ、これを使ってみてくれないか?」
俺はライシュに二丁の銃を渡す。
「何なのこれ?」
「遠い地の武器でな。弓よりもはるかに強力な遠距離武器だ」
「何それ?」
「面白そうね」
俺がライシュに銃を渡すとそれに興味を持ったミコたちが近寄ってきた。
俺は前世に関係する話をライシュに聴かせるわけにはいかないので俺は「念話」を発動した。
(これは、俺の前世にあった武器でな。弓よりも強力な遠距離武器だ。ただ、この世界にそのまま創り出しても魔法よりも弱いから俺なりに改良を施しているけどな)
(面白いわね。楽しみにしているわ)
ミコのその言葉を聞いて俺は「念話」を切った。
そしてライシュに銃をの解説を再開する。
「この武器はここ、引き金っていうんだがここを押すとこの部分から魔力弾が出るっていう仕組みだ。実際にやってみてくれ」
「分かったわ」
俺は指を指したりして場所を示しながらライシュに銃の使い方を説明した。
するとライシュは使い方を理解したようでそこらへんにある太めの木に銃口を向ける。
そしてライシュは引き金を引く。
パンッ
銃口から魔力弾が放たれる。
その魔力弾はまっすぐに木に向かって物凄い速度で飛んでいき、太い木に風穴を開けた。
それも魔力弾よりもかなり大きな穴だった。
ライシュはその威力に呆然としている。
そりゃ、いくら強力な弓でもここまでの威力は出なかっただろうな。
「つ、強すぎないかしら?」
「確かに弓と比べれば強いだろうが、その武器の本領はまだまだだ。その武器に魔力を込めてから引き金を引いてくれ」
「えぇ、分かったわ」
ライシュは俺の指示通りに銃に魔力を込める。
そしてさっきとはまた別の木に向かって銃口を向けて引き金を引く。
ドパンッ
先ほどよりも大きい魔力弾が気に向かって飛んでいく。
そして、木に当たりその木は折れてしまった。
明らかに威力が上がっていることが分かる。
「つ、強すぎないかしら?そもそも魔力を込めただけでここまで変わるなんて。私、そこまで魔力を込めていないのだけれど」
ライシュは俺を見ながら疑問を投げかける。
他の皆も知りたそうだ。
「その銃は元々魔力を使っている。魔力弾を打ち出すんだから当然だよな。ならその魔力をどこから来ているんだ?2発目はライシュが魔力を込めたが1発目は込めていなかっただろ」
俺の問いに皆は考える。
「あらかじめシンが魔力を入れておいたとか?」
セーラが俺の問いに回答する。
「違うな」
だがセーラの答えは不正解だ。
見たところミコは分かっているようだな。
そこからしばらく考えていたが、答えは出なかった。
「そろそろ時間切れだな。ミコ、答えてみてくれ」
「自然魔力ね」
「正解だ」
そう、この銃には自然魔力を吸収する働きを付けておいた。
「この銃には自然魔力を常時吸収する効果と、込めた魔力を増幅させる効果を付けてある」
「つまり、魔力を込めれば込めるほど威力は高まるってことね」
「そういうことだ。魔法やスキルと同じで魔力を大量に使えば効果は高まる。ただ魔法やスキルよりも連射性やら威力の調整やら魔力の消費効率やらはとてもいい」
「なるほど、こんないいものをいいのかしら?」
「俺ならいつでもどこでも好きなだけ創れるからな。好きに使え」
「ありがとう」
「それと、俺達の武器もそうなんだが使えば使うほど強くなる。だからたくさん使ってくれ」
「分かった。ねぇ、これ「鑑定」してもいい?」
「構わないぞ。俺たちもしてもいいか?」
「勿論」
そしてライシュは「鑑定」を。
俺達は「超鑑定」を発動した。
結果はこうだった。
名前:軍武銃異魔
レベル:1
種類:神銃
加護:武神の加護、軍神の加護
スキル:魔力弾、自然魔力吸収、魔力増幅、召喚、念話、神力撃、魔力撃、魔法撃ち、変化
適正属性:火、水、風、土、雷、光、闇、知、戦
所持者:ライシュ・ジテイ(変更不可)
破壊不能
うん、十分満足の出来るものだ。
俺はいくつかのスキルの詳細を説明した。
そしてライシュが実際に魔物相手に使いたいと言ってきたので、今俺達は手ごろな魔物を「サーチ」で探していた。
「猪が来るな。ちょうどいい、試してみてくれ」
俺達は「サーチ」で見つけたこっちに来ている猪を見つけた。
そして遠いところから猪が見えたその瞬間。
パンッ
ライシュが魔力弾を放った。
魔力弾は猪の頭を吹き飛ばした。
今の威力的に魔力は込めなかったようだ。
それでこの威力、俺は結構銃を気に入っていた。
そこから魔物を探しながら魔境の奥へと進んでいき、遭遇した魔物は視界に入り次第ライシュが発砲して一撃で仕留めた。
唯一一匹の獅子の魔物は強く、魔力を少しだけ込めていたがこれだけでもかなり強くなっただろう。
残りはスキルの統合進化とアーツづくりだな。
俺はそんなことを考えながら魔物を淡々と狩るライシュの姿を眺めていたのであった。
ちなみに銃は自分用にも二丁創ったことをここに記しておく。
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