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第132話 本命

今日も短いです。

すみません。

レイル達に暗殺者を引き渡した後、俺達は魔境に来ていた。

セーラ達が俺とミコにちょっとでも追いつきたいと言ったのだ。

俺とミコは以前の力を取り戻したことによってかなりレベルが上がったからな。

俺たちは今まで通り魔境の奥の方にミコの「エリアテレポート」で移動して狩りをしているのだ。

そして更に奥に奥にと進んでいく。

魔境は奥に行けば奥に行くほど出現する魔物が強くなるからだ。

強い魔物の方がレベルが上がりやすいからな。

無論、俺達も昔のアーツを再現して使ったりと何もしていないわけじゃない。

すると突然、レイルさんに渡していた「念話」を使うことのできる魔道具から連絡があった。

またもや軍が攻めてきたそうだ。

俺はすぐに全員にそのことを共有した。

そして全員が各々「テレポート」で以前と同じように会議室に転移したのだった。

そこには以前と同様に既に家臣たちが集まっていた。

だが、明らかに恐れられていた。


「レイルさん。ジテイ国がまた攻めてきたと聞きましたが詳しい情報を共有してもらってもいいですか?」


俺はレイルさんに詳しい情報を聞く。


「あぁ、実はシン君が捕まえてくれた王子に聞いたところ、王子たちの軍は囮で次に来る軍が本命だったらしいんだ。その軍はジテイ国の第二王女が指揮をしているらしい。王子の話によると第二王女は軍神の加護を持っていて戦争においてかなり強いらしい」


「なるほど。位置は?」


「まだ分からない。ただ、王子の話によると今日がその軍が動き出す日らしいんだ。だから君たちを呼んだんだよ」


「事情は理解しました。その王子の話の信ぴょう性は?」


「かなり高いね。一国の王子に嘘の戦略を教える可能性はかなり低い」


レイルの話を聞いた瞬間、勢いよく会議室のドアが開いた。


「急報、ジテイ国の軍20万が現在ナイト王国に進軍しているとのことです」


「20万だと。この前の倍じゃないか」


「ミコ」


俺はミコの名前を呼ぶ。


「もう感知したわ」


「そうか。それじゃあ十分に気を付けるんだぞ」


「分かっているわ。それじゃ、すぐに戻るわ」


「あぁ」


そう言ってミコは「テレポート」で敵軍の元に転移していった。


「シン君。数はこの前の倍だよ。ミコちゃんだけで大丈夫?」


ミリーが心配そうに俺に問う。


「問題ないですよ。ミコが負けるとすればそれは俺くらいだ」


「でも、シンにしては珍しくミコのことを心配していたよだけど」


確かにミコはかなり強いので俺がミコを心配するということは滅多にない。


「俺が気をつけろといったのは、軍神の加護をもつ王女を殺すなよっていう意味だ。ミコの場合攻撃によっては蘇生が不可能になる場合があるからな」


「そういうこと」


シンとセーラの会話を聞いていた家臣たちは絶句した。

シンとミコの仲の良さは以前の会議で聞いていたが、戦争に行っても心配しないほど信用しているとは思っていなかったのだ。

俺は不敵に笑う。


「さぁ、ミコの蹂躙劇が始まるぞ」


俺は「創造」で創ったモニターと鳥を「ストレージ」から取り出して、鳥を「テレポート」でミコの元へ転移させた。





ミコ視点


「さてと、どうしましょうかね」


私は「フライ」で空を飛び、上空から敵軍の様子を見ていた。


「とりあえず、逃げられないようにしましょうか「ブラッドバリア」」


私は血の結界を展開する。

血の結界の範囲は敵軍をぐるっと囲むように展開した。

これで敵軍は逃げられない。

あとは適当に広範囲攻撃魔法を使っておけば勝てるだろう。

だが、軍神の加護を持つという王女は捕まえなければならない。


「とりあえず、出てもらうか」


私は高度を下げて、敵軍が視認できるくらいの高さに調整する。


「何者?」


すると綺麗なドレスを着たいかにもお姫様と言った様子の女が私に話しかけてきた。


「貴方が、軍神の加護を持つジテイ国の王女であっているかしら?」


「そうよと言ったら?」


「貴女は捕まえるわ。他は皆殺し」


「舐められたものね。貴女、何者?」


「殿下、このような怪しい者さっさと殺してしまいましょう」


すると王女の側近と思指揮少年が私を殺すことを王女に提案する。


「やめなさい。この場にいる全員、あの女を攻撃してはならないわ」


だが、王女はすぐにそれを辞めさせる。


「何故ですか?」


側近の男が不思議そうに王女に問う。


「あの女が私よりもはるかに強いからよ」


「そんな馬鹿な。あの女からは大した力を感じません」


「それは貴方が未熟なだけよ。とにかくアレに手を出せば死は確実よ」


「ふふ、私の力を見抜くなんて見どころがあるじゃない」


王女と側近の会話を聞いて私は笑う。

そして普段抑えている魔力の一部を解放する。

その瞬間、王女以外のほぼ全員が倒れた。

数人は膝をつく程度で済んでいるものもいるが。


「予想以上ね」


王女は明らかに私への警戒心を上げる。


「ふふ、そんなに警戒しなくてもいいわ。貴女は殺さないから。それで私の名前だったわね。私の名前はマジクロード侯爵家当主。ミコ・マジクロードよ」


「ミコ・マジクロード。学園対抗戦で圧倒的な力を見せた。第一王女の護衛騎士ね」


「正解」


「はぁ、降伏するわ。これだけの力の差を見せつけられて戦う気はないわ」


「生憎と、それを受けるつもりはないの。とりあえずこっちに着なさい「サイコキネシス」」


私は「サイコキネシス」を発動し、王女を強引に引き寄せる。

王女は抵抗する様子もなくおとなしく私の方に引き寄せられる。


「さてと、それじゃあ後はいらないわね。「ブラッドランスレイン」」


私は血の槍の雨を降らせる。

そして「エリアテレポート」である場所に転移させる。


「それじゃあ、貴女には捕虜となってもらうわ」


「分かった」


「貴女は従順だし、酷い目には合わさないわ」


そう言って私は「エリアテレポート」で会議室に戻ったのだった。





シン視点


会議室はとても静かだった。

恐らく俺が虐殺を行っていた時もこんな感じだったのだろう。


「そろそろミコが帰ってくるな」


「そうね。にしてもさすがの一言ね」


「ただいまー」


俺とセーラが話していると、ミコと捕虜となった王女が「エリアテレポート」で会議室に帰ってきた。


「お帰り。お疲れ様」


「この程度で私が疲れないことくらい知ってるでしょ」


「それでもだよ。無言は寂しいだろ」


「それもそうね」


俺たちはお互い笑顔で笑い合う。

そしてミコはレイルの方を向く。


「レイルさん。この王女を任せていいですか?」


「あぁ。さすがの一言だったよ。ただ、拘束していないようだけれど大丈夫かい?」


「問題ないですよ。ね」


ミコはそう言いながら王女を見る。


「勿論。こんなところで何かしたら殺されるだろうからそんなことはしないけど、私が暴れる可能性は考慮しなかったのかしら?」


「えぇ。だってあなたにとってこの状況は望んでいたものだもの」


「心でも読んだのかしら?」


「私たちなら心を読むことだってできるけれど、今回は違うわ。貴方の目を見れば分かるわよ。貴方は復讐者の目をしているもの。そして極めつけはその紋章」


ミコの言葉に俺たち以外は困惑する。

王女に紋章なんてないからだ。


「はぁ、実をいうと私ってジテイ国内ではかなり酷い扱いを受けているの。さすがに見せることは出来ないけれど胸に奴隷紋がつけられているわ」


王女の告白にレイル達は思わず固まってしまう。

一国の王女を奴隷紋で縛るなんてことは普通はありえないことだからだ。

だが、強大な力を持つ者が奴隷紋で強制的に従属させられるという話は特別珍しいものではないため、レイル達はすぐに冷静さを取り戻す。

それでもジテイ国にかなり怒りを感じているようだが。


「とりあえず、その奴隷紋は後で解除してあげるわ」


「いいの?」


「勿論よ」


「ありがとう。それじゃあとりあえず私が知っている情報を全て話すわ」


そう言って王女は己の知るジテイ国の全ての情報をレイル達に話した。

ちなみにレイル達は王女を保護することを決めた。

そして俺達と一緒に生活することになった。

神族系の加護を一か所に固めておきたいのだろう。

俺達は了承した。

一応は監視という名目だがそんなものはどうにでもなる。

俺達の仲間がまた1人増えるのだった。

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