第127話 異常個体
総合評価250pありがとうございます。
近々、番外編を出します。
本日、少し短めです。
普段とはちょっと違った注意書きです。
物語の中に核爆弾が出てきます。
この小説は決して核爆弾等の使用を推奨するものではありません。
誤解なさらないようにお願いいたします。
俺とミコが異常に強いエルダーリッチを倒した翌日、俺たちはセーラ達を集めて昨日のエルダーリッチの話をした。
俺たちはここ最近、集まって魔境で狩りをしているからな。
情報の共有はしておくべきだろう。
「私もエルダーリッチじゃなかったけれど、明らかに異常な強さのキングオーガに出会ったわね。ただ、知能がなかったわ。それでもそこそこてこずったわ」
どうやらセーラも異常に強い魔物と交戦していたらしい。
魔物はオーガキングだったらしいが。
オーガキングとは以前のイレギュラーダンジョンスタンピードのダンジョン管理人のオーガクウィーンのオスバージョンだ。
強さは基本的にニオよりも弱い。
なにせ、ダンジョン管理人というのは魔境の魔物ほどではないにしても強化されるからだ。
「私も昨日、異常な強さの魔物に出会ったわ。私はキングベアだったわね。単純な身体能力が尋常じゃなかったわ」
ゼミルも異常に強い魔物に出会ったらしい。
キングベアも一般的には強い魔物だが、俺たちからすればただの雑魚だ。
だが、それがゼミルにそこまで言わせるとなるとやはり異常個体は自然発生とは考えにくいな。
「私たちも出会ったわ。オークキングとオーククウィーンよ。腕力が異常に強かったわ」
ユアとユイも異常な強さの魔物に出会ったらしい。
ここまで数がいるとなると自然発生とは考えにくいな。
「とりあえず今日は全員でまとまって行動しよう。何かあった時に全員でいた方が対処がしやすいし、ここには足手まといになるような弱者もいないだろう?」
俺はあえてセーラ達を挑発するような口調で言う。
するとセーラもゼミルもユアもユイも好戦的な笑みを浮かべた。
「「「「勿論」」」」
ということで今日は固まって狩りをすることにした。
「とりあえず、異常個体と思しき魔物を発見したらすぐに報告してくれ。何かあった時では遅いしすぐに潰しておこう」
「そうね。幸い私たちが全員揃っていればどうとでもなるわ」
ということで俺たちはミコによって機能エルダーリッチと戦った場所まで「テレポート」で転移した。
「うわ地面が酷い」
「ここら辺だけ明らかに自然が破壊されているわね」
「さすがは最強と謡われた二人組ね」
「本当に勝てる気がしない」
「お前たちならいつかは俺たちに並ぶさ」
「それでも私たちだって簡単に負けるつもりはないわ」
「ふふ、望むことね」
「いつかやってやるわ」
「ユア、がんばろ」
「そうね」
「なら、もし俺かミコに一度でも勝利すれば俺たちが叶えられる範囲で願いを叶えてやる」
「「魔王」と「災禍」の言葉に二言はないわ。どうしても叶えたい願いがあるのなら私たちに打ち勝ってみなさい。っていっても本当に困ってたことがあったならそんなこと気にしないけどね」
俺とミコの言葉にセーラ達は更にやる気を見せた。
そんな感じで俺たちは雑談をしながら魔境を進んでいく。
ここら辺にいる程度の魔物は基本的に俺たちには近づいてこない。
なぜなら今の俺たちは魔力を制御していない。
それによってかなりの魔力圧が周囲に放たれている。
それはセーラ達も同様だ。
ということで今俺たちの周りの魔力圧はすごいことになっている。
勿論俺たちの中にこの程度の魔力圧で怯えるような弱者はいない。
すると全員が同時に足を止める。
魔物の気配を感じたからだ。
「数が多いわね」
「数万はいるっぽいな」
「そしてそのすべてが異常個体ね。明らかに魔力がおかしいわ」
「これは早めに倒しておかないとまずいことになりそうだな」
「そうね。さっさと倒してしまいましょ」
「俺、ミコは一人で飛び回ってとにかく倒していく。残りは二人行動だ。セーラとゼミル、ユアとユイで行動してくれ」
「「「「「「了解」」」」」」
「それじゃあ行くぞ」
そういって俺たちは移動する。
魔物の内訳だけで言えば大しておかしくないここら辺に生息している魔物たちだ。
だが、明らかに普段より強い。
「ワンハンドレットスラッシュ」
俺は1000の斬撃を放つ。
魔物たちは各々防御したり、避けたり、迎撃したりと対処を行う。
が、魔王としての力を取り戻した俺の「スラッシュ」を防ぐことなんて不可能だったようで数百体消えた。
そして復活する様子もない。
恐らく昨日のエルダーリッチ程の強さの魔物はそこまでいないようだ。
「ブラッドスピア」
ミコは「ブラッドスピア」を発動する。
昨日のエルダーリッチは血がなかったため基本的に対象の血を使用する「ブラッドスピア」は使っていなかったが今回は普通に敵に血が流れているため「ブラッドスピア」を使ったようだ。
「流星刃」
「吸魔斬」
セーラとゼミルはひたすらにスキルやアーツを放ち続けているようだ。
(皆、聞こえる?)
すると突然、ユアからの「念話」が届いた。
(聞こえるが、どうした?)
俺はすぐに「念話」で返す。
(ユイが洗脳属性の魔法を使おうとして分かったのだけれど、あの魔物たちは既に何者かに洗脳されていえるようよ。知能がないのはそのための可能性が高そう)
(なるほどな。了解した。引き続き何か分かったら教えてくれ)
(了解)
そう言ってユアからの「念話」が途切れた。
洗脳か、これまた厄介だな。
とりあえずやることは変わらない。
俺たちがやることは敵を殺すことだ。
だが、これで裏で誰か黒幕がいることは分かった。
その黒幕を殺さなければ、解決とはいかないな。
「ミコ、お前は黒幕を探してくれ。ここは俺が受け持つ」
俺は少し遠くにいるミコに指示を出す。
ミコも黒幕の存在には気づいていたようで、頷いてすぐに「フライ」で上昇して周りに「血界」を発動した。
今のミコなら「再誕」を使わなくても「血界」などのスキルが使える。
ミコの周りに血の防壁が出来上がる。
ミコは魔物の魔力を観察する。
洗脳された生物というのは洗脳を施した生物の魔力が体内に入っている。
ミコはそれを見て「サーチ」で探すのだろう。
黒幕の特定はミコに任せて俺は魔物の対処をするとしよう。
俺も「フライ」で空を飛ぶ。
「そういえば、昔使っていたアーツは消失していまっているんだったな。まぁ創りなおせばいいか」
どうやら俺は転生の際に魔王ゼロ時代に創ったアーツの全てを失ったらしい。
なので俺はすぐにアーツを創りなおす。
「王の剣」
その瞬間、俺の周りにたくさんの剣が現れる。
そしてそれらの全てが魔物の心臓を一寸の狂いもなく仕留めた。
久しぶりに使った「アーツ」だが昔よりも強くなっているようで安心したよ。
だが、せっかくだから俺は転生者の特権を活かさせてもらおう。
俺は「創造」で核爆弾を創り出す。
周りは全て「絶対防御結界」を展開した。
ちなみに結界内には大量の魔物と俺以外誰もいない。
俺は核爆弾を起動して投げ捨てた。
そして核爆弾は爆発し、結界内にいた全ての魔物を殺した。
いくら異常に強くても現代最強の兵器には勝てなかったようだ。
ちなみに俺は防御手段を使っていない。
核爆弾程度の威力では俺に傷をつけることはできない。
俺は「キル」で放射線やらなんやらの有害物質を殺す。
「あとは地形か」
俺の周りは今酷いことになっている。
元々魔物が大量にいたので酷いありさまだったが核爆弾によりかなり酷いことになっている。
だが俺は事前に「絶対防御結界」を発動しておいたので「絶対防御結界」の結界外は無事だ。
有害物質は殺したがそれでも結界内は酷いありさまだった。
俺は「地形創造」を使い、地形を治したのだった。
(シン、こっちは終わったわ)
(こっちも終わったわよ)
セーラとユアから「念話」で魔物が片付いたとの連絡が飛んできた。
(了解。俺の元に一度集まってもらってもいいか?)
((了解))
そう言って俺たちは集まった。
「ごめんなさい。少し手間取ったわ」
するとミコも降りてきた。
「ミコ、それで黒幕は?」
「「サーチ」で探知したからとりあえずそこに転移しましょ」
「了解した。セーラ達はどうする?」
「「「「行く」」」」
セーラ達も来るとのことなのでミコは「エリアテレポート」を使った。
「ひっ、化け物が」
そこにはローブを被った男が突然現れた俺たちを見てしりもちをついた。
「「超鑑定」で鑑定したわ。この男の加護は調教師の加護。スキルに洗脳ってあるから間違いなくこいつね」
「何故魔境の魔物を強化したんだ?」
「お、お前たちにいう必要はない」
「なら殺すぞ」
「子供が。やれるもんならやってみやがれ」
「はぁ」
俺はミコの方を見る。
ミコは頷いた。
「なら、死ね」
俺は手で男の体を貫いて魂を破壊した。
「男は苦しみながら消えていった」
「結局目的は分からなかったが、とりあえずこれで大丈夫だろう」
俺たちは完全に納得したとは言えないものの、とりあえず黒幕を殺したのでそれに満足することにして学園の寮に帰ったのだった。
シンが現代兵器を使ったのは初期のミコとの摸擬戦くらいでしょうか?
シンが現代兵器をあまり使わないのはシンプルに弱いからです。
シン達の世界には現代兵器よりもはるかに簡単で威力が高い魔法があるのでシンは現代兵器を使いません。
今回はそれを説明するためという意味でもシンに核爆弾を使ってもらいました。
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