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第122話 魔王城

本日二話同時投稿。

この話は二話目です。

今回短めです。

俺たちは今、魔王城の目の前に来ている。


「さてと、とりあえず正門に移動しましょうか」


「そうですね」


レイメスとミコによって俺たちは門に案内される。


「ここの門ってまったく開かないんだよね」


「そうね。鍵がかかっている様子もないのにどれだけ力自慢の人を呼んでもまったくあかなかったのよね」


レイルとミリーは何かを話しているようだ。


「それはそうよ。ここには特殊な仕掛けがあるから」


「はい、そうですね」


「仕掛けって、以前言ってた魔王か魔王位継承者に認められた存在しか通れないっていうやつ」


「間違ってはないけれど、正確にはもう一つ条件があるの」


「まだあるのかい?既に城の警備としては十二分だと思うけれど」


「見てて」


そう言ってミコは門の横の壁に手を当て、魔力を流す。


「魔力認証完了。合言葉を言ってください」


ミコが魔力を流した瞬間、どこからか声が聞こえた。


「合言葉?」


「そう、魔王叉は魔王位継承者から認められて、事前に設定された魔力と合言葉が合致したときにこの門は開くの」


「ってことは合言葉は人によって違うのかい?」


「そうよ」


「マジか。それは凄い」


「じゃ、開くわよ」


そう言ってミコは更に壁に魔力を流す。


「魔法に不可能はなし。魔法を使えば神殺しも成せる。されど魔王と災禍には勝てない」


「認証完了しました。「災禍」ミコ・ディザスター・クリエイトブレイク様ですね。お帰りなさいませ。ご同行されている方は?」


「許可なさい」


「承知いたしました」


ゴゴゴゴゴゴゴ


ミコがそう言った瞬間、門が開いた。


「あ、開いた。開かずの門と言われた魔王城の門が」


「まさか。生きているうちに魔王城の門の開閉を見れるとは思わなかったわ」


どうやらレイルとミリーは門の開閉一つで感動しているらしい。

だが、ミコ・ディザスター・クリエイトブレイクという名前。

ミコが聞いたことがあるのは当然だが。

その後も全てどこかで聞いた気がする。

どこだ?

俺は既視感を覚えながら門に入ったのだった。

門の先にはかなり広い庭があった。

だがこの庭、何かがおかしいな。

俺は「サーチ」を発動した。

なるほど。


「この庭、空間が歪んでいるのか」


「正解。この庭は「白世界」とか「神界」と似ていて空間が歪んでるの異空間ってわけじゃないから時間が止まったりとかはしないけど本来よりも土地が広くなるの」


「なるほど、考え抜かれているな」


「えへん」


ミコが誇らしげだ。

まずまずミコの魔王のつながりが謎だな。

ちなみにレイルやセーラ達は魔王城の色々なものが気になるようで色々なところを見ている。


「それでミコ。ミコは俺たちをどこに連れていこうとしているんだ?」


「ふふ、まだ秘密」


俺はミコに目的地を聞いたがまだ教えてくれなかった。

だが、ミコの声音が弾んでいる。

恐らくそこにミコの望んだものがあるのだろう。

なら別にどこに行くのであっても問題ない。

俺はミコの願いを叶えるためならどんなことだってできる。

ミコの頼みであれば共に地獄にでも落ちよう。

まぁ、俺とミコが地獄程度で苦しむわけもないが。

俺は前世と今世の中で一番信用しているのは誰かと言われればミコだと即答できる。

ちなみに二番目はセーラだったりする。

まぁ、相棒と愛弟子だからな。

しょうがない。

俺はそんなことを考えながらミコについていくのであった。


「着いたわ、まずはここよ」


そうしてついた場所には俺の腰くらいまである黒く四角い石と広い空間があった。


「ミコ、ここは?」


セーラがミコにこの空間について聞く。


「ここは特殊訓練場よ。魔物との戦闘訓練が出来る場所ね」


「でも魔物なんていないわよ」


「それがこの特殊訓練場の凄いところなの。レイルさん。その石に魔力を流してもらってもいいですか?」


「え、僕?いいけど」


そう言ってレイルはミコの指示通りに石に魔力を込めた。

すると突然、レイルの少し前にゴブリンキングが現れた。

だが、ゴブリンキングは誰にも襲い掛かる様子を見せずただ突っ立っていた。


「これは?」


「この石に魔力を注ぐとそそぢあ魔力の持ち主よりほんの少し弱い魔物が出てくるの。っていってもこの魔物を倒してもレベルは上がらなんだけど」


「それでもすごいな」


「ちなみにあのゴブリンキングはレイルさんが戦闘の意思を見せたら襲い掛かってきますよ」


「ならやってみようかな。シン君、武器をくれるかい?」


「分かりました」


俺は「創造」でミスリルでできた剣を創り出してレイルに渡した。

確かミスリルは非常に産出量の少ない稀少な鉱石で、武器にしても防具にしても優秀だから高値で取引される鉱石だ。

その剣ならかなり良い物だろう。

レイルはミスリルの剣を構える。

するとゴブリンキングが動き出した。

ゴブリンキングは大きな金棒を持っており、それをレイルに振るう。

レイルはその攻撃をしっかりと避けてミスリルの剣をゴブリンキングの腹に突き刺す。

そしてそこから素早く剣を引き抜いて痛みで動きが鈍くなったゴブリンキングの首をミスリルの剣で斬った。

そういえばレイルの加護は剣士の加護だったな。

一般人からすればかなり良いほうだと思う。


「ふぅ、確かに勝てるけどギリギリって感じだね」


レイルはスッキリとした表情でそう言った。

もしや先ほどの戦闘は普段の公務のストレスを発散していたんだろうか?


「っていうか、この石はその人よりもちょっと弱いもしシンやミコが使ったらどんな魔物が出るの?」


「私やシンは強すぎるから出ないわよ。セーラも多分出ないわ」


「そうなの?じゃあ弱めの兵士が使うようだったのね」


「いや、セーラって既に七魔公と同等レベルに強いからね」


「「「え?」」」


ナイト王族組が驚く。

ゼミル達はそういうのにはなれているのでもう驚かない。


「ここって七魔公と魔王以外なら普通に使えたからね」


「なぁミリー。気づいたらうちの娘は伝説上の偉人と同等レベルの力を持った存在になっていたんだね。子供の成長は早いね」


「そうね。セーラが強くなったのは知ってたけど七魔公と同等って。七魔公って言ったら最弱でも十数万の軍を一人で滅ぼすことが出来るはずだったわよね」


「そうだね」


「で、うちの娘はそんな存在と同等と」


「そうだね」


「もうセーラに王位を譲りましょ」


「そうだね」


セーラの実力に驚きすぎたレイルとミリーは密かにセーラを女王にすることを決めたのだった。


「さてと、それじゃあ次に行きましょうか」


そう言ってミコはまた俺たちを先導していく。

レイルもミリーもミコが魔王軍と何かしらの縁があることを察していたし。

俺たちはミコなら何でもありとすら思っているため大して違和感も感じずミコと移動した。

そうしてついた先には一人の少女がいた。


「お久しぶりですね「災禍」元気そうで何よりです」


「久しぶりね「魔神」魔王城の管理ご苦労様」


するとミコと少女はとてもフレンドリーに話し出した。


「あれから何年経ちました?生憎と私は城から離れられませんので」


「4000年よ」


「そうですか。もうそんなにですか。ですが「災禍」が来たということは」


「えぇ」


二人が何か会話をしてミコが俺の方を見る。

それとほぼ同時に少女も俺の方を見る。

少女は俺を見た瞬間目を見開いて俺に近づき、跪く。


「七魔公が一人、「魔神」ルミネスと申します」


「そ、そうか」


レイメスとまったくほとんど同じ反応だな。

何故俺に頭を下げるのだろうか?


「もぅ、シンが困惑してるじゃない。シンは何が何だかわからないようよ」


「失礼しました。私は七魔公の1人で陛下に城の管理を命じられたものです」


「城の管理?」


ルミネスの言葉に最初に疑問を口にしたのはレイルだった。


「さすがの魔王城でも何千年も放置すればいつまでも美しい状態を保てませんので」


「それで管理者ってわけか。君は何歳なんだい?」


「さぁ?年齢など興味ありませんので。ただ魔王様の死から4000年が経っているのならば年齢は4000歳以上です」


「そ、そうか」


「レイル。女の子に年は聞かないの」


「そうだな。すまない」


「別に気にしていません。私がそのような乙女として恥じらうのはあるお方の前と決めておりますので」


「レイルさん。この子、連れて行っていいかしら?」


「構わないよ。ただ、後でミコちゃんの正体を教えてね」


「もとよりそのつもりですよ」


そんな会話をしながら俺たちはまたミコを先頭にして移動を始めるのだった。

あと数話は伏線回収が続きます。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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