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第119話 パーティーでの貴族

短めです。


俺たちはナイト王国の建国記念パーティーに参加している。

俺たちは今パーティー会場であるホールにいる。


「にしてもここにいる人間、全員貴族なのか」


「多いわね」


「まぁ建国記念パーティーは基本的に全貴族が集まるからね。一応自由参加だけど来るのが普通ね」


「うちは親だけが着てたけど」


「まぁそういう家もあるわね」


「人が多いわね」


「ユイのことを下賤な目で見る害虫も多いわ」


「ユアのことを下賤な目で見る馬鹿ばかりね」


「このパーティーって何をすればいいんだ?」


「基本的には国王陛下に挨拶をしてあとはいろんな貴族と交流をしながら踊ったりごはん食べたりっていうのが普通ね」


「なるほど」


「へぇ4000年前と大して変わらないのね」


俺はセーラやゼミルに色々教えてもらった。

ちなみに礼儀作法については俺以外は勿論。

俺もとくに問題ないとセーラに言われた。


「おっと、お父様が着たわ」


すると前の方にレイルが現れた。


「皆の者。談笑中失礼する。今宵は我がナイト王国の建国を記念するパーティーだ。様々な者と交流して、踊り、食べ、飲み、楽しんでくれ。それでは皆グラスを持ってくれ」


周りの貴族達は既に酒を飲みながら談笑していたためグラスを持っている。

基本的に会場にきて最初にグラスをとるものなのだろう。

俺たちは生憎とそんなことしていない。

俺は「創造」で皆の手元にぶどうジュース入りのグラスを創り出す。

俺が皆の方を向くと、皆俺が言いたいことが伝わったらしくグラスを手に取った。

周りの貴族の何人かは俺たちがグラスを持っていないことを指摘し、笑おうと思ったらしいが突然グラスが現れ、固まっている。

こういうのを見るとあまり貴族に良い印象は持てないな。


「それでは我が国の発展を祈って、乾杯」


レイルはそう言って乾杯する。

俺たちも乾杯する。

そしてぶどうジュースを飲む。

うん、美味い。


「さて、それじゃあ挨拶に行きましょうか」


「そうだな」


そう言って俺たちはレイルの元に移動する。

するとレイルの近くにはミリーと知らない青年がいた。

年は恐らくユアと同じくらいだろう。

レイル達は何人かの貴族に囲まれていた。


「お、セーラ。こっちに来て」


「はい」


そう言ってセーラは移動する。


「シン君たちも」


俺たちも呼ばれたのでレイルの元に移動する。


「皆、表彰式ぶりだね。ここにいるのは公爵家の当主たちだよ」


「陛下。なぜ子供たちを呼んだのです?セーラ王女殿下は分かりますが、なぜソードロード閣下たちを?」


レイルの周りにいた一人の貴族がレイルに問う。


「そりゃあ僕が話したいと思ったからだよ。それ以外に理由が必要かな?」


レイルはその貴族に圧を掛けていた。


「も、申し訳ございませんでした」


そう言ってその貴族は離れていった。


「ゼミル」


すると貴族の一人がゼミルに話しかけた。


「なぜ、勝手に独立したのだ?」


「あら?ランダル公爵。何か問題がございました?」


ランダル公爵、ランダルという名は以前のゼミルの家名だ。

つまり、こいつはゼミルの父親なのだろう。


「問題がないわけないだろう。貴様は我が領の民の税で生きながら我が家に何も貢献しておらぬのだからな。貴様には婚約して家の役に立てと何度も言ったはずだが?恩を仇で返しよって」


「あぁ、そんなことも言っておりましたね。私は別にランダル家に恩義なんで感じてないですし」


「何だと!貴様を育ててやったのは誰だと思っている」


「私が死神の加護を授かったというだけで幽閉したんだもの恩義なんて感じるはずもないでしょ」


「私は貴様のためを思ってああしたのだ。そもそもなぜ勝手に褒美として徐爵を受けたんだ。普通は断って私にその褒美の使い道を決めさせるのが普通だろう」


「私はランダル家にいたくなかったから独立しました。何か問題でも?」


ゼミルはいよいよイライラし始めて魔力が高まっていく。

それこそ常人ならかなり厳しい魔力圧だ。


「うっ。貴様。伯爵に徐爵されたからと言って公爵家の方が上なのは確かだ。命令だ。お前は爵位を返上し、すぐに我が家に戻ってこい。そうすればお前にいい婚約者を紹介してやる」


こいつ、何を言っているんだ?

ランダル公爵の言っていることの馬鹿さに俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユア、ユイ、レイル、ミリーはあきれ果てる。


「嫌。私に二度と私に関わらないで」


ゼミルがそう言った瞬間。

ランダル公爵は消滅した。


「「「「なっ」」」」


周りにいた貴族と青年が驚いて声を出す。

レイルとミリーは俺とミコを見る。

俺たちじゃないって。


「どうしたのですか?私たちはお父様のお話したいのですけれどそこ。どいてもらえません?」


すると今度はセーラがものすごい魔力圧を出しながらレイルの周りにいた貴族に向けて言う。


「へ、陛下。私はこれで」


「私もそろそろ失礼します」


「私も」


「私も失礼します」


貴族たちは一目散に逃げだした。


「それで、何をしたんだい?」


レイルが俺に向かって聞いてくる。


「俺でもミコでもないですよ。さっきの犯人はゼミルです」


「デスデット嬢?」


そう言ってレイルとミリーはゼミルを見る。


「さて、何の事かしら?シン」


「とぼけなくてもいい。お前「ソウルクラッシュ」を使っただろ」


「「ソウルクラッシュ」ってなんだい?」


レイルが俺に聞く。


「ゼミルが使ったのはゼミルの固有属性である魂属性の下級魔法である「ソウルクラッシュ」という魔法で自分よりも圧倒的に弱い存在限定で魂を触れずに破壊することが出来るという魔法です」


「そんな魔法があるのか」


レイルとミリーは驚きで目を丸くする。


「あらシン。そんな証拠。どこにあるのかしら?」


「それがないのが魔法の怖いところだな。ゼミルがさっき言ったことを出来るということは証明できるがさっきそれをしたという証明は残念ながら不可能だな。俺とミコが滅茶苦茶頑張れば完全に不可能とは言わないが」


「ふふ、分かっているじゃない」


ゼミルはそう不適に笑う。

その不適な笑いにレイル、ミリー、青年は恐怖を感じた。

過去にどの魔法が誰によって使用されたかというのを証明することは不可能だ。

それが目に見えない魔法ならなおのことだ。


「はぁ、もう死んじゃったから言うけどランダル公爵って横領とか領内での奴隷の販売とかいろいろと後ろくらいことをしていてこのパーティーが終わったら拘束しようと思っていたんだよ。刑罰は死刑だったから別に問題ないんだけど」


「普通に極悪人だったしね。公爵家の当主だったから簡単に捕まえられなかったし文句をたくさん言われても面倒だったからちょうどいいわ」


普段、レイルは温厚な性格だがしっかりと国王としての顔もある。

それはミリーも普段は優しい母親ってイメージが強いのにこういう時の発言はなかなか怖いものだな。

セーラがたまに見せる残虐性はレイルやミリーの血の影響なのかもしれないな。


「あ、そういえば紹介をしようと思って呼んだんだよ。セイル、シン君達に挨拶して」


レイルは青年に俺たちへの挨拶を促す。


「頭が高いぞ。俺はナイト王国王位継承権第一位第一王子、セイル・ナイトだ。セーラの兄で次期国王でもある」


「次期国王?お兄様は王太子になられたのですか?」


「いや、まだよ。セイルが勝手に言っているだけ」


「母上。王族の子は俺とセーラだけ。そしてセーラには貴族からの信用も王位を継ぐ意思もない。ならば次期国王は俺で決まりでしょう」


セイルは不満といった様子でミリーに反抗する。


「セイル。君の最近の言動は少し目に余る。僕はセーラにその意思があるのならセーラに王位を譲ってもいいと思っている。なにせセーラは先の学園対抗戦で魔法が使えるようになり圧倒的な強者としての姿を見せつけたのだから」


「父上。強さだけでは民はついてきません。無能王女と噂されるセーラが女王として政を行えるとは思えません。第一、セーラは国王になるために必要な勉強を行っていないではありませんか」


「それでもセイルよりも国王として必要な知識を持っている」


「嘘だ。ずっと部屋に引きこもっていた無能にそんなことが出来るわけないでしょう」


その瞬間、セイルは膝をつく。

セイルに膨大な魔力圧がかかったからだ。

それも二つも。


「あまり俺たちの主を馬鹿にしないでくれるか?」


「つい殺しちゃいそうになるわ」


そこには膨大な魔力を放ちながら不適に笑う、俺とミコの姿があった。


青年は一体何者なのでしょうか。

番外編。知らない子ですね。

新作は準備中です。

私生活の忙しさもあってもしかしたら近々数日投稿できないなんてことがあるかもしれません。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

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