第113話 剣術総力戦
昨日、エイプリルフールだったので番外編でエイプリルフールの話を出しました。
まだ見てない方はぜひご覧ください。
本日短めです。
セーラ達の強化の翌日、俺たちは剣術総力戦があるため闘技場に来ていた。
今、俺たちは全員揃って控室に移動である。
「今日は剣術の総力戦と魔法の総力戦があるんだったよな?」
「えぇ。そうよ。最初は剣術の総力戦からね」
「一番最初の俺たちの相手は?」
「第二学園ね」
「個人やダブルと違って、試合数が少なくて楽だな」
「そうね」
「そんなことを思うのはシンとミコくらいよ」
「しょうがないわよ。だってメンバーがメンバーだし」
総力戦と言うのはその学年の大会出場者全員が出ることになる。
つまり、俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユイが出るのだ。
ぶっちゃけ負ける要素などどこにもないといっても過言ではない。
「3試合だけだろ。すぐ終わるだろ」
「普通は総力戦って試合回数は少ないけれど、一つ一つの試合が長引くから個人やダブルよりも長引くことが多いのだけれど、まぁこのメンバー。っていうかシンがいる限り速攻で終わるでしょ」
「まぁ、あと3種目だけだし。さっさと終わらせて中等部1年生は第一学園で総なめといこうぜ」
そんな会話をしていたら控室についた。
そして入って適当に雑談をしていたら、係の人が呼びに来た。
俺たちはさっさと舞台に移動した。
うん、ぶっちゃけ全員見たことある連中だ。
まぁ、すぐ終わるな。
「さぁさぁ始まりました。剣術総力戦。第一試合は第一学園対第二学園です。さぁどっちが勝つのでしょうか」
俺たちは各々の武器を取り出す。
俺は「無限収納」から神魔を取り出し、ミコは「ストレージ」から吸魔を取り出し、セーラは指輪で殺魔を召喚し、ゼミルも指輪から死魔を召喚し、ユイも指輪から愛魔を召喚した。
全員自分の武器を構える。
俺たちは剣、剣、ナイフ、鎌、剣っていう割と武器のバリエーションが豊なのに対して相手は全員剣だ。
面白みのない相手だな。
俺はそんなことを考える。
「どうする?俺が全員やるか?」
「さすがに全部任せるのは気が引けるから全員で一人ずつ殺りましょ」
「いいわね」
「賛成」
「私も」
ということで全員で一人ずつ殺すことになった。
「両者構えて。はじめ」
その瞬間、各々が行動を起こす。
俺はシンプルに接近して神魔で首を斬った。
ミコもシンプルに接近して心臓に吸魔を突き刺した。
セーラは殺魔を投擲し、相手の心臓を突いた。
ゼミルもシンプルに接近して死魔で相手の右肩から左下斜め方向に斬って相手を半分にした。
ユイも俺と同じように接近して愛魔で相手の首を斬った。
全員一撃かつ一瞬で相手を殺した。
ユイにも剣術の才能はありそうだ。
暇なときにでもちゃんと教えてみよう。
俺はそんなことを考えた。
「勝者。第一学園」
審判はまるで予想していたかのように言った。
まぁ、俺たちのこれまでの戦いを見ていればそういう反応にもなるだろう。
俺たちは審判の勝利宣言を聞いてすぐに控室に戻った。
こうやって全員でちゃんとそろって戦うのも楽しいな。
狩りのときとか割とバラバラだし。
とりあえず、順調な滑り出しで剣術総力戦の初戦を勝利した俺たちだった。
「第一学園ですね。このまま移動してもらってもよろしいでしょうか?」
「承知しました」
どうやら次の相手となる学園もすぐに終わってしまい、控室には戻らずそのまま舞台に移動することになった。
「あと2勝すれば剣術総力戦は優勝だな」
「そうね」
「さっさと勝ってゆっくりしましょ」
「「「「「賛成」」」」」
そんな感じで話していると、舞台に到着した。
「さぁさぁ始まりました。剣術総力戦準決勝。対戦カードは、第四学園対第一学園」
総力戦は3試合しかないので二度目の戦いが準決勝となる。
「ふん。女ばかりか」
「これは俺たちの勝利も決まったようなもんだな」
どうやら第四学園の連中は自分の実力を随分と過大評価しているらしい。
「両者構えて。はじめ」
始まった瞬間、俺は全員の首を一瞬で斬った。
「シン。速すぎるわよ」
「すまん。ちょっとイラっとして」
「もう。嬉しいけど。私たちの分も残しといてよ」
「次の試合は好きにしろ」
「勝者。第一学園」
準決勝も俺たちの勝利で幕を閉じた。
俺たちは適当に雑談をしながら控室に戻った。
「次の対戦相手はどこになるだろうな」
「個人的な意見だけど、第六学園か第八学園な気がするわね」
「その理由は?」
「意図的なものじゃないんだけど、偶数の学園は剣術が得意な生徒が多くて、奇数の学園は魔法が得意な生徒が多いっていう傾向があるのよ」
「なるほどな。だから第六学園か第八学園なのか」
「第八学園」
「ユイ、どうしたの?」
「「魔眼」で向こうの試合見てたんだけど、第八学園が勝った」
「なるほど」
「第一学園の選手方、ご移動ください」
そんな話をしていると、係の人が俺たちを呼びに来た。
そうして俺たちは舞台に移動した。
「剣術総力戦、決勝戦となりました。対戦カードは、第八学園対第一学園です」
「今回は、全員で一人ずつよ」
「分かってるって」
「両者構えて。はじめ」
試合が始まった瞬間、第八学園の生徒全員が一斉に俺に襲い掛かってきた。
俺は一番手前に出てきていた選手の首を神魔で斬って、バックステップで後ろに下がる。
俺の仕事はもう終わりだ。
横にいたミコが一人の心臓を吸魔で突いた。
セーラは一人の頭に殺魔を投げて殺した。
ゼミルはすぐに近づいてきて一人の首を死魔で斬った。
ユイも同じように近づいて一人の首を愛魔で斬った。
これで対戦相手のチームは全員殺した。
最初に決めていた通り、一人ずつという約束もしっかりと果たして。
「勝者。第一学園」
剣術総力戦は試合回数も少なく、実にあっさりと優勝したのだった。
俺たちは審判の勝利宣言を聞いてすぐに控室に戻った。
「優勝したな」
「そうね」
「まぁ、このメンバーっていうかシンがいる時点で優勝は決まっていたようなものだし」
「そうそう」
「むしろこのメンバーで負ける方がおかしいくらい」
「まぁ、伊達に剣神の加護を持っているわけじゃないからな。相手に剣に関する加護を持った奴がいなかった時点で俺がいなくても勝利は確定していただろうさ」
「まぁ、シンほどじゃないけれどミコもセーラも剣術だけでもかなり強いものね」
「そうは言うけど、ゼミルとユイだってかなり強くなっていることを自覚した方がいいわ。私はシンとミコのせいで感覚が麻痺しているけれど普通、学園対抗戦に出ることのできるような相手を一撃で殺すなんて不可能なんだから」
「確かに私たちもシン達に毒されてきたわね」
「見事に感覚が麻痺しているわ」
「にしても私たちの会話を他校の生徒が聞いたら激高するでしょうね。全員で一人ずつ殺すだなんて」
「まぁ、激高してもこのメンバーの誰にも勝つことなんて不可能でしょうけどね」
「まぁ、昨日の強化もあってこのメンバーは全員神族系の加護を持っているし」
「相手になるのは同じ神族系の加護を持っている人だけでしょうね」
「このメンバーとユア以外でこの時代にいるの?」
「さぁ?いてもおかしくはないけど。神族系の加護の情報なんて持っていても国は絶対秘匿するもの」
「まぁ、そうよね」
「まぁ、たとえ他国が神族系の加護を持っている人を隠していて私たちと戦うことになっても私たちなら誰でも勝てるとおもうけど」
「私は勝てないかも?本来は神族系の加護じゃないし」
「それ逆だと思うわよ」
「どういうこと?」
「あのシンがそうしたのよ。むしろ、普通に授かった神族系の加護よりも高い効果になっていたり何らかの恩恵があっても不思議じゃないわ」
「「「「「確かに」」」」」
「お前たちは俺を何だと思っているんだ?」
ユイ達の会話を聞いていると、俺はユイ達に人間だと思われていないのかもしれない。
鑑定結果的に人間で間違いないんだが。
その後も俺たちは雑談に花を咲かせるのだった。
後で追加ばかりになって誠に申し訳ない。
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