第104話 総合個人3
今俺は、総合個人の準決勝でセーラと戦っている。
「神龍斬」
俺はセーラに向かって「神龍斬」を放つ。
強力な 斬撃がセーラーに向かって飛んでいく。
「ブラックホール」
セーラーは「ブラックホール」を発動して俺の斬撃を防いだ。
俺たち全員に言えることだが「ブラックホール」によって遠距離攻撃は全て無効化されるのが厄介だ。
「アンチマジック エリア」
俺は「アンチマジックエリア」を発動する。
これによって 魔法が使えなくなった。
「魔法は使わせないってわけね。なら「殺刃」」
セーラはスキル「殺刃」を使った。
俺に向かって ナイフが飛んでくる。
このスキルはナイフに触れたものを少しさせるスキルだ。
格上を少しさせることはできないが弱体化させることはできる。
俺は「スラッシュ」を使いナイフを斬った。
「ワンサウザンドスラッシュ」
俺はまた、1000の斬撃をセーラに放つ。
先ほどは「ブラックホール」で対処していたが今は「アンチマジックエリア」の影響で「ブラックホール」は使えない。
「千刃」
セーラはスキル「千刃」を使う。
このスキルは文字通り1000のナイフを出現させ対象に放つ殺魔のスキルだ。
ナイフと斬撃はぶつかり合った。
ナイフによって斬撃が相殺されたのだ。
セーラは両手に殺魔を召喚する。
セーラは俺に「神速」で接近して、右手で殺魔を振るう。
俺は殺魔を神魔で受ける。
セーラは左手で殺魔を振るう。
俺は咄嗟に「神器召喚:グングニル」でグングニルを召喚し、グングニルで殺魔を受け止める。
「超強化」
セーラは「超強化」を使用し身体能力を上昇させ、一気に 畳みかけてくる。
「殺戮」
セーラーさらに「殺戮」を発動させる。
セーラの身体能力をさらに上昇する。
どんどん身体能力の差が縮まっていく。
そろそろ押し負けそうだ。
俺は無理やりセーラー 押し返し、バックステップでセーラと距離をとる。
さっきのままで押し切られていた。
「魔眼」
セーラは「魔眼」を発動する。
セーラの右目が紫色に光る。
そしてまた、「神速」を使い俺に接近する。
そして右手で殺魔を振るう。
俺は殺魔を避け、神魔を振るう。
セーラは何とか両手で神魔を受け止める。
「神眼開放」
セーラの身体能力がさらに上昇する。
セーラの左目が金色に光る。
俺は押し負ける。
俺はすぐにバックステップで後ろに下がる。
「神槍グングニル」
俺は左手に持ったままだったグングニルをセーラに投げつける。
「絶対防御結界」
セーラは「絶対防御結界」でグングニルを防いだ。
「絶対防御結界」は壊れた。
「死龍斬」
俺は神魔のスキルである「死龍斬」を発動する。
「死龍斬」は触れたら即死や斬撃を放つスキルだ。
勿論、即死の効果があるのは格下だけだが。
「即死刃」
セーラはスキル「即死刃」を発動する。
このスキルは触れたら即死のナイフを放つスキルである。
斬撃とナイフがぶつかり合い 相殺する。
「銀世界」
セーラは「銀世界」を発動した。
地面が銀色に染まっていく。
セーラの世界になったことで「アンチマジックエリア」が解除された。
そしてセーラーは俺に大量のデバフ 魔法をかけた。
次の攻撃で決めるつもりなのだろう。
「流星神即死刃雨」
セーラはアーツを発動する。
頭上に大量のナイフが召喚される。
それは「刃雨」のときとは比べものにならないほど多い。
このアーツは流星のように集まった触れたら即死のナイフが神速で雨のように長時間降り続ける。
というアーツである。
俺はセーラのデバフ魔法でかなり弱体化している。
そしてここはセーラの世界、どう考えてもセーラが有利だ。
さすがの俺でもこの状況で何をしなければ死ぬだろう。
弟子の成長は早いものだ。
だが、
「セーラ俺はお前の師匠としてまだ負けるわけにはいかない。お前の師匠の本気を見せてやる」
俺は神魔を剣術個人の決勝戦でやったように下げて構える。
「瞬間斬:秘剣「神千剣」」
その瞬間、俺たちの頭上にあった全てのナイフが斬られだ。
「何が、おこったの?」
セーラは無意識に俺に問う。
「俺の奥の手の一つだ。神速の1000連撃だ。ちなみに だが「超強化」を含めた強化系のスキルを使えばさらに速くなる」
「ふふ、やっぱり私の師匠は最高だわ」
「それは光栄だ。そしてセーラにはもう一つ 言うことがある」
「何かしら?」
俺は不敵に笑いながらそのセリフを告げる。
前世でとこかで聞いた、そのセリフを。
「お前はもう死んでいる」
俺がそう言った瞬間、セーラは消えた。
場外に転移したのだ。
「そう、神速の1000連撃だ。神速で首を斬られると、人は己の死を認識できないんだよ」
俺はセーラがいたところに向けてそう言った。
「勝者、シン・ソードロード選手」
審判に行って勝利宣言がされる。
俺は控え室に戻った。
ミコ視点
「私も人のこと言えないけど、シンもまだまだたくさん隠し事があるようね。私あんな技見たことないわ」
私は先ほどまでシンとセーラの戦いを「魔眼」見ていた。
私は「魔眼」を解除した。
「ミコ選手、お時間です」
係の人に呼ばれたので私は舞台に移動する。
そこには、ゼミルがいた。
「ゼミルの全力を見せてみなさい」
「本当にミコに勝てるとは思っていないけれど、負ける気はないわ」
「さぁさぁ、始まりました総合個人準決勝。今試合の対戦者は、第一学園、ゼミル・デスデッド選手対同じく第一学園、ミコ・マジクロード選手です」
私は「ストレージ」から吸魔を取り出す。
ゼミルも「無限収納」から死魔を取り出す。
「両者構えて、はじめ」
その瞬間、ゼミルは「超強化」「魔眼」「神眼開放」を一気に発動する。
ゼミルの左目が金色に、右目が黒色に光る。
ゼミルの身体能力が一気に上昇する。
そこから更にゼミルは自分に大量のバフ魔法を、私に大量のデバフ魔法を掛ける。
一時的だが、ゼミルの身体能力が私の身体能力を上回った。
そしてゼミルは「神速」で私に接近し、私に向かって死魔を振るう。
「フォーエバーブリザード」
私は「フォーエバーブリザード」を発動した。
ゼミルは「フォーエバーブリザード」を「神速」を使って避ける。
「レジスト」
私は「レジスト」を使って私にかけられたデバフ魔法を全て解除した。
さすがに身体能力で負けるのはきつい。
するとゼミルは「アンチマジックエリア」を発動した。
それによってゼミルのバフ魔法は解除されたが、私の最大の武器である魔法の使用が出来なくなった。
私は地面を蹴ってゼミルに接近して吸魔で突く。
ゼミルはそれを死魔で受けとめる。
私はひたすらに突きを放つ。
私のデバフ魔法とゼミルのバフ魔法がなくなったことで今の状況では私とゼミルには大して身体能力に差はない。
そして私は突きに関してはシンよりも速い。
剣神であるシンよりも速い私の突きはゼミルも防戦一方になる。
ゼミルは不利を悟って「神速」で後ろに下がる。
だが、私はすぐにゼミルとの距離を詰める。
下手にスキルやアーツを使われると面倒だからだ。
「永夜斬」
だが、セーラは「神速」で私の背後をとり「永夜斬」を放つ。
私に斬撃が近づいてくる。
「マナバレット」
私は「マナバレット」を放つことで「永夜斬」を相殺した。
本来なら「マナバレット」程度のスキルで「永夜斬」を相殺することなんて不可能だが、私は「マナバレット」に一般人からすればかなりの量の魔力を込めたので相殺できた。
といっても私からすれば1秒で回復する程度の量なので何の問題もないが。
「決め手に欠けるわね「生命力転換:バレット」×100」
その瞬間、私に向かって100個の魔弾が飛んできた。
その1つでも当たればかなりの魔力がゼミルを殺すか、私が死ぬまで吸収され続ける。
「ワンハンドレットマナバレット」
私は「ワンハンドレットマナバレット」を発動して100個の魔弾をゼミルに向けて放つ。
ゼミルが放った魔弾と私が放った魔弾はぶつかり合い、相殺しあった。
「「アンチマジックエリア」が鬱陶しいわね。なら「白世界」」
私は「白世界」を発動する。
私たちの周囲が白に塗りつぶされていく。
それによって「アンチマジックエリア」は解除された。
「闇世界」
ゼミルも私に負けじと「闇世界」を発動した。
だが、私の白を彼女の闇で侵食することは出来なかった。
「どうして?」
「当然でしょう。展開するときに使った魔力が違うのだから」
このようなアーツは発動時に込めた魔力の量で様々なことが決まる。
ゼミルが「闇世界」を展開した時に使用した魔力量を1だとすれば私が「白世界」を展開するときに使用した魔力量は100だ。
単純に私の力が大きすぎるのだ。
ゼミルもその事実に気づいて、どうするかを必死に考えているようだ。
当然だろう。
この時代に、私に魔力で勝てる存在なんていないのだから。
「しょうがない。次で決めるわ」
ゼミルはそう、私に宣言する。
そしてゼミルは魔力を高める。
ゼミルも私の弟子だ。
弟子の成長というのは嬉しいものだが、まだまだ師匠として負けるわけにはいかない。
「死になさい。闇属性伝説級魔法「グラビティフィールド」」
ゼミルがその魔法を使った瞬間、体が重くなる。
そして私は思わず膝をついてしまう。
へぇ、重力まで操れるようになったのね。
「闇属性絶望級魔法「ブラックランス」」
その瞬間、黒い槍が出現する。
それは闇属性中級魔法である「ダークランス」よりも圧倒的に黒い槍だった。
それが私に向かって飛んでくる。
グサッッ
黒い槍が私の心臓に刺さる。
誰もが私の敗北を見ただろう。
「ふふ、あは」
そんな状況で私は笑う。
そして私は魔法を使う。
「血属性最上級魔法「ブラッドコントロール」」
「がはっ」
その瞬間、ゼミルの体のいたるところから血が噴き出る。
そしてそれが剣や槍などの様々な武器の形をとる。
「ゼミル。随分と強くなっていて私は驚いたわ。でも、まだ私たちには届かない」
「血属性魔法。いつでも使えたの?」
「いつでもではなかったけど何度か使えるタイミングはあったわ。ただこの魔法は対象の魔力が多いと効果が著しく低下するから。最後の瞬間あを狙ってたの。ゼミルの魔力が極限まで少なくなった状態を」
「はは、やっぱり先は遠いわ」
ゼミルのその発言を聞いてから私は魔力を使う。
武器の形になった血が全てゼミルに突き刺さった。
ゼミルは消えた。
「し、しょ、勝者。ミコ・マジクロード選手」
審判の勝利宣言を聞いて私はその場を後にした。
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