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第103話 総合個人2

今、俺たちは総合個人に出場している。

次はゼミルとユイの戦いだ。

俺は「魔眼」を発動して観戦することにする。

ちなみにだが、この戦いで勝った方が準決勝でミコと戦うことになる。

俺の準決勝の相手は既に決まっている。

セーラである。

剣術個人も魔法個人も総合個人も上位のメンバーが変わっていない。

まぁ、俺たちの力は異常だからしょうがないが。

ただ、毎回準決勝と決勝が俺たちになることには何者かの作為を感じるな。

恐らく、レイルさんあたりだろう。

俺やミコにボコされる人を減らしたいんだろう。

既に選手の紹介は終わっている。

ゼミルは死魔を、ユイは常闇を構えている。

ユイが常闇を持つのも様になってきたな。


「両者構えて。はじめ」


審判により試合開始の合図がなされる。


「永夜斬」


するとユイに向かって斬撃が飛んでいく。


「ブラックホール」


ユイは「ブラックホール」を発動する。

斬撃は黒い球体に吞み込まれた。


「さすがにそんなにすぐは終わってくれないわよね「ハイパーラック」「生か死か(デットオアアライブ)」」


ゼミルは「ハイパーラック」と「生か死か(デットオアアライブ)」を発動する。

だが、何も起きなかった。

生か死か(デットオアアライブ)」は格下を50%の確率で即死させる魔法だ。

勿論、50%を外したという考える人もいるだろうがそれは違う。

生か死か(デットオアアライブ)」は格下にしか通用しない。

その点、ユイの実力はゼミルと互角だ。

格下ではなかったので「生か死か(デットオアアライブ)」は効かなかったのだろう。

ゼミルもダメ元で使ったようだ。


「次は私「ワンサウザンドマナバレット」」


ユイから1000の魔弾がゼミルに向かって飛んでいく。


「ブラックホール」


ゼミルも先ほどユイがしたように「ブラックホール」で防ぐ。


「持久戦は嫌いだからもう本気で行く。「魔眼」「神眼開放」地を照らす光よ、我に力を貸したまえ、我が力となって、我が敵を燃やし尽くせ、火属性神話級魔法「サン」」


ユイは「魔眼」と「神眼解放」を発動した。

ユイの右目が桃色に、左目が金色に光る。

ユイは詠唱し、火属性神話級魔法「サン」を発動する。

まるで太陽かと錯覚してしまいそうなほど燃え上がっている火の球はゼミルに向かってゆっくりと飛んでいく。


「まずっ「絶対防御結界」」


ゼミルはさすがにまずいと思い「絶対防御結界」を発動した。


「スピードインフェルノキャノン」


だが、「絶対防御結界」一瞬では破壊された。

ユイは「スピードインフェルノキャノン」を発動した。

「スピードインフェルノキャノン」は火属性絶望級魔法で普通の「インフェルノキャノン」よりも消費魔力が大きくなっている分、速度が比べ物にならないほど速い。

なので、即効で使うことが出来る。

「サン」は速度が遅い。

そのため、速度が速い「スピードインフェルノキャノン」の方が先に「絶対防御結界」にぶつかり、「絶対防御結界」を消失させたのだ。


「これは、まずいわね。使う気はなかったのだけれど「魔眼」「神眼解放」」


ゼミルの右目が黒に、左目が金色に光る。


「死神の纏い」


ゼミルが昨日の魔物との戦いで新しく創ったアーツを使う。

ゼミルは黒い衣装を纏う。

それは死神のようでいて、妖艶でゼミルの魅力を最大限引き立てている。


「生命力転換:シールド」


これもまたゼミルが昨日の魔物との戦いで新しく創ったアーツだ。

ゼミルの前に黒い盾が現れる。

「ダークシールド」ともまた雰囲気の違う盾だ。


「一度だけの生還」


ゼミルはまたもやアーツを使う。

これも昨日、魔物との戦いで新しく創ったアーツだ。

太陽と黒い盾がぶつかる。

黒い盾は3秒ほど耐えたところで崩壊した。

そして太陽がゼミルにぶつかる。


ドゴォォォォォ


物凄い音がなる。

誰もがユイの勝利を確信した。

ゼミル、1人を除いて。

太陽が役割を果たして消える。

そこにいたのは、ボロボロになり、肩で息をしながらも立っているゼミルの姿だった。


「っな。あの魔法をくらって生きているだなんて」


ユイは驚愕を隠せない。


「普通にくらってたら死んでたわよ。事前に発動しておいたアーツのおかげよ。さて、これで最後よ」


ユイはもうほとんど魔力が残っていない。

「サン」の魔力消費が大きすぎたのだ。


「絶対防御結界」


ユイはなけなしの魔力で「絶対防御結界」を展開する。

ゼミルは死魔を振り上げる。


「永夜斬」「吸命斬」


ゼミルは死魔のスキルを発動する。

「永夜斬」とそれたはまた違った禍々しい斬撃がユイを襲う。

「永夜斬」によってユイの「絶対防御結界」は破かれ、その後に来たもう一つの斬撃にユイは殺された。

ユイは消えた。


「勝者。ゼミル・デスデッド選手」


審判からの勝利宣言を聞いたゼミルは即効で控室に戻っていった。

ゼミルがなぜ「サン」を防げたのかというと、それは本人も言っていたが事前に発動していたアーツのおかげだったりする。

1つ目は「死神の纏い」2つ目は「生命力転換:シールド」3つ目は「一度だけの生還」である。

「生命転換:シールド」は触れた対象から生命力を吸収するアーツだ。

今回は盾の形をしていたが形は自由自在に変えることが出来る。

今回は魔法だったので魔力を吸い取っていた。

ただ、そうそうにキャパオーバーして消滅していたが。

「一度だけの生還」は自分の全魔力を消費して一度だけ死を免れるというスキルだ。

ゼミルが「サン」を耐えられたのはこのスキルのおかげだ。

ここれで一つ疑問が湧く。

何故魔力が必要なはずの斬撃を魔力のない状態でできたのか。

これは「死神の纏い」のおかげだ。

「死神の纏い」はそれを着て生物を殺せば殺すほど防御力の上がる服だ。

そしてもう一つ効果がある。

それが、魔力への変換である。

「死神の纏い」は不要になれば魔力に変換することが出来るのだ。

勿論発動するのや維持に使った魔力を考えれば少ないが、要は魔力タンクになるわけだ。

つまりゼミルは「サン」を何とか耐えたあと、即座に「死神の纏い」を魔力に変換してユイに斬撃を放ったわけだ。

ちなみにだが、ゼミルが最後に使った「吸命斬」は斬った対象の生命力を吸収するという特性を持つ斬撃だ。

にしても、あのピンチを耐え抜きユイを倒すとは思わなかった。


「シン選手。お時間です」


係の人が呼びに来た。


「はい。今行きます」


俺はそう言って舞台の上に移動した。


「シン。そう簡単には負けないわよ」


「俺もセーラを簡単に倒せるとは思っていない」


「さぁさぁ始まりました。総合個人準決勝。ここまで生き残った4人は全員剣術個人または魔法個人でベスト4の実績を残した人ものばかりです。それでは今試合の対戦者の紹介です。第一学園、セーラ・ナイト選手対同じく第一学園、シン・ソードロード選手です」


俺は「無限収納」から神魔を取り出す。

セーラも俺と同様に「無限収納」から殺魔を取り出す。


「両者構えて。はじめ」


俺とセーラの何でもありの大会が今、幕を開ける。


「流星刃」


セーラは「流星刃」を発動する。

大量のナイフが俺に向かって飛んでくる。


「サイコキネシス」


俺は「サイコキネシス」でナイフを止める。

そしてそのまま、ナイフを操りセーラに向かって飛ばす。

セーラはナイフを消失させる。

俺の「創造」もそうだが、自分の魔力によって創りだした物は消失させることが出来る。


「ワンサウザンドスラッシュ」


俺は1000の斬撃をセーラに向けて放つ。


「ブラックホール」


セーラは「ブラックホール」で斬撃を防いだ。


「刃雨」


セーラはナイフの雨を降らせる。

俺は頭上に「絶対防御結果」を発動する。

「絶対防御結果」によって、俺にナイフが当たることはなかった。

ナイフの雨が止むと、俺は「絶対防御結果」を解除した。


「なら、「追尾刃」」


セーラはまたもやナイフを出現させる。

ナイフが俺に向かって飛んでくる。

俺はそれを避ける。

セーラが使ったスキル「追尾刃」は、殺魔のスキルで対象以外は透過し対象にあたるまで永遠に追尾し続けるというスキルだ。

このスキルは少し面倒だ。

なので、さっさ終わらせよう。


「キル」


俺は「キル」を発動し、ナイフを殺した。


「神速刃」


その瞬間、大量のナイフが物凄いスピードで俺に向かって飛んできた。

セーラが使ったスキル「神速刃」は、スピードに特化したスキルだ。

俺にナイフがあたるまでもう0.001秒もない。

今から魔法やスキル、アーツを発動しようとしても間に合わない。

そして、今飛んで来ているナイフにはかなりの魔力が込められている。

さすがの俺でもこれをくらって無傷でいられるとは思わないわない。

だが、俺にナイフが当たることはなかった。


「嘘でしょ、魔法もスキルもアーツも使う暇なんてなかったはずなのに」


セーラは目に見えて動揺していた。

俺を殺すまではいかなくても怪我くらいはすると思っていたのだろう。


「見事だセーラ。今のは下手すれば怪我をしていた」


「どうやって防いだのかしら?スキルを使った様子も、魔法を使った様子もなかったけど」


セーラが俺に防いだ方法を問う。


「なに、斬っただけだ」


俺は平然と答えを言った。 


「斬った。ってあの速さのナイフを?」


「あぁ先の攻撃、俺は魔法やスキル、アーツは間に合わないと判断した。だから神魔でナイフを全て斬った。回避も可能ではあったが、隙を作ることになりそうだったからな」


「相変わらず、常識外れね」


「俺は剣神だぞ。剣を使うことにおいて、不可能はないに等しい」


俺はそう冗談ぽく言いながら不敵に笑った。


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