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第101話 散歩

俺たちの剣術ダブルと魔法ダブルの翌日、今日は高等部3年の剣術ダブルと魔法ダブルだ。

本来ならば、ユアは同じ高等部三年生と出場するつもりだった。

だが、ユイががユアの隣に自分以外の人がいるのが嫌だとユアに言ったため。

ユイ至上主義のユアは出場を辞めた。

ちなみにペアになる予定だった先輩は何とかユアを説得しようとしていたが、ユアの中でユイ以上の存在などいるわけもなく、あっさりと断られていた。

ということで、今日もすることがなくなった。

皆はまだ寝ている。

どうしたものか

俺がどう時間を潰すか考えていると。


「う、シン。おはよう」


ミコが起きた。


「おはよう。まだ皆寝てるから寝ててもいいぞ」


「シンが起きてるなら起きるわ」


そう言ってミコは起きた。

俺も起きたばかりなので二人ともパジャマだ。


「着替えるか」


「そうね」


黒世界(俺の世界)」「白世界(私の世界)


俺たちは各々異空間に入る。

異性と同じ部屋で生活するということにおいて、気をつかうタイミングは何度かある。

その1つは着替えだ。

異性の着替え姿を見るわけにはいかない。

俺の着替え姿をミコたちに見られるのは気にならない。

だが、ミコたちは俺に着替え姿を見られるのは嫌なはずだ。

学園の寮にいるのなら、一緒にいるのは俺、ミコ、セーラなので各々の異空間に入ればいい。

だが、昨日まではゼミル、ユア、ユイは異空間を展開できなかったので俺だけ異空間に入って、誰かに「念話」で着替えの終了を伝えてもらうという少し面倒臭いことをしていた。

だが、ゼミル達も異空間に入れるようになったので今日からはもうそんな面倒くさいことをする必要はなくなった。

俺はそんなことを考えならが着替えを終わらせた。

ちなみに俺が今来ているのは第一学園の制服だ。

俺が着る服はこの制服、私服、パジャマの3つだけだ。

私服もパジャマも1種類しかない。

どちらも、ミコがなぜか持っていたものと同じものを「創造」で創った。

見た目も気に入ったのと機能性に優れているので1種類で十分なのだ。

ちなみに何故男ものの服を持っていたのかミコに聞くと、恩人が自分の傍から消えたあとミコは寂しさで恩人の私物を全て回収したらしく。

その時見せてくれたのは恩人の服らしい。

何気にミコの恩人のことは気になっていたので、ほんの少しだがミコの恩人のことを知れてよかった。

ミコの恩人は男性または、男物を着るような性格叉は趣向の女性だったようだ。

俺はそんなことを考えながら「黒世界(俺の世界)」を解除し、異空間を出る。

するとそこにはミコもいた。

俺たちの異空間は外部との時間が切り離されているので、俺たちが異空間を展開してから時間は全くたっていない。

なので、俺もミコもほぼ同時にこっちに戻ったのだ。


「さてと、それじゃあどうする?」


「せっかくだし、二人で散歩でもしましょ。セーラ達には書置きでもしておきましょうか」


「そうだな」


俺は紙とペンを「創造」で創り出し、俺とミコが散歩する旨を書く。


「さ、行きましょうか。どこに行く?」


「魔境でいいんじゃないか」


「そうね。ついでにちょっと狩りをしたいわ」


「いいな。そうしよう」


そうしてミコの「エリアテレポート」で俺たちは魔境に転移した。


「なんだか久しぶりだな」


「確かにそうかもね。領の視察の時に来たけど」


「あぁ、そういえば来たな。寝起きでまだ頭があまり回っていないのかも」


「そういうシンは久しぶりに見た気がするわ」


「そうか?」


「えぇ。この魔境に住んでいた頃は寝起きのシンと割と出くわしたし」


「あぁ、俺たち、睡眠時間がほぼ同じだったからな。俺も寝起きのミコと割と出くわした記憶があるわ」


「懐かしいわね。っと、お出ましよ」


俺たちが魔境を歩きながら雑談していると魔物が出てきた。

熊型の魔物だ。


「キル」


俺が「キル」で殺す。

「キル」は他の魔法よりも魔力消費量が多いが、魔法陣は簡単なため発動自体は楽だ。

それに、魔力消費量は相手の実力に依存するので雑魚に使うのならそこまで魔力を消費しない。

雑魚を殺すにはこれ以上ないほど使い勝手のいい魔法だ。

ミコは魔物の死骸を「ストレージ」に収納する。


「ここら辺はまだ雑魚しか出ないな」


「少し移動しましょうか」


そう言って俺たちは「フライ」で空を飛ぶ。

移動するなら「テレポート」の方が断然速いが、今回は散歩が主目的なので速さは気にしない。


「二人でこうして魔境の空を飛ぶのも久しぶりね」


「また魔境に住んでいた頃の話か。こんな感じで空を飛ぶ魔物と二人で戦うこともあったな」


「懐かしいわね」


「今はここはミコの領地か」


「そういえば、実感はないけどそうね」


「特にすることもないしな」


「そうねぇ、人もいないし。インフラ整備をする必要もないしね」


「ミコが何かしたいなら協力するが」


「そうねぇ。したことがないわけじゃないけど、それをやるのは今じゃないわ」


ミコは何かこの魔境でしたいことがあるようだ。

それをやるときは全力でミコを助けよう。


「そうか。っと、魔物だな」


「っていってもそこまで強くないわ「ブラックホール」」


ミコは「ブラックホール」を発動する。

鳥型の魔物は黒い球体に吸い込まれて消滅した。

ミコは流れるように魔物の死骸を「ストレージ」に収納した。


「わざわざ「ブラックホール」を使うほどの強さの魔物じゃなかったともうが」


ここは魔境の奥の方ではあるのでそこそこの強さの魔物だったが、破滅級魔法を使うほどの魔物ではなかった。


「「ブラックホール」って威力とか範囲とか指定しやすいから。個人的に結構使いやすい魔法なのよね」


「なるほど」


俺たちが雑談しているとしたから光線が飛んできた。

俺は「ダークワールド」で、ミコは「ライトシールド」で光線を防ぐ。


「何だ?」


俺とミコは同時に「サーチ」を発動する。

どうやら、俺たちが今飛んでいるところの真下にいたのはファイヤドラゴンだった。

ファイヤドラゴンというのはレッドドラゴンの亜種だ。

ここら辺のレッドドラゴンの巣は大抵潰したと思ったがまだ残っていたのか。

それとも群れとは別で行動していたのか。

まぁどうでもいいか。

と俺がさっさと殺そうとすると、俺たちに向かってウォータードラゴンが飛んできた。

ウォータードラゴンはブルードラゴンの亜種だ。

亜種が2匹とは珍しい。


「ファイヤを貰う」


「じゃあ、私はウォーターを貰うわ」


俺たちが各自、ドラゴンを倒そうとすると。


グォォォ


レッドドラゴンとブルードラゴンの群れが近づいてきた。

かなりの数だ。


「どうやら。このファイヤドラゴンとウォータードラゴンは群れの亜種だったらしい」


「そのようね。それじゃ、私は青を貰うわ」


「なら俺は赤を。それじゃ、始めようか」


俺たちは二人とも魔力を高める。


「ダークデスディザスター」


「フォーエバーブリザード」


俺たちはドラゴンに向かって魔法を放った。

俺の「ダークデスディザスター」によってレッドドラゴンの半分が。

ミコの「フォーエバーブリザード」によってブルードラゴンの半分が死んだ。

ファイヤドラゴンとウォータードラゴンは怒り狂っているようだ。

俺たちに向かってブレスを放ってくる。


「キル」


「ブリザード」


俺はファイヤドラゴンのブレスを殺した。

ミコはウォータードラゴンのブレスを凍らせた。


「そろそろ終わらせるか」


「そうね」


俺は「無限収納」から神魔を取り出す。


「死ね「神龍斬」」


「死になさい「カタストロフ」」


俺はスキルを、ミコは魔法を放つ。

俺の斬撃はファイヤドラゴンを一刀両断した。

ミコの「カタストロフ」によってウォータードラゴンは苦しみながら死んだ。


「残りは雑魚だけか」


「そうね」


「キル」


俺の「キル」によって生き残っていたレッドドラゴンは死んだ。


「ブラッドランス」


ミコの「ブラッドランス」によってウォータードラゴンは血の槍に貫かれて死んだ。


「案外、あっけなかったな」


「そうね」


俺たちは「ストレージ」にドラゴンの死骸を収納した。

その後も俺たちは魔境の奥へと「フライ」で飛んでいった。

目に入った魔物は即効で殺した。


「っと、そろそろいい時間だな。セーラたちも起きれるだろうしホテルに戻るか」


「そうね」


そうして俺たちはミコの「エリアテレポート」でホテルの部屋の中に転移した。


「シン、ミコ。お帰り。散歩は楽しめた?」


転移すると、セーラが出迎えてくれた。

そして、俺たちに散歩の感想を聞いてくる。


「あぁ、楽しめたよ」


「ちょっと狩りもしてきたわ」


俺たちが話すとゼミルが興味を持ったのか話にくいついてきた。


「どんなの狩ったの?」


「色々狩ったけど、今回の一番はドラゴンの群れだな」


「亜種が二匹もいたわ」


「私も狩りに行きたくなるわね」


「私も行きたい。今日することないし行こ。シンたちはさっきまで狩ってたようだけどどうする?」


「せっかくだから、俺たちも行く。ミコも行くだろ」


「えぇ」


「それじゃ、皆で狩りに行くとしましょうか」


その日は皆で魔境で大量に魔物を狩った。

今回はシンとミコののんびり?回でした。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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