第99話 各々の休息
初心者です。
生暖かい目でご覧ください。
誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。
すいません。
今回、少し短めです。
俺たちは「白黒世界」を解除する。
心も体もかなり休まった。
「っと、こっちじゃまだ試合が終わったばかりなんだった。第一学園の待機場所に行かないと」
「そうね。でも」
ミコは俺の方を見ながら言う。
「皆と合流したら、またしましょ」
「そうだな」
俺たちはそう笑って、ミコが「エリアテレポート」を使い俺たちは第一学園の控室に転移する。
そこには既にセーラ、ゼミル、ユア、ユイが集まっていた。
「少し遅かったわね」
「そうか?」
俺はとぼける。
セーラはこういうのを時々見抜いてくる。
女の勘は怖いっていうのは、どこの世界でも一緒だな。
前世で考えていることを言い当てられた記憶を思い出しながらそんなことを考える。
「シンの魔力がだいぶ減ってたから回復してただけよ」
「回復してただけ。ねぇ」
セーラは何故か笑みを浮かべながらミコを見ていた。
ミコは涼しい顔をしている。
(セーラとミコって仲良いわよね)
(そうだね。同じ男を取り合っているのにあそこまで仲が良いのは珍しいと思う)
ユアとユイが俺に聞こえないくらいの小さな声で話している。
いや、聴力っていうのはレベルに依存するから俺が聞こえないのはおかしい。
が、ユアとユイの唇が動いている。
いや、違う。
シンプルに相手の唇を呼んで意思疎通をしているだけだ。
確かに俺もミコ相手なら同じ真似ができる。
あれだけ仲の良い元姉妹兼婚約者相手に唇を読めないほうがおかしいか。
俺はそんなどうでもいいことを考えていた。
「シン。最後の魔法は何だったの?」
すると、ゼミルが俺たちの試合を見ていたらしく。
俺が最後に使った魔法「キル」について聞いてくる。
「あの魔法は死属性最下級魔法「キル」だ。最下級なのにもかかわらず強力な魔法ではあるんだが、その分魔力消費量が多すぎるから俺でも多様できない魔法だ」
「それは凄いわね」
俺たちが各々話していると、マーゼ学園長がやってきた。
「あ、まだいたのね。探す手間が省けたわ」
「学園長、何かご用事ですか?」
俺は学園長に聞く。
「用事なんてとくにないわ。私はただ、優秀な成績を収めた生徒におめでとうを言いに来ただけだから」
「なるほど」
俺たちは納得する。
好成績者に学園長が直々に挨拶に来るとは思わなかったが不思議な話でもない。
そしてマーゼ学園長は真面目に顔になる。
「シン閣下剣術個人に続き、剣術ダブル、魔法ダブルのご優勝おめでとうございます」
「ミコ閣下も魔法個人に続き、剣術ダブル、魔法ダブルのご優勝おめでとうございます」
「セーラ殿下たちも、好成績を出していただき、学園の代表として心から礼を送ります」
普段は緩い感じの学園長だががとても真面目な顔で俺たちにそう言った。
「俺たちはただ力を振るっただけです。学園長に感謝されるようなことではないです」
「それでもよ。学園長として礼を言うわ。そして実はシン君たちに謝らないといけないことがあるの」
なるほど。
それが、俺たちに会いに来た目的か。
「謝らないといけないこと。ですか」
「そう。実は、シン君たちの実力を知った他校の選手やその親、学園の関係者がシン君たちは何者なんだっていう問い合わせが殺到してるの。そしてステータスを開示しろっていう言ってきてるの。普通なら無視したんだけど、上位貴族も結構いて完全には無視できない状況なの」
「それで、俺たちのステータスを開示したいと」
「そういうこと。勿論、個人情報だからシン君たちが公開したくないっていうのなら何とか拒否するんだけど」
「それをすると、学園長の立場が悪くなると」
「そういうこと。できれば公開してほしいいんだけど」
「俺は構いませんよ。特に隠すものもありませんし」
嘘だ。
称号の転生者とか知られたらまずい。
が、スキル「偽装」でステータスの転生者や奥の手などのいくつかのアーツやスキルは隠してあるので問題ない。
この「偽装」を見破ることが出来るのはミコたちを除けばほとんどいないはずだ。
ちなみにミコたちも同じように知られたらまずい情報はステータスを「偽装」している。
「私も問題ないです」
「同じく」
「私も」
「私も問題ないです」
「私も問題ない」
皆も問題ないようだ。
「何なら、俺たちのことは好きに「鑑定」してくれた構わないって伝えてください」
「いいの?」
「俺は大丈夫です。ミコたちは?」
「私も問題ないわ。人って自分の目で見た情報しか信じないし」
「私も賛成」
「私も」
「私もよ」
「私もー」
「ありがとう。じゃあ、そう伝えさせてもらうわ。今日はもう試合ないしゆっくり過ごしてね」
そう言ってマーゼはどこかに行った。
「それじゃ、俺たちはどうする?」
「シン、ミコ、セーラ。「白黒銀世界」で休ませてくれないかしら?」
「俺は問題ない」
「私も問題ないわ」
「私も」
俺もミコもセーラも断る理由もなかったので「白黒銀世界」を発動した。
「そうだ。ユア、ユイ。お前たちに予定よりもちょっと早いけど俺たちの秘密も話したし「超強化」とかのスキルを与えたいんだけどいるか?」
「「いる」」
ユアとユイは息を合わせて即答した。
さすがは姉妹だな。
「それじゃ、早速やるか」
「それじゃあ、私たちは離れたところで適当に過ごしてるわ。何かあったら「念話」して頂戴」
そう言って、ミコ、セーラ、ゼミルは「エリアテレポート」で少し離れたところに転移した。
そして俺はユアとユイに「超強化」や「超鑑定」などのスキルに必要なスキルを片っ端から取得してもらった。
あとは、俺が統合、進化させるだけだ。
「お疲れ様。これでスキルの取得は終わりだ。あとは俺の役目だ。最初に言っておくが覚悟をしとけ」
「「覚悟?」」
「やればわかる。肩に触れてもいいか?」
「問題ないわよ」
「私も問題ない」
俺は二人からの許可を貰って二人の肩に手を当てる。
「それじゃあ、始めるぞ」
俺はセーラやゼミルにやってきたように、二人の魔力を流して「創造」でスキルを創りかえていく。
そういえば、二人同時は初めてだな。
まぁ、何とかなるだろう。
俺はそのままスキルを創りかえていく。
「う、は、はぁ」
「こ、これ、ヤバ」
二人とも快楽に悶えている。
まぁ、これに関しては俺のスキルを取得するなら誰もが通る道なのでしょうがない。
「あ、う、ユア、ユア、ユア」
ユイがユアの名を呼ぶ。
「あ、はぁ、ユイ、ユイ、ユイ」
ユアがユイの名を呼ぶ。
そして二人は手をつなぐ。
それも普通につなぐのではなく、指を絡める。
ぞくに言う恋人つなぎというやつだ。
微笑ましいな。
俺はそんなことを考えながらスキルを創りかえていくのだった。
「よし、完了。二人ともお疲れ様」
「はぁ、はぁ。ユア以外に快楽を感じさせられるなんて私としたことが」
「いいじゃない。スキルも得られたし」
「ユアがいいならいいや」
ユイは相変わらず、ユア至上主義だ。
「ついでにアーツも創らないか?勿論無理する必要はないが」
「アーツってそんなにすぐに創れるものなの?」
「アーツって結構、熟練の武術家し使えないイメージだけど」
「勿論、完全にゼロからってのは難しいだろうが。他人のアーツを真似るのはそこまで難しくないからな。今回、二人に創ってほしいアーツは俺の「黒世界」のユア、ユイ版だ」
「なるほど。確かに異空間を自分で展開できるのは便利だもんね」
「確かに、毎回シンたちにお願いするのも申し訳ない」
「別に俺たちに遠慮する必要はないが、使えた方がいいに決まっている。ってわけでここで創ってしまおうってわけだ」
「「なるほど」」
そして、俺は二人にアーツの作り方を教えた。
すると、二人ともすぐに出来てしまった。
「二人とも、完成したようでなによりだ。さてと、それじゃそろそろミコたちと合流しようか」
「「了解」」
そしれ俺たちは「エリアテレポート」でミコたちのいるところに転移した。
ミコ視点
時は遡り、シンがユアとユイにスキルを取得させている間に私たちは別のことをするためにシンたちから少し離れたところに転移した。
「ゼミル。貴女、アーツを創る気はないかしら?」
「アーツを?そりゃ創れるのなら創りたいけど」
「実はあなたに、アーツを創ってほしいのい」
「それは勿論嬉しいけど。どんなアーツ?」
「私の「白世界」やセーラの「銀世界」みたいな異空間を創り出すアーツよ。自分で創れた方が何かと便利でしょう」
「そうね」
「だから、もう創ってもらおうと思ったのよ。セーラはその手伝いをして頂戴」
「了解」
「分かったけど、じゃあ具体的に何をすればいいの?」
そこから私はアーツの創り方などをゼミルに教えた。
ゼミルはアーツの創り方を聞くとすぐにアーツを創ってしまった。
「出来たわ。使ってみていい?」
「勿論いいわよ」
「それじゃあ「闇世界」」
ゼミルがそういうと、私たちの周りが濃い紫色に染まった。
シンの「黒世界」とはまた違う感じね。
似てはいるけれど。
「あれ、でも空間を展開したつもりなのに侵食しか出来てない?」
「そりゃそうよ。だってここは私、シン、セーラの三人の魔力によって構成された異空間よ。ゼミル一人で空間を支配する。つまり塗りかえることは不可能よ」
「なるほど。それもそうか」
「空間の展開を試すなら一回外に出ないとね。シンたちはまだまだそうだし他にもいろいろ試してみたら?」
「そうする」
「手伝うことなかったわね」
そんこんなでゼミルは「闇世界」で色々なことを試している。
私とセーラはそれを雑談しながら眺める。
すると、スキルの取得が終わったらしいシンたちが転移してきた。
シンは黒、ミコは白、セーラは銀。
そして、ゼミルは闇。
ユアとユイは何色でしょうか?
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