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36…リリーは寂しいから甘えたい

「俺が帰って読んできたら良いか?」


 パクツとオウカ公爵が相談中だ。


「んー……パクツに今ここを空けられると、正直、困るかもしれない。あまり良い予感がしないんだよね……」


 溜息をつきながらオウカ公爵が悩んでいる。


 タイムは、こんな話の中にいて良いのかキョロキョロしていたら、父親と目が合った。


「タイム!! お前読みに帰れ。なあ、こいつは俺より頭が良い。あれくらいの書物なら読込めて、理解出来る」


 タイムを指差して、パクツはオウカ公爵へ向いた。


「古文じゃないよ?! 古代文字が読めるの??」


 オウカ公爵の勢いに押されつつ、タイムは肯定の相槌をうって返事をした。


「数年前に暇してた時、ちょっと遊びで教えたら、すぐ覚えたな」


 弟は賢いけど、甥っ子は天才なのか!


 オウカ公爵は目をキラキラさせてパクツとタイム父子を交互に見た。



「で、俺はここの魔剣の禁書を読む。どうせ地下辺りに置いてあんだろ……っておい、すげー顔してんな。いや、俺は誓約してねえし、何でも喋れるからな。ははっ! 便利だな! 誓約してなくて良かったよな」


 パクツは豪快に笑い飛ばした。


 オウカ公爵は、今まで自分の確固たる常識だと思っていた何かを、パクツに勢い良くボッコボコに崩されていくのを感じた。


 フリーズしている兄を見て、パクツは苦笑いしている。


「とりあえず、タイムは今から帰る支度しろ」


「はい! では伯父上、失礼します」


 タイムはすぐ指示に従い、部屋を出た。



「帰る前にリリーに会いたいな……会えるかな」


 独り言を言いながら、速歩きで部屋まで戻り、従者達に帰宅の話をして、幸運なことにリリー達に見送られながら帰路に着いたのだった。




 タイムを見送った後、オウカ公爵はパクツに地下の鍵を渡し、執務室へ仕事に戻った。


「何か……真面目に誓約しなくて良いのかもしれない。寧ろしない方が良いのかな」


 オウカ公爵はブツブツ呟きながら、階段を上がっている。




「リリー、お前は来ない方が良いだろ」


 リリーが付いて来ているのに気付いて、パクツはリリーに戻るように促したが、一向に戻りそうにない。


 リリーは、父たちがマリル関係の何かしらの事で慌ただしく動き始めたことは感じ取っていた。

 きっとタイムが帰ったのも、その事だろうと。

 タイムが仲間に入っているのを見て、リリーは自分だけ取り残されているような気がして、寂しくて、パクツに付いて行っている。


 珍しくしょんぼりしているリリーを見て居た堪れなくなったパクツは、指で来い来いと呼んだ。


「お前のお父様には内緒だぞ。近くに居るだけだ」


「はいっ」


 リリーは嬉しそうにパクツの腕にしがみついて、地下へ向かった。




「叔父様は古代文字が読めるんですか??」


 リリーは驚いた顔をして、ソファに胡座をかいて座りながら禁書を読んでいるパクツの方へ向いた。


「ああ、昔、お前のお父様に習ったんだ。あいつ、かなりスパルタだったぞ」


「私は少ししか……これは何て?」


 リリーはパクツの胡座の上に、小さい子どもの様に座って、まるで絵本を読んでもらうかのように本を見せた。


「お前なぁ、誰それ構わず座り込むんじゃねぇぞ」


「はい、大丈夫です」


 いや、俺が大丈夫じゃない……


 しかしパクツは色々言うのを諦めて、リリーのチャレンジしていた禁書を一緒に読み始めた。


「うおっ、お前ナイスだな! 場所についての本だ」


「本当に?!」


 リリーはパクツに寄り掛かって、次から次へ古代文字の読み方を教えてもらった。

 親子だか恋人だか、わらない距離で。


 初めは探していた内容の本だったのでテンション高めだった。

 ところが、読み解いていくうちに、2人はどんどん真剣な表情になっていった。






 魔剣は、オウカ公爵邸の地下にある、と載っていた。




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