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24…リリーへの距離感バグ

 リリーはアキラとユウの元を訪れ、人払いをした上で防音魔法をかけ、オウカ公爵に許可された少しだけの内容を2人に説明した。


 マリルは公爵の娘ではなく縁遠い市井出身の知合いの娘であること、条件的に来るはずでなかったことから後に黒幕がいるであろうこと、しかしその目的が今は全くわかっていないということ。



「ざっくりと言うと、こんな感じなの。全て口外しないで欲しいのだけど」


「まぁ確かに穏やかさに欠けるし、本当に血縁者なのか疑問には思ってたから、納得できるな」


 ユウはそうい言ってアキラの方を見た。


「…………」


 珍しく無言のアキラに、リリーは首を傾げた。


「……アキラ??」


「あ、いや、ごめん。ちょっとボーっとしてた」


 アキラはまだ考え込んでいる。


「……ちょっと気になる仕事があって。本当にごめん、ちょっと席を外すよ」


 アキラはリリーの頬にキスをして、反対の頬にもキスをして、急いで部屋を出て行った。


「兄上どうしたんだ?そんな仕事あったのか……」


 ユウはいつものようにリリーの頬を手で拭きながら、2人でアキラの出ていった扉を見つめていた。





「ただいま帰りました、お父様」


 執務室で、リリーはオウカ公爵に2人に話した内容を報告して、自室へ戻ろうとした。


「ああ、そういえば、第一皇子殿下は…」


「アキラ? 何だか用事があるって早めに執務に戻ったわ」


「そうか、ちょっと用事があったんだ。また明日皇城でお話してみよう」


 急ぎの用って、お父様絡みのことだったのかしら?無くはないわね。前も一緒にお仕事していたことがあったもの。


 リリーはオウカ公爵に挨拶をして、部屋を出た。




 最近リリーは考えてばかりで落ち着かない。

 シリイにリラックスできるお茶をお願いしようと考えながら歩いていた時だった。


 ロビーが慌ただしくなっている。

 こんな時間にどうしたのかとリリーは不思議に思いながら2階の廊下から様子を見に行くと、慣れた声に呼ばれた。


「リリ!!」


 ロビーにいたのは、アキラだった。

 確かに、突然第一皇子が訪問したら皆急いで対応しなければならない。


 アキラはリリーにこっちにおいでと、手を広げている。


「アキラ! どうしたの??」


 リリーは急ぎ足で階段を下りてアキラの元へ向かった。

 後の方でシリイがため息をついて、何か言いたそうな雰囲気を出していたけれど。


 アキラは広げていた手でリリーを抱きしめて、そのまま抱き上げて1回転した。前はすぐ下ろしていたのに、最近はなかなか下ろさない。

 リリーは、子どもでもない大きな自分が子どものように抱っこされているのが、流石に恥ずかしくなってきた。


「な、何か急ぎのご用事??」


「ああ、公爵に少し」


 アキラはそのまま喋って、まだリリーを下ろさない。

 寧ろもっと抱きしめてきた。


「……第一皇子殿下」


 見かねたシリイが、そろそろお止めくださいと釘を差したので、アキラは溜息をついて残念そうにリリーをゆっくり下ろした。


「お待たせしました、第一皇子殿下」


 オウカ公爵がやって来た。

 アキラは公爵の方へ振り向き、手を上げて挨拶をした。

 向かう前にリリーの方へ戻り、いつものように頬にキスをした。


「リリ、またな」


 執務室に向かう前に、公爵はおさえきれない怒りを抑えながら頑張って諭すように……出来なかったらしい。


「第一皇子殿下! そんなに簡単になさらないで下さいと何度も申し上げております!!」


「あはは! すまんすまん! 公爵の前では遠慮してたんだが、忘れていた」


 オウカ公爵が凄い形相になった。


「私の前だけでなく、どこでもです!! 本当にっ……お小さい頃から申し上げていますのに!!」


「すまない! わかった、わかった!」



 周りにいる全員が、第一皇子は絶対聞き流しているだろうなと思いながら、2人を見送った。


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