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100…取り返すが

『ねぇ!何が、どうなってんの?!』


 聖神が苛つきを隠さず怒鳴っている。


「俺等が来た時はリリーは普通に起きてました」


 タイムが即答する。


『てめー今のうちにリリを離しとけ』


 こちらも苛つきを隠さず竜神を見据えている魔神がいる。



 しかし竜神は何か可笑しそうに笑っている。


『嫌だよ』


 チッ


 魔神は舌打ちして、視線だけ左右に動かした後にノーモーションで指を鳴らした。




『はぁ……』


 突然の風に、竜神は面白くなさそうに溜息をついた。


 気付くと、あの場に居た全員が突然外に出ていた。ここは、オウカ公爵邸の裏にある練習場だ。


 リリーが聖神と魔神を元に戻した場所……




『今はここしかよく知らねーから、なっ』



 魔神が竜神に攻撃を仕掛けた。


 すると竜神は魔神の方へリリーを投げ捨てて、後方へ距離をとった。


 魔神はふわっと受け止めて、リリーのとりあえずの無事を確認した。弱いけれど息をしている。

 安堵のため息をついてリリーを抱きしめ、魔神は後退して座り込んだ。


 『お前行け』と雑に聖神に言って、立ち上がらない。

 聖神は勿論、酷い顔をして魔神を睨んでいる。




『ああ苛つくな!!今回も邪魔するなんて、お前達何なんだ。同族になんて会いたくないのに。面倒くさい。最悪だ』


 竜神の言葉を聞きながら、それはそれは不本意そうに聖神が歩いて竜神の方へ向かっていく。


『あら、それはそっくりそのままお返しするわ。そろそろ手を引いたらどう?』


 そんな提案は聞く価値もないと言わんばかりに、竜神は話している最中の聖神に攻撃し始めた。


 神同士だとやはり直ぐ決着がつかないので、竜神が苛ついているのがよく分かる。

 すると手から煙幕の様な物を出し、聖神の視界を遮った。


『邪魔くさいわねっ!!』


 聖神は一瞬で吹き飛ばしたが、その瞬間にもう竜神は魔神とリリーの方へと向かっていた。

 スピードは竜神の方が上なので追い付けない。


『ちょっとは防げるでしょ?!』


 大人数を2度も移動させ、しかも最後はかなり神力の必要なやり方や距離だったので、魔神は実は神力が少なくなっている。


 それが分かっていたので聖神も嫌々ながらも先攻をきったのだ。


『ちょっとはな!』


 魔神は舌打ちをしながら防御に集中し始めたが、もう竜神はすぐそこだ。時間がない。




「兄上!」


 ユウは抜刀しながら反対の手をアキラに向け、アキラは即ユウの手を叩いた。


 魔神がとりあえずの防御をしていると、アキラとユウが目の前に現れた。



ガンッ



 聖剣と魔剣が、竜神の腕を受け止めた。



『!!!!』



 竜神は怪訝な顔をして、一飛び後退した。



『……何なんだ、その剣は』



 竜神は自分の力が入らなくなった手を確認して、アキラとユウを睨んだ。



 アキラもユウも、何のことだが分からず、2人で目を合わせて当惑している。



"その剣、まだ何か入ってんじゃないすか?"



 アキラの頭の中に、数ヶ月前のタイムの言葉が蘇る。


 ユウにだけ聞こえるように、アキラは呟いた。


「神が憑いていただけでも、普通じゃないよな」



 ユウもつられて呟いた。


「確かに、俺達が丸腰なら今のは絶対に打ち負けてるはずだ」



「約1ヶ月振りの兄弟の会話中に申し訳ないすけど、きますよ!! 剣みたいの持ってます」


 近くにいたタイムが2人に声をかけた。


 竜神は素手で剣に触れたくないのか、剣の様な物を創り出し斬り掛かってきた。


「鍔迫り合いとか、近くに留まる事はしないで下さい! 変な感じがします」


 タイムの声掛けが良いところを突いていたのか、竜神は『邪魔だな』の言葉と一緒にタイムの前に現れた。


 瞬間竜神が斬り掛かってきたが、タイムは剣で弾き返した。

 竜神は剣とタイムを交互に見て『お前もか……』と呟いている。


『まあ、剣筋は良いが。私の相手じゃないな』


 そう言って、竜神は先程よりも速く剣を振り、タイムを後から斬った。


「いっってぇ!!」


「タイム!!」


 アキラが叫んだのを見て、タイムは平気そうに手を上げた。


「大丈夫なんで、自分の心配して下さい。ちょっと寝てます」


 本当は大丈夫かどうかわからない。タイムは初めて斬られる感覚を味わっている。


 思ったより血が止まんねぇな……


 横になったまま、タイムは意識が遠くなっていくのが分かった。




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