ご縁ですから
十年以上前の正月休みに大阪楽器店巡りと称して大阪の主たる楽器店を廻った
正月休みは子どもたちがお年玉を貰ったあとなので、楽器屋もなんとか自分のところにお金を落としてもらいたくて、あれこれ企画している
SALE大会
私の場合何を買うでも無いが、音楽野郎の習癖で楽器屋巡りを無性にしたくなる時がくるので、その心に素直に従うだけのこと
この日も
何か面白いものはないか?
何か掘り出しものはないか?
おお!と言うものがないか?
それだけの理由で楽器屋巡りをしていた
大阪では古くからある有名なお店に入った
この店はけっこう変わり物が多いので、秘密兵器みたいな物をよく見かける
へぇ~こんなものがこの値段であるのか?
思わず衝動買いしそうになるがそこはもう大人なので、若気の至りは起こさいないように気をつけている
まあ、気をつけてはいるが、音楽野郎の性はなかなか難しいのも事実だ
その日は壁にぶら下がっているあるギターに目が止まった
おや?
それとは?
いつかはこのギターを持ちたいと思っていた逸品だった
中古品ではあるがやはり高額なギター
GIBSONのL-5というフルアコースティックギターでJAZZギターの代表機種、あるいは音曲漫才で使用の代表機種として君臨しているギターだ
GIBSONのフラッグシップモデルと言っていいギターで、まあ100万円越えで取引される高価なギター
壁にかかってあるL-5は珍しくバーガンディ色と言って、ワインレッドのような色の物だった
価格は72万円
安いけど高い!
それが素直な感想だった
何でも楽器店の人がアメリカへ行って所有者から直買いしてきたらしい
新品なら買いもしないのに触るのは躊躇するレベルだが、中古品なので試奏させてもらった
ギターを抱えて、やはりでかいなぁ
アンプにつないで音を出す
おおおおおお!
やはりいい音
これは凄い
とても気持ちがいい
いいなぁ
JAZZだ!
やはり憧れていただけのことはある
ひとしきり弾いてギターを店員さんに返した
ほしいなぁ・・・
しかしここでぐっと立ち止まって
「ここで衝動買したら単なるアホやな」
この決意は揺るがなかった
お店に人にまた縁があったら買いに来ます
と告げてこの店をあとにした
それから毎日このギターのことが気になってはいたが
物がGIBSONのL-5で、色が珍しいバーガンディだし、価格もこのギターにしては高くもない
となるとマニアもいるから、すぐ売れるか、残るかのどちらかだな?だと思った
3ヶ月後ネットでまだこのギターが残っていることを知った
これは買いなさいというお告げだと勝手に思って買いに行った
支払いはカードの一括払い
カードの決済時に店員さんが「あっ!通った」と意外そうに言ったのが面白かった
確かにそうかもしれない・・・
その後JAZZの演奏の時はこのギターがメインとなった
周りの反応が面白い
このギターを演奏現場で出すと
「あ!L-5だ!」と言う方が必ずおられる
そういうステータスのギターなんだ
これはギターに恥じない演奏をしないといけない
良い楽器は技術と精神の鍛錬にはもってこいであり
表現力も広がり向上する
楽器は金だ!
高い楽器はいいのだ!
と、つくづく思うことが多い






