〜眠姫との出会い〜
とある国の王子が旅をしていた。
王子がある時、辿り着いた国は、
薔薇の花が咲き誇る国だった。
国中が花の香りに包まれ、
色とりどりの薔薇が美しい国。
そこで、美しい姫を見た。
咲きたての白い薔薇のような肌の白さ、
唇は赤い薔薇の花びらのように色鮮やかな赤。
王子を見て、頬をピンクの薔薇のように染めた姿は美しさの中に可憐な可愛らしさもあった。
姫は、異国から来た王子に一目惚れをした。
王子は、端正な顔立に均整のとれた体、
凛々しい表情、立ち居振る舞い。
全てが美しかった。
それでいて、姫に微笑む時の優しく柔らかな表情のギャップが姫を虜にした。
王子もまた、姫の美しさ、そして王子を見て恥ずかしそうに頬染める可憐さに一目惚れをした。
姫の名は『眠姫』
生まれたばかりの頃、眠る姿のあまりの愛らしさに王様がそう名付けた。
王子は、眠姫の両親である王様と妃に許しを得て、姫と婚約をした。
「一度、国に帰り、自分の父である国王にも許しを得て改めて姫を迎えに来る」
と約束をして、王子は自国への帰路についた。
眠姫は王子が迎えに来ることを心待ちにした。
……続く。