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〜白雪との出会い〜
とある国の王子が旅をしていた。
王子がある時、辿り着いた国は、
一年中が冬の国だった。
国中が真っ白な雪に覆われていた。
そこで、美しい姫を見た。
雪のように白く、唇はサンキライの実のように赤い。
漆黒の黒髪、長いまつ毛が白い肌に映えていた。
王子は、姫の美しさに目と心を奪われた。
一目惚れだった。
名前を『白雪』と言った。
姫もまた、異国から来た王子に一目惚れをした。
王子は、端正な顔立に均整のとれた体、
凛々しい表情、立ち居振る舞い。
全てが美しかった。
それでいて、姫に微笑む時の優しく柔らかな表情のギャップが、姫を虜にした。
白雪の両親である王様と妃に許しを得て、
姫と婚約した。
「一度、国に帰り、自分の父である国王にも許しを得て改めて姫を迎えに来る」
そう約束をして、王子は自国への帰路についた。
白雪は王子が迎えに来ることを心待ちにした。
……続く。