恋
「大丈夫か? 添い寝してやろうか?」
「………」
キョウは怖い夢を見たのだろう。涙目になりつつ、パースの顔を見ていた。
なんだかその表情が誘ってるかのように見えたパースは自分を戒めた。
「悪いな。俺がベッドで寝てたから、お前、椅子で寝てたんだろう? ベッド空いたから」
キョウはパースの左手をつかんだ。
「……パースは機械じゃないよな?」
キョウは怯えてるようだった。
「機械が怖いか?」
パースは静かに聞く。
キョウは首を横に振る。
「わからない。ただ、そんな夢を見たんだ」
その時だった。
外で、ゴンという物音がした。
「わっ!」
キョウがパースに抱き着く。
大した物音でもなかったが、よっぽど怖い夢でも見たのだろう。
「今日はいてやる」
とパースはキョウの頭をぽんぽんする。
時間的にも距離的にも帰れなくもないのだし、キョウに断られると思ったが……
キョウは頷いた。
――こいつ、男もイケるんだっけ?
と期待したパースだったが、ベッドは二つあった。パースは残念がる。
だがパースの主義として彼女持ちの男に手を出すわけにもいかず、別々のベッドに寝るのだった。
* * *
深夜――
さきほど、ミンの邪眼で寝てしまったせいか、パースは寝付けずにいた。
聞くとはなしに、キョウの寝息を聞いていた。
シヴァが言ってたように、キョウから魔力をまったく感じない。
だが魔力がまったくないのなら邪眼にかからない訳もなく……?
ミンがなぜキョウを狙ったのかも気になった。が、パースなりに予想がついた。
――ミンがキョウに惚れていたんだろう。
彼女持ちのキョウに掘れてしまったなら辛いだろう、なんて少し同情してしまう。
それはパースの誤解かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ミンを惚れさせるなんて、キョウも罪作りな男だ。
ふと、キョウはどんな寝方をしてるのか気になった。
さっきみたいに目を見開いて寝てるのだろうか?
パースは立ち上がり、恐る恐るキョウの顔を覗き込んでみた。




