夕方の訪問-2-
その意味に気づいて、キョウは赤くなった。
「いや、その時は導師もいたし」
「導師ってレファイ家の魔導師?」
キョウは頷く。
「えー? 気が利かない男だな」
と、言いつつもパースはにやにやしている。
キョウが動揺しているその隙に、パースは思い切って聞いてみた。
「なあ? なんで髪切られた?」
「……これは自分で切った」
「あの女隊長さんが人質に取られたんだって?」
「誰から聞いた?」
一応は、ルウ族皆口外しないことになってるはずだった。
「内緒だけど、ランズから聞いた。犯人は誰かわかってるのか?」
「あぁ……あ! いや」
パースはやれやれとため息をつく。
「言わないってことは犯人の素性は知ってるってことだろ? ルウ族の中にいるのか?」
「………」
「……お前が喋ったって誰にも言わないから」
パースは小声で聞いてみた。
キョウは手が止まったまま、だんまりだったので。
パースはじっくりキョウを見る。
よほどのことがあったんだろうと推測はするが、キョウは黙ったままだ。
「悪かったよ。そんな言いづらいなら聞かないよ」
その時、キョウの家のドアが呼び鈴が鳴った。
* * *
キョウがドアを開けると、玄関にいたのは意外な人物。
ミン・ラテーシアだった。
「こんばんは」
ミンは、一番隊隊長であるガイルの姉であり、強い魔法使いである。
ミンは一番隊の兵士と来ていた。
「ちょっと、夜の散歩しててね」
ミンはにっこりと微笑む。
「そうなんだ」
「月が奇麗よ」
とミンはキョウの手を握り、外に引っ張り出そうとした。
後ろに控えている兵士は、なぜか下を向いてキョウとミンの方を見ないようにしている。
「あの、客が来てるから」
キョウは、ミンの手を離した。
「え???」
ミンは意外そうに目を丸くした。
「ねえ? それよりも……」
ミンはじっとキョウの瞳を見つめた。
「私の目を見て……」
キョウは不思議に思ったが、言われた通りミンの目を見た。
「……? ゴミは入ってないみたいだよ?」




