夕方の訪問-1-
* * *
その夜、パースがキョウの家を訪ねてきた。
「お土産にラーメン買ってきたから、一緒に食べようと思って」
「うん」
それを聞いて、キョウは笑顔でパースを家に招き入れた。
どうやら、キョウは一人で家にいたらしい。
「一人か?」
てっきり、広場でデートの後はファウが泊まる予定でもあるんじゃないかと思っていたのだが。
パースにとっては、一人ならそっちの方が都合がいい。
「……? うん。一人暮らしだけど? 知らなかったっけ?」
「いや、そうじゃなくて、あの女隊長さんがいたら邪魔かなーって思ってたんだ」
「そういう意味か。……結婚してるわけじゃないし」
「そんなもんか」
パースは材料をテーブルに並べる。
「キッチン貸してくれよ。ラーメン作るから」
と、パース。
「いや、私が作るよ。長旅で疲れてるだろう」
キョウは立ち上がる。
「それとも麺の茹で方とかこだわりがある方?」
「……いや、特には」
かくして、キョウはラーメンを作り始める。
パースは椅子に座り、そんなキョウを見ていた。
料理を率先して作ってくれるなんてやっぱり運命の相手なんだなー、なんて思いながら。
* * *
「はー。うまいなー」
パースはラーメンを食べながら、しみじみ言い放つ。
「なんか、お前の作ったメシ食うと、ルウの地に帰って来たなーって実感するわ」
「大袈裟な……」
と、キョウ。
メニューは、ラーメンの他にチャーハンと大根の酢の物がある。
「本当だって。長く離れてると故郷の味が恋しくなるんだよ」
「そういうのは奥さんの料理食べて言う言葉だろ」
「やっぱり、お前は俺の運命の相手なんだなー」
「また、それか」
キョウは呆れ気味だ。
「てっきり、俺のために髪伸ばしてると思ったのに……」
「なんでだよ」
「こんなうまい料理食わしてくれて、あんなきれいな髪で、男はみんな誤解するって」
「私も男だ」
「なあ? お前の料理ってあの女隊長さんも食べたのか?」
「うん」
「へえぇ……?」
パースはにやりと笑った。




