姉弟
「魔力が消えたことに関係あるか?」
と、パース。
「!?」
ランズは驚いている。
「キョウの魔力が消えてるのか?」
「ん……いや、わからない。さっきのキョウから魔力を感じなかったから」
「そうか」
ランズは事件の経緯はおおまかには知っている程度だ。
「俺はこう思うんだ。あのすぐ後に雨が降っただろう? お前は知らないかもだけど。最高位が雨降らすためキョウの髪を使った呪術的なことがやったんじゃないかと思ってさ」
「………」
そういう推理もあるか、とパースは妙に納得した。
「しかし、砂漠のこの地にとっては雨はいいけど、あの髪も惜しいな」
「髪ならレファイ家の魔導師もきれいな銀色だろう」
「あぁ、あれ? あれは染……そそらないよ」
「男相手にそそるってなんだよ」
豪快に笑うランズは対し、パースは冷や汗をかいていた。
* * *
たこ焼きを買いに来たのは、ガイル・ラテーシアとミン・ラテーシアだった。
「あ、どうも。ガイル隊長」
シヴァはにこやかに挨拶する。
「私服姿もかっこいいね」
「用心棒じゃなかったのか?」
ガイルは、店番をしているシヴァの姿に驚いていた。
「用心棒だけだったらルウの地の中にまで来ないって。商売もしたかったから観光がてら来ちゃったんだ」
シヴァは生地をタコ焼き機の鉄板には流し込む。程よく焼け目がついたところで串で転がすと、液体だった生地が丸い形になっていく。
その様子をおもしろそうに、ガイルは見ていた。
美味そうな匂いに釣られ、ガイルはたこ焼きを買う。
「そちらのお姉さんは?」
実際、シヴァは、ガイルの隣にいるのが姉かどうかは知らなかったが、パースから聞いていた話からこの人が姉だろうと判断していた。
「一ついただこうかしら?」
そんなシヴァの言葉に違和感を感じるでもなく、ミンは少し離れた位置にいるキョウとファウを見ていた。
ミンがたこ焼きを受け取ると、客がちらほら並んでいた。
ガイルとミンは、店から離れた。




