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その後


 朝というには少し早い時間。


 キョウはベッドの中で目が覚めた。すぐ隣にファウの寝顔があった。

 しばらくキョウはファウの寝顔を見ていた。

 いい夢だなー、なんて思っていた。



――これは夢? あれ!?

 なぜか、キョウはファウの腕枕の中で寝ていた。

 腕枕の中、ファウの吐息が顔にかかる。

 夢にしては生々しい。


 そういえば、昨夜はファウのために使ってないベッドを準備して、自分は長椅子で寝たはず。

 なんで一緒のベッドに……?

 しかも、ファウの腕枕で寝てる。


――夢じゃない!

 キョウは起き上がろうとすると、ファウの反対の腕ががっちり押さえ込んできた。


「……あのファウ? 起きてる?」

 だが返事はない。

 ファウは眠ったまま、キョウをがっちり押さえていた。


 キョウはほっとしたような残念なような……


 キョウは、ファウを起こさないようにそうっと腕から抜け出そうとした。だがファウはがっちりキョウをつかんでいる。

「おはようのキスしてくれたら、起きる」

 目をつむったまま、ファウが言った。


「起きてたのか、ファウ。この腕を外して……」

 だが、ファウは目をつむったまま返事をしない。


 キョウは顔を近づけ、そっとキスした。


 それを合図にしたように、ファウはがばっと起き上がりキョウに覆いかぶさるように唇を重ねた。

 キョウはファウの背中に手を回し抱きしめる。

 このままつながっていたいと思った。




     * * *


「昨夜は何してたの?」

 と、ファウ。


 二人は今度は同じ枕に頭を並べて横になっていた。



 キョウはレファイ家で療養中だった。

 それが誰にも何も告げずいなくなれば心配もするのも当然だ。


 キョウは昨夜の出来事を話した。

 リゾとクスナが雨を降らせていた。それで体力も魔力も限界になって倒れた二人。

 その様子を、死んだはずのレンがキョウに夢で教えた。レンは泣いていた。


 その後のことは、キョウも記憶があやふやだ。

 力を貸して、みたいなこと言われたような気がする。

 気づけば、夜の砂漠を歩き、あの場所にたどり着いていた。

 リゾに回復魔法をかけたような気がするが、キョウはもはや魔法を使えない。

 レンに、キョウの体を貸した……という解釈であってるだろうか?

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