第7話「悔やんで、悔やんで悔やんだ肉体」(朧作)
タイトルがネタバレ。ごめんなさい。あとでいいのあったら変えます。
全員で協力してこれから生活していくための基盤を整えた俺たちは、外に出ることに興味を向け、実際に外に出ることになった。なるべくいいパーティ編成にしようということになり、俺と悠也と大翔は同じパーティになった。そのほかに、魔術師が2人と剣士が1人来ることになった。前衛3人に後衛2人に支援1人の合計6人パーティで、バランスがいいパーティだと思う。大翔がLVを上げることができることを証明し、それによってステータスが上がるに伴い、身体能力も上がるのもわかったので全体的な底上げをしておこうという話になった。
自分たちより弱い動物たちを一方的に倒してしまうのはすごく、すごく忍びない。だが、食料を確保しなければ、クラスメイトを餓死させるわけにはいかないのだ。
倒した魔物の肉を『完全収納』に収納する。出し入れしてもMPは減らないのを見ると、有能なスキルというのがわかる。有能なスキルだから、とても便利に大切にされているのだから。
生きているものは収納できないので生死の確認にも使える。さらに時間経過がなくなることもわかっている。唯一の欠点と言えばLVが低いと収納可能数が低いことなんだがそれもLVが上がると変わるだろうし、『収納拡張』で多くなっている。積極的に使っていってその欠点をなくそうか。
「そろそろ戻ろうか。収納数に余裕はあるか?あるなら帰るときにも収納してほしいんだが。そっちの方がいいだろうしな。」
いろいろとこれからのことを話しながら歩きながら帰っていると、ふと異変に気付く。いつもだったら数分に一回は遭遇するはずの動物たちに十数分間、あってないことに気づく。
「おかしいな、何かの前兆か?みんな警戒しておいてくれ。」
悠也がみんなに言い、それに従い警戒する。数十秒後、木を壊しながら歩いてきたのはとても大きな熊。ほかの人が叫びそうになるのを制止し、『鑑定眼』を使う。
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塵殺熊
LV82
HP8000/8000
MP500/500
STR5000
DEF2000
SPE1500
DEX300
INT300
スキル
『塵殺』LV3
『拳術』LV8
『能力強化』LV1
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・・・・えぐいな。今まで戦った中で強かったのでも一つもステータスを超えられたことはなかったはずだ。そうなると、この森の中でも上位者ということになる。
「ちっ。強すぎるな。スキルをうまく使えば勝てそうだが。見つかったらまずい。奇襲するべきだと思うが。どうする?」
そういってきたのは悠也。・・・・・どうするか。二人から聞いたスキルを活用して、遠隔収納を使うなら・・・!
「全員、話がある。聞いてくれ。」
「よし、わかった。それで行こう。ほかに意見はあるか?・・・ないみたいだな。じゃあ、準備する。」
そういうと、二人は走り出し、奇襲する。最初から頭を狙う・・・・。だが、避けられる。多分、『能力強化』は五感を強化する類のものなのだろう。察知されていたっぽいなぁ。
だが、二人はそれを知っていたかのように剣を振り下げて腕を狙って、両腕を斬り飛ばす。よし!俺の作戦はこれだ。即死を狙うのは本当に熊だとするならば、無理だろう。それなら、比較的斬りやすい腕をやり、奴の攻撃手段をなくせばいいのではないか。そして・・・。『完全収納』で両腕を収納し、何もできなくする。
ちっ!もう、腕から血が出てないだと?!自然治癒能力高すぎないか?!・・・・だが、腕はもらっている。全員での全力攻撃でどうだ?!
魔術師、剣士の全力攻撃で熊を倒そうとする。気になった俺は、奴のステータスを見る。
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塵殺熊
LV82
HP 3200/8000
MP 100/500
STR 5000
DEF 4000
SPE 1500
DEX 300
スキル
『塵殺』LV3
『拳術』LV8
『能力強化』V2
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なんだと?!まだ、半分近く残ってる?あり得ない。・・・・まさか。DEFを見て、そう確信する。
多分、『能力強化』は常動型と発動型の併合型とでもいえるようなスキルなのか?常動型で五感を強化し、発動型でステータスのどれかを強化する。多分、防御力を上げて耐えたのだろう。
そして、奴は口を開けて大翔に顔を向ける。噛もうとしているのだろう。それなら腕を使わない。
だが、奴の思い通りにさせてたまるか!俺は『剣術』スキルのLV3で使用可能になる武技『抜閃』を使って、奴の横顔を突こうとしたが、奴の顔がニヤッと笑った気がした。
奴はこちらを向き開いた口は目の前にある。こうなったら・・・・・
死を覚悟した俺は剣を全力で突き出した。
「すごいね、君。あの熊を命を削ってでも殺すなんて。いや、失ってでもかな?」
ここはどこなのだろう。前、聞いたことがあるような声も聞こえ、顔を上げるとまた見たことがない場所にいて、それに、誰かがいる。
「誰だ、あんた。ここはどこなんだ?大翔と、悠也は無事なのか?」
俺の質問に困惑したように、その女神さまは苦笑している。
「えぇっと、急にそんなに言われてもわからないよ。うん。まずは私が誰かだね。お察しの通り女神さまだよ。亜人と祝福の女神トルーシャだけどね。つぎは、ここがどこかだね。ここは”私の”神域だよ。一応、基本的には誰も入れないようになってるね。最後に、二人は無事だったよ。ちょっとぐらいのけがはしたみたいだけど。君があの熊の体力を削りまくったからね。じゃ、ほかに聞きたいことはないかな?ないよね?じゃあ、次の話に行こうか。」
いろいろ説明されて、一応は納得して、強引に終わらせようとする女神さまに苦笑する。
「よし、まず、落ち着いて聞いてほしいんだけど、君は死んじゃいました。パクリってね。神術でも復活させてあげられないくらい、食べられちゃってたんだ。ごめんね。・・・あれ?動揺してないね。」
そりゃそうだ。あんな後になら、大体予想はついている。でも、あいつらが無事ならよかった。
「いや、話はここじゃあ、終わらないよ。まぁ、最初に死んだ子は復活させてあげて説明の子にしようと思ってたんだけど。君はそれじゃ無理だったんだよ。ということで、君には私が用意した肉体に入ってもらいます!決めてね。」
ゲームみたいに選べと言われたのでいるのはエルフだったり、獣人だったり、大体の亜人はそろってる気がするな。と、何を選ぼうか、悩んでいたんだが、最後のを見て一瞬で心を奪われる。それはロリでハイでエルフな肉体で完成されていながらも、未完成というのがすごかった。
「こ、これにする。この子がいい。この子を連れていく。」
この時の俺がちゃんと話を聞かない自分だったことを悔やんだことはない。
俺は説明を聞いた後、現実世界に戻って自分を見て、ロリになっている。
「えっ?」
硬直した。
朧「ふむ。ロリコンがロリになったねw。うれしいね。」
ポカー「聖剣・エクスカリバァーーーー!」
おぼ「えっ。」