第3話「纏わりつく風、不吉な前兆。」(朧作)
早いなぁ。いつもの朧さんじゃないみたい。
な、な、な、なぁぁぁぁぁぁ?!なぜ、奴があれを持っているぅ?!あれは、あれは、俺がコミケで手に入れた、極上品のレア中のレアの魔法幼ゴホッゴホッ魔法少女のキーホルダーをつけたカギだぞぉ?!ふざけんなよ?!なんでぇ?あいつがぁ。持ってるの?!
いや、待つんだ。あいつ自身の物の可能性がある。そう考えて、自分が入れていたはずのポケットをまさぐる。・・・・・・無いな。やばいな。かくなる上は・・・・・・・っ!!
「ま、まあ、待て。・・・顔を上げろ。」
土下座です。何か文句あります?土下座ですけど?プライド?そんなの、増原に渡したよ。当然だろ?プライド持っててこんなことできるか。それよりも。あげていいらしいので、顔上げます。
「これは返す。そして・・・俺をロリコン呼ばわりするのはやめろ。」
ふぇ?何言ってるの?大丈夫?頭、おかしくなっちゃたの?数日前なんか、かわいい小学生がいた!!!って喜んでたじゃないか。まさか、、、、貴様、偽物かっ?!・・・・・・まぁ、本物かな。だって、こいつ、別に曝け出してるわけじゃないからな。
「わかった。やめるにはやめよう。・・・・・・どうせすぐ、化けの皮は剥がれるだろうしな?」
「・・・・・なんか言ったな?」
「言ってない。」
危ないアブナイ。耳良すぎだろ。エルフかっ!後、睨むなにらむな。逃げるぞ。
「落ち着けよ。なんも言ってないから。まぁ、とりあえず宿題しようぜ?やってないだろ?・・・いや、頷くなよ。悠也。予想してたけど。」
そんな簡単にうなずくとは思ってなかったよ。悠也、お前、大丈夫か?もう、授業始まるぞ。俺はちょっとだけだから楽だけど。こいつはどうだろな。
「やってないわけない。やってないのはあと少しだ。」
そういうのをやってないっていうんだよ……。
昼休みになりました。キンコンカン☆コーンです。さぁ、ご飯の時間ですよー!昼ごはんも買ってきましたからね!食べようか。
「あ、屋上いかねー?今日天気いいし。寝たいし。愛でたいし。」
悠也と大翔を誘う。今日は屋上にはあまり、誰も行かない。なんでだろうな?
「最後のが狙いだろ・・・・・。人がいないっぽいからいいけど。」
悠也は行く、と。大翔は当然参加する、と。じゃあ、行きますか。
少しづつ、屋上に上る階段を上っていると、朝にも感じた風が纏わりついてくるような感覚に襲われる。今まではこんなことなかったはずなのになぁ。
「ふぅ。寝るかぁ。おやすみー。」
ご飯を食べ終わり、風の気持ち悪さもなくなると、途端に睡眠欲が出てくる。全員寝るらしいので腕時計で起きる時間を設定し、夢の世界へと旅立つ。
ピピっぴぴっぴぴっぴぴ
タイマーか。うるさいな。って起きないと。授業に遅れる。なんだか、夢が。・・・ん?どんな夢だったか。忘れたな。
「あ。起きろー。起きるんだー。」
隣に寝ている二人を起こそうとして、すでに起きているな。と確信する。先に帰ってるぞー。と、声をかけ、教室に戻る。
教室に戻ると、ほとんどが次の準備をしていた。寝ている間にいろいろと過ぎてたか。掃除とか。あ、やっべ。明日怒られるな。掃除はなぁ。めんどいんだよなぁ。
そうこうしているとちょっと焦った様子の二人が返ってくる。
「おかえり~。始まるぞ~。席付け~。」
授業は始まっており、先生に二人は怒られる。ドンマイ。さてさて、授業でも、聞きますかね。
ってうお?!また、あの風か?しかも、さっきまでのと違って相当強い。何が・・・・・起きてる・・・・?やばいな。外に出て、確認するか…。ちっ。
教室のドアは開かない。窓をけっても割れる様子はない。あ、これ、オワタ。
「痛てぇ。ああ、そういうことか。マジかよ。期待通りじゃねぇか!」
森の中。異世界ですね。わかります。
朧「いいじゃんいいじゃん!完璧じゃん!異世界だよ!楽しいよ!」
ポカさん「大変だ。」