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反抗声明  作者: みざり
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魔法陣



説明回みたいなものかな?






 最初の問題はレーヴェは長命種であることとクテルの寿命がわからないことです。

 そこで私はクテルの寿命を人よりも長く生きるときのために、自分も人としての枠組みを超えてでも寿命を延ばそうとしているのです。

 そのための方法として候補にあげたのがアンデット化でした。しかし、アンデット化は最初は良くても後々に理性を無くして暴走するという欠点があります。アンデットになり理性を保つことには魔力抵抗が関わってくるので、私なら数百年は保つでしょうが……。

 それでもせっかく人間をやめるのですから出来る限りの完璧を求めたいのです。ですからアンデット化は最後の手段ですね。


 そこまで考えて、一つ思い付きました。

 アンデット化する際に禁呪によって負の魔力を造り出し、それによって己の肉体を変質させるのですが、もしもこの魔力が他の性質を帯びていた場合はどのようなことになるのでしょうか?

 ここで言う負の魔力というのは正確には闇属性の魔力です。闇属性の魔力を負の魔力と称するのは、その魔力が負の感情を引き寄せたりしやすいからだったりします。


 人が持っている魔力はそれぞれ属性が違うのはご存じの通りです。つまり、それぞれの魔法や魔術は属性にあった魔力によっての使用しか考えられていません。

 なのでアンデット化の禁呪を改造すれば、他の属性による変化が可能かもしれません。

 嬉しいことに私は全属性の適性をもっているので試すことも問題になりません。よって、考えることは魔術の改造だけで良いわけです。上手くいけば複数の属性でも出来るかもしれません。

 ちょっとした思い付き程度でしたが、案外良い考えかもしれません。




* * * * *




 そんなわけで現在、私は魔術書片手に魔法陣を書き上げています。

 魔法や魔術を発動するには普段使っている詠唱以外にも存在しています。例えば、舞の動作に魔術を組み込んで発動する舞闘法や今書いている魔法陣を形成し、そこに魔力を流すことで発動する陣形法などがあります。

 陣形法はより複雑な効果を生み出すときに用いることの多い方法であり、さらに完成形があれば類似した効果の魔術を造り出しやすいこともあって、今回使っています。


 「えーと、ここが属性を決めているので、ここを闇から光に変えて……。属性を変えたから属性を増幅していた補助もそれ用に変化させて……」


 陣形法は陣とありますが、図形よりも特殊な文字を使用することが多くなっています。

 基本的には循環を司っている円を描き、そこに様々な効果を示す文字を当てはめていくというのは変わりません。そして文字の示す効果を連続的、もしくは同時に作用させるために図形などで繋げていくのです。

 なので魔法陣は一見するとひどく複雑に見えます。書かれている内容さえ理解できればパズルのようで楽しいのですけれどね。

 ちなみにザッカートは初めからこの作業に関わることを辞退しており、試しにとやってみたレーヴェは頭から熱を発していますし、クテルは開始早々眠ってしまいました。


 「トゥーリ様、休憩になさっては?」


 魔法陣を弄りながら考え事をしていると、ザッカートがお茶を運んできました。

 朝食を取ってからすぐに始めましたが、気づけば日も高くなっていました。


 「そうですね。少し休むとしましょう」

 「そうしてください。随分と長いこと続けていますから」


 休憩にするとは言っても、差し出されたお茶を飲みながらもアンデット化の禁呪についてまとめた資料には目を通し続けていますが。


 「それでどこまで進んだので?」

 「ひとまず禁呪を魔法陣に直して、今は試しに反属性の魔法陣に組み換えているところです」

 「もう組み換えまで進んだのですね」


 ザッカートが感心するように言っていますが、事実かなりの作業速度であることは確かです。

 なにせアンデット化の禁呪は元より魔法陣の形成が成されておらず、一から作る必要がありましたからね。それでもなんとか作り上げて、別の属性へと変え始めたのが先程のことでした。

 現在、作っているのは光属性による変質術式の作成です。魔法陣で新たな術を行使しようと思ったのならば反対の属性にしてみるのが割りと基本だったりします。魔法陣に使われる文字が反属性だと似通っている部分が多いのが理由だそうです。


 「魔法陣の作成というのはやってみれば中々楽しいですが、どうにも完成まではしばらく掛かるでしょうねぇ」

 「今でも最初の魔法陣が出来ているのですから、そこまで掛かることもないのでは?」


 私の言葉にザッカートは疑問を覚えて尋ねてきますが、甘いと言わざるおえませんね。


 「甘いのですよ、ザッカート。私が調べるのは単数の属性だけでなく複数の属性による術式もなのですよ」


 そう、無属性も含めた基本的な七属性、ここから複数の属性によるもの、さらに加えるなら無属性を除く六属性の上位属性も調べる必要もあるでしょう、ということをザッカートに語ると彼の顔はひどくひきつっていました。

 まぁ、どのみち協力させるので早々にあきらめて欲しいですよね。


 「三年です」

 「三年?」


 一転して真剣な態度で私は話します。その様子にザッカートも姿勢を改めて尋ねてきます。


 「ええ、三年です。このまま術式の改造を続けるにしても、術式の改造以外にもやらなければならないことは多くあります。

 だから、三年です。その期間を目標として完成を目指します」


 アナタも手伝ってくださいね、最後にそう呟くとザッカートは恭しく礼をした。






ここからの展開をあんまり考えてないです。



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