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反抗声明  作者: みざり
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亜竜狩り2


 レーヴェの強化が終わりました。筋力、防御力、速さなどありとあらゆる能力値を入念に強化したので、単純なステータスだけなら等級外と渡り合えるでしょう。あくまで能力だけを見れば、ですけれど。

 レーヴェの強化に一分ほど掛けました。その間にザッカートは亜竜を100ほど屠りました。これで残りは400と言ったところ。

 見た感じ、ザッカートでは魔力の消耗からして後200、いえ150が限界ですかね?

 なので私達も参戦するとしましょう。


 『ザッカート、一旦下がりなさい』


 一匹一匹は取るに足らない相手ですが、数が数なので最初から全力です。

 ザッカートが一匹の亜竜の首をはねると、こちらに戻ってきました。しかし、どことなく不満気ですね。


 「トゥーリ様、もう少し斬っておきたいのですが」

 『別に斬るのは構いませんが、帰りに動けないと困るので、アナタにはレーヴェとクテルのお守りをお願いします。クテルがいれば防御に魔力を使わないので、帰りに動けないなんてことにはならないでしょうから』


 ザッカートなら亜竜相手はブレス以外は、強化込みとはいえ剣で防ぎますからね。

 レーヴェは強化しているとは言ってもそこまでの技量がありませんし、クテルもクテルで変化が使いこなせていませんから、禁呪抜きのザッカートに補助させればちょうど良いでしょう。


 「わかりましたが、それでトゥーリ様は?」

 『決まっているじゃないですか、亜竜を狩るのですよ!』


 そう言って、亜竜に向かい駆け出しました。

 禁呪を切ったとはいえザッカートもいますし、防御にはクテルもいますから百匹ぐらいは任せても良いでしょう。

 では、手始めに


 『ひっくり返れ』


 言霊は相手が聞くことで発動するのではありません、相手を自分が認識して発動するのです。

 魔力を解放したときの私は自分の魔力で空間を満たしています。なので、魔力解放時の私は見えずとも一定の距離なら把握しています。

 結果的に起こるのは空中の亜竜達は地面に叩きつけられるという現象。しかし、試し程度に抑えた言霊でしたからいくらかは抵抗に成功したようです。

 それでも地に落ちた亜竜の方が多いのでまだ空中にいる亜竜はザッカート達に残して、地面にいる奴らから始末しましょう。


 『ザッカート、まだ飛んでいるのは任せました。あと三人もいるのですから禁呪は使わないでくださいね』


 わりと離れたところにいるザッカート達三人ですが、言霊には空気による減衰がありませんから聞こえたでしょう。悲鳴が聞こえた気もしますが、それも無視して落ちているのを片付けに行きましょう。

 一匹一匹、潰すのも面倒なのでまとめて殺ってしまうとしましょう。


 『範囲拡大・一閃』


 腰の剣を引き抜き、横に振り抜きました。

 言霊によって範囲が拡大された斬撃は距離に関わらず、亜竜達を切り裂いていきます。

 武器の切れ味、私の剣の技量に関わらずその振り抜くという現象の結果だけを拡大した一撃は亜竜を切り裂きました。

 一見して便利な攻撃ですが、魔力による攻撃ですから抵抗できなくもないので、割りと防がれることもあります。


 ここで説明しておけば魔術などに対する抵抗というのは、相手の魔術の魔力量、自分の保有魔力量と魔力密度に加えて精神力が関わっています。なので保有魔力量が高いと根性さえあれば中級魔術ぐらいまでなら簡単に防げたりします。根性論も馬鹿にしたものでもありません。


 しかし、先程の斬撃に込められた魔力は禁呪に近い量があり、更に亜竜達は突然地面に叩きつけられ混乱していたので、抵抗することなくバッサリでした。

 亜竜なんて上級魔術の一撃で殺せる程度でしかないので、ザッカートみたいな近接戦に特化した存在だとまとめて殺せないので手間がかかりますが、逆に私みたいな魔術などによる高威力の範囲攻撃を得意とする者からすればカモでしかありません。


 『失敗でした。これなら自分を禁呪なんかで強化して戦った方がまだ鍛えたことになったかもしれません』


 思わずため息が出ます。亜竜に限らず、群れる敵は範囲攻撃で始末できるのですから、わざわざ来る必要もなかったかもしれません。

 解放していた魔力をまた抑えました。


 「終わってしまったことは仕方がありません。まぁ、クテルの強化にはなるでしょうから、今日は良しとします」


 さて、ザッカート達はどうしているでしょうか?

 まだ余っているようなら、混ぜてもらうとしましょう。


 「……おっと、そうだ」


 あることを思い出し、魔力を解放します。


 『闇よ、広がり飲み込め』


 死体を放っておいて、あとで調査が入ると面倒です。

 亜竜の死体に残る魔力で、私が特定されたら困りますからね。そうなったら、王家子飼いの等級外も消す必要もでるかもしれません。それはそれで楽しそうですが、国を敵に回すにはまだ時期尚早です。

 せめて、クテルが完璧に能力を使いこなすまでは待ちたいですからね。


 亜竜の死骸が全て淀んだ闇に飲み込まれるのを確認してから、再び三人の所へ足を進めました。



 



やはり毎日更新は無理なようで、それでもエタることはないようにします。


こんな拙作ですが今後ともお付き合いいただけるのでしたら、どうぞよしなに。

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