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sunset station(3)

作者: シキ

4.体を蝕む副作用


「……………え?」


ネロが子供じゃない??


「あっはっは、どうしたのさお前らどう見たってネロは子供の姿じゃ……」

「にーちゃん分かってないなぁー。」

「だってネロは僕らが生まれるずっと前からあそこにいるんだよ?」

「うん、おばあちゃんが言ってたネロはあの駅で戦争に行った恋人を待ってるって、本当は大人なのに恋人が帰ってこないと元の姿に戻れないんだってね。」

「何だよ……それ。」


待てよ……その話は確か、最初に会った時の……


ー彼女にかけられた魔法とその『副作用』はー


ー「離れてりゃあっちもすぐ忘れるだろ」ー


………しまった、ひどいこといってしまった。

俺はダッシュでネロがいるあの駅に向かった。

          :

          :

「今年のジャムは出来が良くてねぇ…」

「ん?、どうしたケビン??息を切らせて…久しぶりだな。」


おばさんと話をしていたネロが俺に気付いてくれた。


「今…ネロの話を聴いて、もし…それが本当ならー俺、知らなかったから…くだらないとかひどいこと言ったと思って………」

「……!?あっははは!それでわざわざ詫びを入れに来たのか!」


ネロはひとしきり笑った後に真面目顔になった。


「………お前に初めて会ったあの日は彼の出生日だった。もう何度目になるだろう……」


ー『君はこの街に居て、僕が帰る日までどうか無事でー…』ー


「赤ん坊の時から一緒にいた…別れたときは17だった。ふっ、お前と同じ歳だな。しかし、未だ何の連絡もないということは私を置いて逝ったか、私を忘れて行ったか……まあそういう事なのだろう」


俺は耐えきれなくて聴いてしまった。


「それでもネロは寂しくないのか……?もっと他の道をえらんでも……」

「勘違いするなケビン、私はこの街がこの街の人間が好きだからここにいるんだ。この街は何もないが…だが、人は暖かい。何も出来ない私に本当に良くしてくれる。魔法師の本来の仕事は人々の希望を具現化すること………今私に魔法が使えるのならお礼に綺麗な花ひとつでも咲かせるのに。」


光に満ち溢れる綺麗な瞳が何故か僕を切なくさせた……



 5.感動の再開

「………。」


ネロそれじゃあずっと寂しいままだよ…


「そんな顔をするなケビン、お前は無駄に自身満々なくらいが…」

「ネロっ!!」


右側の線路から来た電車から降りた男人がネロの名前を嬉しそうに必死に呼んだ。

頭にはぐるぐるの包帯、右足が無く、松葉杖をついている。


「シュ、シュベルト………?」


ネロが信じられないと目を見開いている、まさか…この人が


「遅くなったね…ただいま。…ああ、何から話そうか…」


ニッコリ笑う彼に泣きながらネロが抱きつく。


「ケビン、お前がここに来る日は私にとって特別な日のことが多いようだな」


ーsunset stationに住む少女はもういないー


ーでも来年の春には…ー


ー2人の魔法使いがこの街をたくさんの花で埋め尽くすことだろうー


                 end。

最終話です!!

お待たせしましたww投稿するのに大分日数がたってしまいました(;´Д`)

いやー、夏休み真っ盛りですね!!

皆良い夏休みを!!


もちろん、次の新作も短編です(笑)

気長にお待ちくださいw

ではまたっノシ

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