幻想になってしまったあの子と俺
暴走した感じがハンパないっす。
「ふんぎゃああああぁぁぁぁ!?」
ゆかばあの手によって、博麗神社から隙間送りになった俺、出雲白夜。
只今絶賛落下中……!?
目の前が急にじめじめした地面になった。
「えっ?ちょ、まっ……」
ゴンッ!!
俺は気絶した……。
少年気絶中…
「んあ?ここ……どこだ?」
俺が気絶から復活すると、俺がいたのは気絶していた場所ではなく、どこかの小屋の中だった。
それも、凄く汚い。
「何だよここ……ん?誰だ?こいつ?」
隣で誰かが寝ていた。
「ん~?こいつどっかで……?」
そんな感じで俺は、霊夢の巫女服を白にしたような物を着ている『彼女』を覗き込む。
近くには二胡がある。
と、彼女の目がいきり開いた。
「わああぁぁ!?」
思わず、悲鳴を上げて尻餅をついてしまう俺。
「きゃああぁぁ!?」
それで、びっくりして飛び退いてしまう彼女。
少しの間、放心状態になってしまう俺と彼女だった。
その状態からいち早く脱したのは二胡な彼女だった。
「あ、貴方は出雲白夜しゃんであっていましゅか!!」
所々、噛みながら彼女は言った。
「そうだけど…君は?」
彼女に続き、復活した俺。またどっかで見たことあんなぁ~と彼女の顔を見ていた。
「わ、私冴月麟って言います!」
「そうかそうか、冴月り……えええええぇぇぇぇぇ!?」
「ど、どうかしましたか!?」
心配そうに俺の顔を除いてくる冴月麟。
まさかこいつまでいるとはな。
こりゃあ、幻想郷バンザイだ。
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冴月麟。
大人気、Win版第一弾『東方紅魔郷』で、存在だけが確認されている。
ただし、分かるのは名前と使うスペルカードが『風付』と『花付』という事だけ。
外の世界では、謎が多く、容姿すら分からない彼女だったが ……。
君達の書いている通りだよッ!!
金髪、巫女服みたいな白い服、二胡…… 。
全くその通りだった。
さて、話は戻るが、その冴月麟が何故俺の横で寝ていたのかを聞いた。
「なぁ、いきなりで悪いんだけどさ。何で俺、ここで寝てんの?」
「聞いてなかったんですか?私は紫さんに貴方の世話を頼まれたんですよ。……何故かは、分からりませんが」
よくサイトとかでみる物より、ちょっと幼い冴月麟がちょこんと座りながら言った。
それにしても、あのやろう……面倒事を人に押し付けやがったな……。
「ま、紫への制裁は今度するとして……俺はどうしたらいい?」
「?何を言って……」
「だって、俺これだと居候って事だろ?ただでって訳にもいかないし……あ、もし出て行って欲しいならそうするが」
俺がそう聞くと、麟はびっくりしたようで、さっさと同じような声を出して言った。
「で、出て行くなんてとんでもない!?いていいですよ!!一人より二人の方が絶対楽しいですから!!」
なんだか麟に止められた。……俺、麟の好感上げるような事したっけ?
まぁ、いいか。
「嫌じゃ無いならいいんだが……ま、他に行くあても無いしな。よろしく頼むよ」
そう言って俺は、手を差し出す。
「俺の名前は、出雲白夜だ。よろしく」
そうしたら麟はためらいなく手を握りしめ、言った。
「私は冴月麟です!これからよろしくお願いします!白夜さん!」
こうして、俺と麟は共に住むことになった。
花鳥風月。美しい自然の風景を表現した四字熟語。
だから、作者オリジナル麟は自然の力を操るみたいに考えて下さい。