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東方白來伝  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
紅霧の異変
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エリュシオンに血の涙

お久しぶりです、九尾ですよー春ですよー(←ナニイッテンダ)


久しぶりの投稿になります。


……なんだか、いつもの作風からぶっ飛んじゃってますけど、読んで頂けたら幸いです。

魔理沙と別れ、適当に飛んでいた霊夢だったが、一向にそれらしき所に着かず、飛ぶのも面倒になり、歩きながら向かっていた。


……しかし、本当に広い。広すぎる。外見からしたら、こんなに広くは無かったような……。


そんな事を考えていると、一つ。巨大な扉の前に出た。木でできた扉で、大きさ故か、誰も立ち入れないような雰囲気を放っている。



扉に手を当て、ゆっくりと押す。扉は、床と擦れて重苦しい音を出しながら動いた。



「……っ!?」


扉を開けた途端、右の頬を何かが掠めていった。僅かな痛みが頬をを走り抜け、少しの紅い液体が流れ出す。


すぐに臨戦体勢をとった。お祓い棒を握る手に、汗が溢れる。気分が高揚していく気がした。


周囲を見る……が何もない。あるのは、中央にある大きな階段と、そこから二手に分かれ、上の階へと続く階段のみ。


謎の襲撃を仕掛けたのは一体……人間? 妖怪? はたまた、実体が無い幽霊の類……?


「……ようこそ、紅魔館へ。私は十六夜咲夜。メイド長を務めています」


威圧的な、全く感情が組み込まれていない声がした。声の主は何処だ……。


「ご訪問してくださって、すぐに言うのもなんですが……」


何処だ……何処に居る……?


「退場してくださらない?」


世界が暗転した。 視界が、聴覚が、全て。一瞬だが消え去った。


暗転が覚め、視界が戻ると。






四方八方全てがナイフで、埋め尽くされていた。


目に見えている状況が脳を掛巡り、私の身体を反射的に動かす。


「封魔陣!!」


自身を中心に、黄色く光る柱が飛び出す。地面の下から溢れだした熔岩の様な音を出しながら、ナイフを吹き飛ばしていく。


が、また世界が暗転する。


私は勘で、下にしゃがみこんだ。


身体から遅れた髪が数本、切り取られる感覚。


折ったままの足を伸ばし、身体をひねりながら後ろにとぶ。そして、攻撃用のお札を複数放つ。


見えたのは銀髪の女性だった。メイド服を着ていて、ナイフを持っている。


彼女は、私のお札をナイフで全て弾き、そのナイフを投げつけてきた。


足をつき、身体を返してナイフをよける。


……そしてまた暗転。



「なっ……!?」




彼女の背後に大量のナイフが浮かんでいた。ナイフは、不気味な輝きを放ちながら私に向かってくる。


迫り来るいくつかを棒で弾き、走りながら避け、身体をひねって避ける。


すべて捌ききった様に見えても、世界がまた暗転し、大量のナイフがら展開される。


なんとか捌いていく……が、だんだんとついていけなくなり、


「くっ……」


足、腕、顔を、ナイフが掠めていく。切れ味が無駄にいいのか、掠めるたんびに血が流れ出す。




……まずい。このままでは、ジリ貧だ。


焦る。心の中で、焦る。だが、焦りは脳を伝い身体に現れていく。


「つっ!?」


結構深くナイフがあたってしまった。思わず膝をつく。


そんな私を見て、彼女はあざ笑う。


「ふふっ……。博麗の巫女も、所詮その程度なのね」


クスクスと、耳に障る笑い方をする。


「うっさいわよ! まだまだこれからなんだから!」


とは言ったものの、どう対処をすれば……。


……私の視界が、一瞬暗転した後に、ナイフは展開される。私が、全部弾ききっても、暗転後にまた現れる。そして……。


彼女の様子を伺いながら、辺りを盗み見る。


私が、弾いたり避けたりしたナイフは、何故か無くなってるのよね……まさか回収した訳じゃ無いだろうし…………あ!


彼女が展開したナイフを見る。その内の何本かが、赤く鈍い光を放っていた。


この部屋で血を流しているのは私だけ……だったらあれは私の血の筈。そのナイフを持っているって事は、何らかの方法で、ナイフを回収している、という事! 普通に早く動いただけなら、何かしら気づくだろうし、そもそもあんな一瞬でナイフを展開するなんて……って事は……。



あいつが、時を止める奴って事か。


……はぁ。なんで早く気づかなかったのかしら。だったら対処法は簡単なのに……。


「……よし」


私は、スペルカードを構える。構えた手から霊力を流し込む。


「……夢想封印!」


七色に瞬きながら、光の玉はメイドに向かう。しかし、暗転しメイドの姿は掻き消える。


続いて、相手を追尾する仕様にした御札を投げ付ける。また暗転し、姿は消える。


今度は、黄色く、四角い妖力弾を無数飛ばす。また暗転し、メイドは消える。


そんな事を、数回繰り返した。



「勝てないと分かって、ヤケになったのかしら?」


クスクス笑うメイド。また暗転し、ナイフが…………展開され無かった。


「……ちっ!」


舌を打つメイド。苦い顔をしながら、ナイフを握る。


「……あんた……適当にぶっぱなしてると思ったら!」


……作戦成功!


メイドは、足が御札の「縄」で拘束され、動けないでいた。


「くそっ!」


メイドは、足に絡みついた御札をナイフで切りつける。


……が、一向に斬れる気配がない。


そりゃあ、そうよ。霊力をたっぷり込めてあるからね。


「……さて、どうする? このままじゃ、私の独壇場だけど 」


「なにが独壇場だ! そんなの、引きずりおろしてやるわ!」


「……そう言う事言う割には何も出来てないじゃない」


「……クソッ!」


それでもなお、攻撃を続けていたメイド……だったが、ふと、その手を止めた。


「はぁ……もう、いいわ」


「はぁ?」


メイドはナイフを下に落とし、両手を上げる。


「この御札、斬れそうで斬れないんだもの」


降参よ。メイドは、ため息を吐く。


「あっそ。じゃあ、私は先に行かせてもらうわ」


御札を解き、しばらく歩いた……その時。



世界が、暗転する。身体の五感が一瞬だけ動作を停止し、再び動き出す。


だけど……。



「うっ!?」


私は、メイドの腹部に拳をのめり込ませていた。


腹を押さえ、唸りながらしゃがみ込むメイド。


「あんた……どうして……!」


「目の前にいるのって? 簡単よ。『ワープ』したの」


首に一撃を入れる。メイドが倒れ込む直前に、私は言い放った。


「あんたのマジックなんて、種がバレバレなのよ。自分の能力を、過信し過ぎないことね」



私は、その場を後にした。







次回投稿は不明です。しかし、次回作の東方二次のプロットは五割程完成済みです(←ナンデダ)

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