紅色の館~Scarlet Residence~
気持ちを精一杯込めて書いていたら、遅れてしまいました。(嘘です単純に諸事情で遅れただけです。すいませんでしたm(_ _)m)
「あ、魔理沙」
「よ、霊夢」
私が勘で飛んでいる途中。隣に魔理沙がついてきた。
「遅かったじゃない。幻想郷の速さ自慢の人はその程度なのかしら?」
「げ、いきなり罵倒かよ。ちょっと、氷妖精と遊んでたんだよ」
氷妖精……あぁ、あの馬鹿の妖精ね。やっぱり、人外はちょっと殺気立ってるのかしら?
「霊夢さん! 魔理沙さん!」
ちょっと考えていると、向こうからチャイナ服が飛んできた。
とりあえず、二人で無視をする。
「……って、無視しないで下さいよっ!」
チャイナ服は、私達の目の前に立ちふさがった。
「えっと……あ、そうだ。中国、どうしたんだ?」
「中国じゃないです!」
「じゃあ、チャイナ服?」
「私のあだ名を外見で決めないで下さい! 私は紅美鈴です!」
……そんな名前だったかしら?
「まぁ、いいわ。で、どうしたのよ」
「実は……」
~中国説明中~
「なるほどな……」
魔理沙が腕を組む。
……えっ? 分からない? じゃあ、教えてあげるわ。つまりこういうことよ。
紅魔館の主が操られている。
そう言う事らしいわ。確か、名前ら……レムリア? だったかしら?
「で、あやつられてるってなんで分かるんだ?」
それもそうよね。
「えっとですね。何故か急にカリスマが出てきたんです」
「は?」
「普段は、もっと砕けた感じの人なんですけど、いきなりカリスマを漂わせるようになって、更に……」
「更に?」
「更に、私達への態度が一変したんです。私の言うことは絶対! みたいな」
はぁ、と、ため息を付く美鈴。
「でも、それだけじゃ操られてるって分からなくないか?」
魔理沙がもっともの事を言う。
「そうなんですよ。それで、気になったからメイド長と少し調べてみたんですよ。そしたら……」
そしたら?
「背中に何か模様があったんですよ」
「模様か? 魔法陣とか、そんなのか?」
「いや、知り合いの魔女が言うには違うらしいです。私達が使うような物よりも、もっと高度な洗脳の術式らしいです」
「魔法じゃないのか……霊夢なら分かるんじゃないか?」
魔理沙が聞いてくる。
まぁ、分からない事は無いと思うけれど……。
「見てみないと分からないわね」
「そりゃあ、そうだよなぁ……なぁ。私達、この紅い霧を解決する為に来たんだけど、誰がやったか分かるか?」
「あ、それ私達の主です」
「やっぱり」
「なんだ霊夢。分かってたのか?」
「勘よ」
「……まぁ、いいや。そいつって、話し合いで解決できそうか?」
「多分、無理ですね。この霧を発生させた理由も、『この幻想郷を紅霧で覆い込み、私の物とする!』とか言っていましたし」
「なるほど……」
なるほどね。所謂廚二病って奴ね。
「……まぁ、否定はしません」
ところで、と続ける。
「あなた、博麗の巫女ですよね? そっちは、泥棒で有名な」
「泥棒じゃないぜ。ただ、一生借りてるだけだぜ」
「それを泥棒って言うんですよ……ってそうじゃなくて」
美鈴が私の方に向く。
「博麗のみ……「博麗の巫女って止めてくれない? 私には博麗霊夢って名前があるのよ」……霊夢さん。主……お嬢様を止めていただけないでしょうか?」
「良いわよ。ていうか、異変解決の為に来たんだし」
早く終わらしてお茶飲みたいし。
「なら、早く行こうぜ」
魔理沙が急かす。
「あ、待って下さい! これから、お嬢様の仕業で操られた人達がおそってくるかもしれません! それだけ気をつけて下さい! なかには時間を操る人も居ますから!」
「忠告ありがとうだぜ」
「それじゃあね」
私達は中国を残し、紅魔館に向かった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あ、白夜さん」
「よっす」
満身創痍のチルノと別れ、白玉楼に来た俺は、妖夢に会っていた。
……うん。幸いにも、白玉楼は紅霧の影響を受けていなかった。
「ここには、紅い霧は来てないんだな」
「まぁ、そうですね。幽々子さまが事前に結界を張ってくれましたし」
どうぞ、と中に入るよう進めてくる。
「それじゃ、遠慮なく」
ズカズカと入り込み、居間にある煎餅を勝手に食べた。
「それは、遠慮しなさすぎです」
はぁ、と溜め息をしつつもお茶を出してくれる。
「ん、ありがとう」
ズズズ……ふぅ、落ち着いた。
「あ、妖夢。麟見なかった?」
「麟さん……見てないですよ」
「何処にいるかとか分かったり……」
「すいません……今日、白玉楼から出てないんです」
「あー、そっか。分かったよ」
その後、小一時間ぐらい雑談をし、帰ろうとしたが。
「もう、止まっちゃったらどう? 今、もう夕方よ」
と、幽々子さまが言ってきたので、どうせだから泊まる事に。
その日は、幽々子さまの夕飯作りに精を出して、何故かあったオセロなんかをやって白玉楼に止まった。
白夜か、麟ちゃんをあんま心配してないのは、強いから大丈夫だろうと踏んだため。
だけども、心のなかではめっちゃ心配してます。