紅魔館の日常⑥
フランの遊び相手をする事になりました。
理由?レミリアに、
「あなたの友人が迷惑かけたのだからあなたが元をとりなさい」
との事。理不尽きまわりないな。
ところで……俺の友人、というのは皆様知っていただろうか。……おい、お前。何が友達いたのか、だ。別に、僕は友達が少ない訳じゃ無いぞ。略してはがない状態。
っと。話がそれたな。兎も角、迷惑というのは皆が気絶した事。俺の友人、「七色蝶華」がその莫大な神力を、普通の人間ならば消し飛ぶ程の力を纏ったまま落ちてきたからだ。それほどの力があるのに気絶で済んだ紅魔館の人達は、流石と言うべきだろう。まぁ、まず。蝶華が落ちてきたという時点でおかしいと思うんだけどな。
とまぁ、そんな訳で。なぜか、蝶華の近くを動ける麟が気絶(というか寝てる)蝶華をベッドに移し、周りに結界を張り、溢れ出る神力をかなり抑えたと言うわけ。
「……という訳なんだ」
「へぇー……お兄様も大変だったんだね」
ピコピコ羽根を動かしながらいうフラン。何これ可愛いんだけど。
「ねーねーお兄様?その、七色蝶華って人の事詳しいんだね。……もしかしてやってたり?」
「フラン、そうゆう事は言ってはいけないよ?大人にも、事情って物があるからね?」
「ぶー……」
不満そうに頬を膨らましますフラン。何これ可愛いんだけど。
「じゃあ、お兄様は蝶華さんみたいな人がタイプなの?」
タイプ……タイプねぇ……。俺の場合は……。
「俺の場合は、もっとちっちゃくて、金髪が良い……あ」
何だろう。フランがもの凄く笑顔だ。嫌な予感がする。
「えへへ……それってフラン……だよね?」
もの凄く笑顔で、腕に抱きつきながら言うフラン。……そういや、今のフランにドンピシャで当てはまるんだよな。てか、何これ可愛いんだけど。
……はっ!? 俺は何を言っているんだ!? と、兎に角お茶を飲んで静まろう……ズズズ。
「えへへ……フラン……お兄さまなら良いよ?」
「ブゴバァ!?」
フランの爆弾投下にお茶を吐き出す俺。
「ふ、フラン? それ、誰に聞いた?」
「え? お姉さまだけど」
「いよっし。全面戦争だ」
自分でもどこにあったか分からないが、バズーカを持ち出しフランの部屋を出ようとする……がその時。
「お兄さま……お姉さまをどうするの?」
グパラッ!?
服の端をキュッと掴み、上目遣いで俺を殺してくるフラン。何これ可愛いんだけど。
「……分かったよ。後で注意するだけに留めとくよ」
注意するだけ。注意するだけな。
……さて。
「フラン、お前のお姉様にフランと遊んでこいって命令を受けたんだが」
「本当!? やったぁ!」
ピョンピョン飛び回り、喜びを露わにするフラン。まるで妖精みたいだな。感情を全身で表現してる。
「それで、何して遊ぶ?フランが決め手良いぞ」
俺がそう言うと、「うーん」と腕を組み考え出すフラン。……本当。仕草一つ一つが可愛い。なんだかロリに目覚めそうだ。……もう目覚めてる? うるせーやい。
「決めた!フランね、『あれ』で遊ぶ!」
「『あれ』? ……あぁ、この前やったトラン「禁忌「クランベリートラップ」」はぁ!?」
フランの魔法陣から放たれた赤い弾幕を避ける。
くそう。トランプじゃなくてトラップかよ。しかも、弾幕ごっこときた。……あ、服の袖が……また咲夜に直してもらわないと。
「ほらほら! どんどん行くよ! 禁忌「フォーオブアカインド」!」
なっ!? クランベリートラップと一緒にフォーオブアカインドですか!? よ、避けきれん……。
「畜生! 妖器「ダークスパーク」!」
弾幕を走りながら避ける最中に、ダスパを放つ。
ダスパは、フランの分身と弾幕を飲み込んで消えた。
「アハ、アハハ、アハハハハハ!!」
段々笑い方が狂気を帯びているフラン。
「アハハ! どんどん行くよ!! 禁弾「スターボウブレイ」「ちょっと待った!!」……え?」
俺の制止にフランはスペカの発動を止める。
「ちょっと待っててくれ! 今から痛くない弾幕ごっこを持ってくるから!」
「え? それってどうゆ――」
フランの言葉を聞かずに俺は部屋を走り出る。
「……ふー、死ぬかと思った……」
本当に。死ぬかと思った。だってフランだぜ? 弾幕一つ食らって見ろ。一瞬でピチューンだ。
「……っと。あんまり待たせる訳にもいかんな。早く持ってこよう」
俺は、目的の物をもってくるべく、歩き出した。
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「ほい。持ってきたぜ」
「えーと……何これ?」
フランは、俺が持って来たブツを見て不思議そうにしている。よし、説明タイムだ。
「フラン、これは『東方花映塚』って言ってね。まぁ、ゲームだよ。フランも、ファミ○ンとか、プレ○テ1とか、ゲームキ○ーブとかやったことあるでしょ?」
「うん! フランね、あの、「たいよー!!」って叫ぶやつならやったことあるよ!」
ドヤァ……という効果音が似合いすぎる顔で胸を張るフラン。でもなフラン。ドヤってる所悪いけど、そのゲームゲー○ボーイアド○ンスだと思うんだ。
「まぁ、いいや。兎に角、やってみようか。はい、コントローラー」
そう言ってプレイステー○ョン2の、コントローラーを渡す。
どうやらフランは使い方を知っていたようで、コントローラーを構えた。
「よし。それじゃあ弾幕ごっこ開始だ」
「うん!」
俺はstartにカーソルを合わせ、ゲームを開始した。
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「ふわぁ~……私もそろそろ寝ないと……」
そう言って、紅魔館の廊下を歩く。現在の時刻はAM2:00。私は、ちょうど自身の部屋に向かっているところだ。
「あら?」
妹様の部屋の前を通り過ぎたとき。何かもの音が聞こえた。
「この時間はもう皆寝ている筈だけれど……」
不思議ね。無いと思うけど、侵入者だったら困るわね……。よし。妹様の部屋に入ってみよう。べ、別に、妹様の寝顔を見たいわけじゃないですよ!!
そして、部屋に入る直前。とても聞き慣れた声が。
「……ぱ、四……姫は……よな」
「ん? 白夜の声……?」
なんか尚更不安になったわ。白夜、というロリコンがこの時間まで妹様と居るなんて、危ない事になってるに違いない。
ガチャン、という音を立てながらドアを開ける。
そこで、私の心配は粉砕されることになった。
「ちょ、まっ! そこでスペカは無い!」
「ふふん、関係ないよね! これも勝つためだもん!」
「っと。よそ見してると死んじゃうぜ?」
「あー!! お兄さまズルい!」
「勝つためだしー」
「むぅーッ!」
部屋にはいると、なにやら白夜と妹様が何かをやっていた。何かって、ゲームね。こんな時間までやっているなんて……。
……はぁ。見てしまったからには……。
「白夜? 妹様?」
私の声を聞くなり、ビクッ!? っと飛び上がる二人。 そして、ギギギとロボットねように私を向いた。
「ヤ、ヤァ、サクヤサン。ナンノヨウデ?」
もの凄くカタコトで話す白夜。はぁ……こうなる事が分かってるなら止めれば良いのに……。
「分かっていますね?」
「「……はい」」
私の二人への説教は、その後四時間にも及んだ……。
あぁ……内容が薄い……