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東方白來伝  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
一泡吹かせよう 編
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さぁ、修行だ?[アリス編]―②

 アリス宅にて……。



「思ったんだけど」


「おう」



「あなたって、妖力、霊力使えるじゃない」



「うん」



「それで聞いた話によると、あなたスペカ使った時、魔力の使い方分かったらしいじゃない」



「そうだけど」



「だから私、修行付き合う必要ないじゃない?」



「ああ」



「だから家事でも教え「自慢じゃないが、家事は紅魔館のメイド長並みに出来るつもりだ」え……?いやいや。そんなわけないでしょ。……そうね。あなた、料理作ってみなさいよ」



「おう」



-----------



「くそ!!上手いし旨い!!嫉ましい!」


 ガスッガスッ!!と、俺の写真を貼ったわら人形を木に釘で差し込むアリス。



 ……あ、どうも白夜です。



 見ての通り、上の事がありアリスが只今狂ってますハイ。


「じ、じゃあ!此処に洗濯物と洗いかけの食器あるからやってみなさいよ!」



 アリスが唐突に言い出す。



「……いいよ」



 俺は自信たっぷりに答えた。



-----------



「……負けたわ。何で洗濯物が新品同様になっていて、食器がLEDライト並みに光ってるの……」





 アリスが見事なorz(四つん這い)になりながら落ち込んでいる。



「まぁまぁ、良いじゃないか」



「良くないわよッ!あなた!女が男に家事全般負けたら何気に傷つくのよ!」



「そりゃあ、まぁ……うん。……ドンマイ」



「うっさい!!」



 「全く……」と良いながら立ち上がるアリス。



「そういやさ、俺これからどうすんの?」



「え、あー……そうよねぇ……実践経験積む?」



「実戦経験?」



「そうよ。私、こうみえても、人里の自警団なんかやってるのよ」



「へぇ……」



 意外だった。アリスが人の為に一肌脱ぐとは。アリスのくせにやるな。



「なんか失礼な事言われた気がしたわ」


「き、気のせいだZE☆」



「そうかしら……」


 ふぅ、危ない危ない。また心読まれる所だった。



「ならいいわ。じゃあ、早速行きましょうか。時間もちょうど良いし」



 そう言って、アリスは自宅から出ようとする。



「ま、待ってくれ」


 俺も慌てて家を出た。



-----------



 所変わって人里入り口。そこに、何人かの人が集まっていた。



「お、妹紅」



「なんだ、白夜じゃないか」



 久々の顔合わせ、藤原妹紅。永琳とか鈴仙とかてゐにはちょくちょく会っていたけど、妹紅は久しぶりだな。



「元気にしてたか?」



 俺が妹紅に聞く。すると、妹紅は笑みを浮かべて答えた。


「まぁな。お前はどうなんだ?何でも、修行をしてるとか聞いたが……」



「まあまあだよ。とりあえず戦えるようになった。今日来たのは実戦の為だな」


「なる程な……私とやってみるか?」



「あと、千年後にお願いします」



 妹紅はふふっと笑い、「じゃあまた後で」と別れた。



「あなた、紅色と知り合いだったのね」


「紅色?……あぁ、妹紅か。そうだよ。竹林を案内してもらった」



「ふーん……あら?あれは……」



 アリスが指差した方を向く。



 そこには、よく見知った二人の子供……いや、「少女」がいた。



 二人はこちらに気づき、駆け寄ってくる。



「「白夜!」」



「……何で居るんだ?霊夢、魔里沙」



 皆さんご存知、魔里沙と霊夢だ。まだ二人とも、少し幼さが残る顔立ちをしている。



 魔里沙が笑って答えた。



「いやぁ……なんか必死に修行してたらさ、実力認められたみたいで自警団に入れてさ」



「自分で実力あるとかいうか……」



 でも、正直、勝てる気もしない。もちろん霊夢にも。俺も一年間修行はしてきた……けれどもだ。


「そういえば、白夜は何で居るのよ」



「いや……修行の実戦?ついでに来た」


「ふーん……」



 霊夢が興味なさそうにした。興味ないなら聞くなよ……。


「それでは、皆様お願いします」



 人里の村長ぽい人が皆に言う。



「じゃあ、俺は行くから」



 そう言って、二人と、アリスと別れた。



-----------



「……ほいっと」



 襲ってくる妖怪を弾幕にぶつけ、ぶっ飛ばす。



「……ふぅ。そろそろ二時間か。もう帰ろうか……ん?何であそこに妖怪が……?」



 とりあえず、近づいてみる。そこには……。



「し、シャンハーイ……」



 ボロボロになったシャンハイ人形が。


 そして、俺の中のスイッチが「カチッ」と入った。



「てめぇ……覚悟はできてんだろうなぁ!!」



 シャンハイ人形はアリスの家族。友人の家族が、目の前でボロボロにされているのに、助けない奴がどこにいる?



 今まさに。シャンハイ人形を噛みちぎろうとしている妖怪狼にあれを放つ。



「……妖器![ダークスパーク]ッ!!」



 妖怪は塵も残らず消え去った。



「シャンハイ無事か!」



 必死にあたりを見渡す。



「……シャンハーイ!!」



「うおっ?シャンハイ!」



 シャンハイが俺に飛びついてきた。



「……シャンハーイ……」



 シャンハイが俺に顔をうずめた。……よっぽど怖かったんだな。



「しかし、何でシャンハイが……「シャンハーイ!!シャンハーイ!!どこにい……あぁぁ!!いたぁ!!」あ、アリス」



「シャンハーイ!!」


 アリスにシャンハイが飛びつく。



「ああもう!!どこ行ってたのよ!!心配した……なんでこんなボロボロなの!?」



「……シャンハーイ」



「え?妖怪狼に襲われた?」



 言葉分かるのかよッ!!と、ツッコみたいが、場合が場合なので我慢する。



「……どうやら助けられたみたいね。ごめんなさい……」



「いやいや、いいんだよ」



 謝るアリスを止める。そして、一言。


「だって、大切な人(友人)の大切な家族が危ない目にあってたんだ、助けない訳ないじゃないか」


「ッ!?……」



 ……あれ?俺、何か言った?何でアリス顔赤いの?



 その後も、アリスは「大切な人」だとか、呟いてたけど話しかけても相手にしてくれなかった。……何故?



 

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